今年の秋に
開業予定
イオンリテールは、今年の秋に横浜市保土ヶ谷区の天王町でイオン天王町ショッピングセンターを開業すると発表した。
イオン天王町ショッピングセンターは、従来あったイオン天王町店が建物建て替えのために一時閉店していたもの。
建て替え前後で規模が大きくなるわけではないが、50年近く経過した建物が新しくなることで、イメージは刷新されるだろう。
また、新しくなるイオン天王町ショッピングセンターでは、デジタル技術の積極的な活用など新たな試みが展開される。
来店客が自らのスマホで商品のバーコードをスキャンするシステムや、AIによる商品提案などが導入される予定だ。
なお、店舗の規模は敷地面積約1万7,000u・駐車場台数約500台・専門店数は約50店舗となっている。
約50店舗という数字は、イオンの中であまり多い方ではない。しかし、横浜駅から近いため天王町周辺で比較するとかなり大きい部類に入る。
天王町は都心へのアクセスが良好で
人気の出やすいエリア
天王町は横浜駅から相鉄線で3駅目に該当する駅で、電車による移動の所要時間は約5分だ。

天王町からは、横浜駅周辺や川崎など神奈川県内だけではなく、渋谷や新宿など東京都心へのアクセスも良好となっている。
天王町から渋谷や東京など東京都心への所要時間は40分〜50分だ。
投資エリアを探すセオリーとも言える東京都心から30分圏内には入らないものの、横浜駅からの距離を考えれば、天王町は投資を検討するに値するエリアと言えるだろう。
なお、イオンが発表したプレスリリースでは、商圏の特徴として小学校も多く若いファミリーが多く生活しているとされている。

実際に天王町の周辺には働き盛りの世代が多く住んでいることが伺える。
さらにはイオン天王町ショッピングセンターの周辺では開発道路の新設や大型マンションの建設が進んでおり、今後も人口転入の期待が大きい。
若年世代向けの運営をするとともに
地域貢献イベントなどの予定も
予定されているイオン天王町ショッピングセンターの店舗構成はファミリー層も意識したものとなっており、各フロアは以下のように構成される。
1階:食品や生活必需品のフロア
2階:インテリア・雑貨やカルチャーのフロア
3階:キッズ&ファミリー及びスポーツのフロア
(3階建て)
核店舗として自社ブランドのイオンスタイルに加え、ペテモ(イオングループのペットショップ)や未来屋書店(イオングループの書店)などが入る。
なお、他のテナントについてイオンからの発表はまだない。一方で、パート・アルバイトの採用サイトが立ち上がっており、サイトでは募集職種として約20の職種が掲載されている。
掲載されているのはイオンが運営する店舗のみと予測されるため、他のテナントについて読み取れる情報はないが、オープンに当たっては相当数のスタッフが採用されるだろう。
イオン天王町ショッピングセンターのオープンは、周辺の経済にも相応の影響を与えると考えられる。
店内にはフードコートも設けられる予定で、若いファミリー世帯を意識する一方、ニチイ天王町店(1977年オープン)など前身店舗からの伝統とも言える行政や地元商店街とのイベントなども開催される。

地域密着のイベントと前述した新たな技術の導入などを並行して進めようとする姿勢には好感が持てる。
相鉄線沿線というと、海老名やJRとの乗り入れに関連する羽沢横浜国大などにスポットが当たりがちだ。
しかし、天王町周辺など横浜駅にほど近いエリアにも目を向けてみると良いのではないだろうか。
取材・文:
(はたそうへい)