昨年9月に都市計画決定の
告示まで進捗済
栃木県小山市(おやまし)のJR小山駅前で再開発の動きが出ている。
小山市は栃木県の南部に位置しており、茨城県との県境に当たる都市だ。なお、南の下都賀郡(しもつがぐん)を挟んで埼玉県にも近い。
※引用:小山市
小山市が都心からどれくらい離れているかというと、東京から北に約60km・県庁の宇都宮市からは南に約30kmの位置にある。
道路交通に目を向けると圏央道五霞(ごか)インターチェンジに近いため、東京西部および成田空港付近へのアクセスも良好だ。
一方で鉄道は南北にJR宇都宮線と東北新幹線が、東西にはJR水戸線及びJR両毛線がそれぞれ通っている。
東北新幹線を利用すれば、埼玉県の大宮までは約15分・東京駅までは約40分でアクセス可能だ。
この新幹線による通勤利便性をアピールポイントとして、首都圏からの移住者を募るべく、小山市は一定の条件を満たす移住者に対して新幹線通勤定期代の一部を補助する制度を設けている。
首都圏の鉄道と比較すると新幹線は朝夕の遅延が起こりにくいほか、ほとんどの場合は座って通勤できることもアピールポイントの1つだ。
2002年以降は小山駅周辺の都市開発も進んでおり、東口ではマンションや商業施設のほかビジネスホテルなどが10棟以上も建設され、市のウェブサイトによると東口周辺のエリアだけでも1,600人以上の人が小山市へ流入してきたという。
※引用:小山市
目を引くものとしては、駅前に大学のキャンパスができたほか、低層階に商業施設や子育て支援施設が入ったゲタ履きの高層マンションなども完成している。
なお、複合商業施設の「ロブレ」が建っているほか、みつわ通り商店街があるなど、小山駅周辺の商業施設は西口側に集中している。
※引用:小山市
その駅西口のロータリー北側で市街地再開発の動きが出ている。再開発対象とされているのは、小山駅西口駅前広場に隣接する約1.2ヘクタールのエリアだ。
※引用:小山市
再開発対象のエリアには雑居ビルや古くなったようにも見えるアパートなどが建ち並んでおり、大きな商業施設が建っている西口南側のエリアと比較すると少し寂しい印象を受ける。
再開発計画は既に事業協力者の決定と都市計画決定まで進んでおり、2023年度には事業計画と組合設立認可まで進む見通しだ。
なお、事業協力者に東京建物、再開発コンサルタントに日本設計、アドバイザーに首都圏不燃建築公社がそれぞれ選出された。
再開発建物のイメージ図などはまだ発表されていないが、再開発建物の用途としては、商業施設・オフィス・住宅・ホテル・駐車場などが予定されている。
なお、対象エリアの権利者が多いことから、再開発は第1街区(約1ヘクタール)と第2街区(約0.2ヘクタール)に分けて進められるという。
小山駅西口の再開発は90年代から進められており、商業施設のロブレも94年に竣工した再開発建物だ。
古くなった建物をゲタ履きマンションなどに建て替える動きは駅西口前の全体で広がっている。
今回の再開発も完了すれば、以前の小山駅前とはかなり違ったイメージが定着していくのではないだろうか。
通勤利便性を考慮すると、小山駅周辺も投資エリアとしてあなどれない可能性を持っていると考えられる。
再開発の動きを契機として、小山駅周辺で物件を探してみるのも良いのではないだろうか。
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取材・文:
(はたそうへい)