駅前市有地を活用した再開発計画
近隣施設と一体的に南船橋エリアを活性化
千葉県船橋市は県北西部に位置する、人口64万人のまち。東京から20㎞圏内に位置する都市と自然が調和したまちで、千葉県内では千葉市に次いで第2位の規模を誇る。
船橋市内には9路線35駅もの鉄道網があり、東京メトロ東西線の西船橋駅やJR武蔵野線の船橋駅は、東京駅までわずか24分。市の中核駅として機能している。
一方、JR南船橋駅は両駅より南側、ベイサイドに位置し京葉線と武蔵野線が乗り入れる駅。1日の平均乗客数は約2万人だ。 周辺には船橋競馬場や「イケア」「ららぽーとTOKYO-BAY」といった商業施設、谷津干潟、船橋港親水公園、サッポロビールやフジフーズ、ニチレイフーズの工場や倉庫も広がる。週末になると買い物などに多くの人が訪れるエリアだが、現在は駅前で大規模な再開発が進行中で、それが、「(仮称)南船橋駅前商業施設計画」だ。
これは、駅南側に広がる空き地を整備するプロジェクトの一環。もともとは千葉県企業庁が管理する土地だったが、2013年に船橋市に売却され、2022年8月にはバス停やタクシープールが設置され南口駅前広場の供用が開始されたが、残りの土地を三井不動産が長期貸し付け方式により開発することになった。
同計画では生活に密接な約40店舗がテナントとして入る2階建ての商業施設を建築。スーパーマーケットや飲食店舗、クリニックモール、ウェルネス関連などが揃う予定だ。加えて、地域住民の憩いの場となる約5000㎡の大規模な広場を整備し、イベントなどの開催にも対応するという。効率的なエネルギー運転管理や省エネアイテムの導入などにより、CO2排出量の削減をはじめとするESG課題の解決にも取り組む施設を目指すのも特徴だ。
工事はすでに始まっていて、2023年冬に開業を予定。駅前に利便性の高い施設ができることによって、近隣住民の満足度は高まりそうだ。
同施設は「ららぽーとTOKYO-BAY」に近く、ここでは現在、三井不動産とミクシィによる収容1万人規模の大型多目的アリーナ「LaLa arena TOKYO-BAY」が建築中だ。同施設は「千葉ジェッツふなばし」がホームアリーナとして利用するほか、コンサートやスポーツイベント、企業の展示会などにも使われる予定で、2024年春の開業を目指している。
さまざまな施設ができることで、付加価値向上が期待される南船橋駅エリア。不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」の「住まいインデックス」によると、同駅の標準的な賃貸マンションの賃料は直近3年間で6.37%上昇し、これは千葉県の同期間における変動6.83%に比べてどうていどの水準だ。一方、標準的な中古マンション価格は同期間で21.28%も上昇していて、同エリアに対する注目の高さが伺えるというものだ。今回の再開発を通じてより魅力的なまちになり、定住人口も増えていくかもしれない。
健美家編集部(協力:
(おしょうだにしげはる))