宇都宮駅東口に商業やオフィス、医療
さらには地域交流スペースが集積
宇都宮市といえば、栃木県の県庁所在地かつ県内最大の都市。中核市にも指定されていて、直近の人口は51.6万人。近年は他の地方都市と同じく人口減少に転じているが、2018年までは過去60年近く人口が増加し続けていた、北関東屈指で賑わいのあるまちだ。
豊富な水資源や長い日照時間など、恵まれた生産条件を背景に農業王国の側面があり、米やいちご、トマト、梨などの栽培は盛ん。子育てや教育にも積極的に取り組んでいて、とりわけ教育においては小中一貫教育カリキュラムや地域学校園を推進している。
工業団地も広がっていて、テクノポリス(高度技術集積都市)の指定も受けているほど。東武宇都宮駅付近にあるアーケード街「オリオン通り」などを中心に多くの商業施設もあり、単身者・ファミリー層を問わず、住みよいまちを形成している。
首都圏へのアクセスは、鉄道だとJR東北新幹線や宇都宮線、東武鉄道があり、自動車なら東北自動車道を使えばスムーズ。交通の便利も優れている。2023年度にはJR宇都宮駅に隣接する形で宇都宮ライトレールも開業する予定で、同駅東口には8月26日に複合施設「Utsunomiya Terrace(宇都宮テラス)」も開業する。
Utsunomiya Terraceは商業施設やホテル、オフィスが入る14階建ての複合施設で、運営するのは住友商事。1階~6階が商業施設やオフィスに割り当てられ、家電量販店や100円ショップ、ドラッグストア、コンビニ、宇都宮・栃木を代表する名店などが出店。
5階~14階は佐野市に続いて栃木2店舗目の「カンデオホテル宇都宮」が開業する。部屋数は計288室で、地域の特産品を使ったレストラン、屋上には最新のロウリュサウナを備えたスカイスパも。JR宇都宮駅周辺では最大級となる480台の収納台数を誇る駐車場も完備する。
JR宇都宮駅東口ではUtsunomiya Terrace以外にも再開発が目白押しだ。昨年12月には脳神経外科、心臓血管内科を中心とする「宇都宮脳脊髄センター・シンフォニー病院」が開業し、今年5月には分譲マンションの「プラウド宇都宮」が竣工。同マンションは全110戸の規模だが、すでに完売している。
今年11月には交流拠点施設「ライトキューブ宇都宮」と交流広場「宮みらいライトヒル」も誕生する。ライトキューブ宇都宮は隈研吾建築都市設計事務所の設計デザイン監修によるコンベンション施設で、2000人収容可能な大ホールを含め、最大で大小全17室の会議室で構成。
宮みらいライトヒルは「水のプラザ(1階)」「緑のテラス(2階)」「風のホワイエ(3階)」と3層構造の交流広場が設けられている。これら2つの施設はUtsunomiya Terraceと隣接することにより、一体感を持って来訪者を迎える。
JR宇都宮駅周辺は、どちらかというと西口が市の中心部に面していて、栄えているのは東武宇都宮駅周辺。商店街や東武宇都宮百貨店など商業施設が集積し、栃木県庁や宇都宮市役所など行政主要機関が所在するのも、こちらのエリア。
対して東口はおとなしい雰囲気だったが、新たな都市拠点の形成を目指し、これら一連の再開発が進められてきた。
大規模な施設・拠点が生まれることにより、今後はJR宇都宮駅東口エリアの盛り上がりが期待され、人の流れも大きく変わるかもしれない。
コンベンション施設が開業すれば各種イベントや会議の開催、それに伴う宿泊など、交流・関係人口の増加にも貢献し、周辺には飲食店などがさらに広がっていくだろう。冒頭で述べた通り、宇都宮市自体の人口は減少フェースに移行したが、こういった施策がまちを活性化させる起爆剤になるに違いない。
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健美家編集部(協力:
(おしょうだにしげはる))