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横浜市、馬車道エリアで歴史的建造物の横浜郵船ビルを中心とした一帯を再開発!ホテルやオフィスビルなどによる水際空間が出現

都市計画・再開発(地域情報)/横浜・川崎・千葉・埼玉/首都圏 ニュース

2022/06/15 配信

メインパース
横浜郵船ビルを(手前)を保全することでこれまでの景観が守られる。新しい高層ビル(奥)は、その奥に隣接する神奈川県警本部(高さ91.8m)と同等の高さになる(出典:日本郵船)

昭和初期建築の歴史的建造物は
大部分を保全してホテルとして活用

計画地は日本郵船歴史博物館が入る横浜郵船ビル(A-2地区)と、戦後に横浜市内で最初に建設された高層ビルの横濱ビル(A-1地区の海岸通り側)があり、アートスペースのBankART Studio NYK(A-3地区、A-1地区の運河側、)と、リノベーションオフィスの創造空間 万国橋SOKO(B地区)があった場所。現在、このうちA-3地区とA-1地区の運河側はコインパーキングに、B地区は更地になっており、横濱ビルは解体している最中である。

広域図
計画地は横浜の主要エリアに挟まれているもののあまり注目されることが少なかった場所。それだけに落ち着いた街並みが広がっている(出典:日本郵船)
北仲通エリアにあるタワーマンション、ザ・タワー 横浜北仲の46階ロビーから見たところ。中央付近の高層ビルが神奈川県警本部で、その手前が計画地になる
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撮影時は解体が進んでいた横濱ビル(1950年竣工)。レトロモダンな建物は、数々のドラマのロケ地としても使われた

2015年に策定された横浜市都心臨海部再生マスタープランでは、国際ビジネス、ホスピタリティ、クリエイティビティという3つの視点から都心機能の強化を行うことが明示。加えて新たな賑わいの拠点づくりや、関内地区とみなとみらい21地区を結ぶ結節点における連携強化が求められている。

こうした基本戦略のもとで、国際ビジネス環境の強化、歴史的建造物の保全活用、回遊・憩い空間の形成、環境負荷低減、防災・減災に資する取組みが行われる予定だという。

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1885年に岩崎弥太郎氏によって創設された日本郵船。その歴史を大型模型や映像などで紹介する日本郵船歴史博物館は新しくできる高層ビルに移転
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前面に並んだ柱がギリシャ神殿を彷彿とさせる横浜郵船ビル。豪華客船が横浜港を航行していた華やかな時代を荘厳な意匠で今に伝えている

A-1地区、A-2地区、A-3地区、B地区に4つの新しい施設ができることになり、大きなトピックとしては、A-2地区の横浜郵船ビルは歴史的建造物ゆえ大部分を保全して、ホテルとして生まれ変わることだろう。

対照的にA-1地区の横濱ビルは地上21階、地下1階、高さ約100m、延べ床面積約72,800㎡の高層ビルにリニューアル。横浜郵船ビルに入っていた日本郵船歴史博物館が移転し、インキュベーション施設や店舗が入るほか、大部分はオフィスとして利用される。

配置図
海岸通りと運河に挟まれたエリアが計画地。貸会議室としても利用される万国橋会議センターはそのまま残る(出典:日本郵船)

見どころとしては、威厳のある意匠によってデザインされた横浜郵船ビルのコーニスライン(壁の上部を区切るための帯状の装飾)に合わせて、新しく建築される高層ビルには2層分のピロティ空間が設けられること。これによって、横浜郵船ビルの存在感が保たれるだけでなく、歩行者にとっては開放感が感じられるデザインになる。

A1地区
横浜郵船ビルの上部と下部を分けるコーニスラインに呼応するように、新しい高層ビルの低層部にはピロティを設置。プロムナードに繋がる歩行者空間を演出する(出典:日本郵船)

現在一時的にコインパーキングとして利用されているA-3地区には、低層によるホテルの付帯施設と広場が整備。創造空間 万国橋SOKOがあったB地区は宇徳が所有しており、同社の新社屋として地上8階、高さ約45mのビルが誕生。1階には店舗が入り、こちらのみ2024年に供用が開始される予定だ。

B地区
B地区に建てられる宇徳の新社屋。万国橋通りの新港地区側から見たところで、1階に入る店舗などの賑わい施設が人を呼び込む役割として機能する(出典:日本郵船)
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現在はフェンスで囲まれているB地区。右の建物が万国橋会議センターで、中央奥の白い高層ビルはアパホテル&リゾート<横浜ベイタワー>

海岸通りや万国橋通りから人を誘う
賑わいを創出する水際空間に期待

観光客や一般の利用者にとって嬉しいのは、回遊や憩いのための空間が整備されることだろう。A-1地区とA-2地区の間には運河へ向かうプロムナードが整備。A-3地区には水際との一体感や海への広がりが感じられる空間が設けられ、あわせてA-1地区とB地区の運河側には賑わいを創出する施設がつくられる。

運河沿いにもプロムナードが整備され、海岸通りや万国橋通りを歩いている人たちを水際空間へ引き込む回遊動線が形成される。

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横浜郵船ビルを裏側から見たところ。現在コインパーキングになっている場所にホテルの付帯施設と広場が整備され、憩いの空間の中心地になる

この辺りは日本郵船歴史博物館があり、少し東へ行けば「クイーン」の愛称で親しまれる横浜税関(1934年竣工)がある。さらにその南には「キング」の神奈川県庁本庁舎(1928年竣工)が建つという旧市街を形成。これだけ歴史的建造物が多いエリアにもかかわらず、意外にも観光客が多いという印象は薄い。旧市街の景観を守り続けることで変化が少なく、そのため新しい層を呼び込めていないという課題があったのである。

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像の鼻パークから見た横浜税関。間を通る山下臨港線プロムナードからは気軽に降りられない設計になっている
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北仲通地区と新港地区を結ぶ万国橋。現在の橋は1940年につくられた2代目で、かながわの橋100選にも選出されている

さらに山下公園と横浜赤レンガ倉庫のある新港地区を繋ぐ歩行者専用の山下臨港線プロムナードに一旦入ってしまえば、像の鼻パーク付近で降りない限り、旧市街のへ足を延ばすことはない。そして、みなとみらい21の新港地区と中央地区を行き来する歩行者のルートは汽車道が定番となっている。

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新港地区のメインスポットともいえる横浜赤レンガ倉庫。訪れる観光客に万国橋を渡ってもらうことが大きな課題となる

一方で、計画地の対岸にも新港プロムナードと呼ばれる遊歩道があるのだが、多くの観光客は新港地区の中心部へ向かうため、あまり利用されていない面があった。しかし、隣接するエリアでは、横浜地方合同庁舎(仮称)整備等事業が進行し、2023年の竣工時には運河を眺められるデッキテラスが整備される予定だ。

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計画地から対岸を見たところ。横浜地方合同庁舎(仮称)整備等事業が進んでおり、運河側からの景観にも配慮されるため印象は激変するだろう
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新港プロムナードから見た計画地。左端の建物が解体中の横濱ビルで、その右隣りの少し低い建物が横浜郵船ビル

つまり、今回のプロジェクトによって万国橋と新港橋に挟まれた運河は注目されることになり、多くの人を万国橋経由で呼び寄せることが可能になる。

とりわけ何度も横浜を訪れている人や地元の人にとっては、ちょっとした時間をリラックスして過ごせる場所の方が好まれるだろう。そういう観点から考えると、この辺りや隣接する北仲通北地区は今後さらに注目され、旧市街と新港地区を繋ぐ大きな役割を担っていくに違いない。

健美家編集部

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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