
駅徒歩4分で
約1.6haのエリア
群馬県の高崎市で再開発が進んでいる。対象となっているのはJR高崎駅の東口から徒歩4分の場所にある、約1.6ヘクタールのエリアだ。

※引用:高崎市
対象エリアには、今はビックカメラ高崎東口店・市営体育館・年金事務所などが建っている。
再開発建物の内容は
複合施設と駐車場
高崎市のウェブサイトを見ると、集客施設や商業施設もある中で、ホテルが特に不足していると分析されており、「駅周辺の状況や今後の調査・分析をもとに、質の高いホテル誘致を図る」とあるが、高崎市は昨年12月にホテルの誘致を断念した。
ホテル誘致断念の理由は、コロナウイルス感染症の流行によってホテルの集客が難しくなり、収益性が下がったと考えられるため。
なお、再開発計画はコロナによって1度停止されたものの、2022年12月に計画の再始動が発表された。
計画の再始動・ホテル誘致の断念に合わせて再開発建物の内訳も変更されており、住宅部分の増床・オフィス部分の縮小・公民館の移転が盛り込まれている。
現在予定されている再開発建物の用途は、商業・オフィス・公益施設・住宅・駐車場が入る2棟のビルで、延床面積は2棟合計約7万5,000u。
2棟の内訳は、1棟のビルが駐車場で地上7階建て、もう1棟のビルが複合施設で地下1階・地上27階建てとなる。

※引用:高崎市
群馬県の広報紙に掲載されている完成イメージ図を見ると、1階〜7階までが複合施設で、8階〜27階が高層マンションとなるようだ。マンションの予定戸数は290戸。
低層階には商業施設・オフィス・子育て施設・公民館が入ると記載されている。また、公民館に併設する形で子ども用の図書館や室内遊技場、会議室などが整備される。
広報紙には、子育て施設に含まれる託児所には「理由を問わず子どもを預けられる」とあり、子育て世帯にとっては利便性の高い施設となるだろう。

なお、赤い囲みで書かれている「高崎芸術劇場」は再開発予定地の東に建っている既存建物だ。こちらは再開発建物に含まれるわけではない。
公民館は、現在高崎駅の北に建っている中央公民館を移設するとされており、既存の中央公民館は今後解体される予定。
現在の中央公民館は駅から徒歩20分強の場所に建っており、アクセスが良い施設ではない。また、建物の老朽化が進んでいるため建替えの意図もある。
駅からすぐの場所に移設されることで、市民は公民館を利用しやすくなるだろう。
再開発を担うデベロッパーとしては既に野村不動産が選出されており、こちらは計画の一時停止があっても変更されていない。
今後のスケジュールとしては、2023年度に基本計画の策定、2024年度以降に基本設計、その後解体工事と建設工事に取り掛かる予定とされている。なお、建設工事には3年程度の期間が見込まれているという。
高崎市は高崎駅周辺の整備方針として「集客都市」や「産業と芸術文化の充実」を掲げており、整備計画の策定はコロナ禍の2020年にも進められていた。
再開発計画は1度停止されたものの、高崎市はこの再開発を重要視しているということだろう。再開発の続報に期待したい。
取材・文:
(はたそうへい)