複数のスポーツ施設が集まる都市公園
川崎フロンターレのホームスタジアムとしても認知
等々力緑地は神奈川県川崎市のほぼ中央、中原区の等々力にある都市公園。JRと東急が乗り入れる武蔵小杉駅、東急東横線新丸子駅から約1qの距離にある、市を代表する公園のひとつだ。

広大な園内には、Jリーグ・川崎フロンターレの本拠地である陸上競技場をはじめ、硬式野球場、テニスコート、サッカー場、プールなどの運動施設があり、国際規模の大会からスポーツイベント、ライブ、式典などに使用できるとどろきアリーナ、教養施設の市民ミュージアム、落ち着いた雰囲気の四季園、釣り池、多目的に利用される催し物広場などもあり、その立地条件の良さから市民に親しまれている。
そんな等々力緑地に、大きな転期が訪れようとしている。それが、今年4月から始まる、川崎とどろきパーク株式会社による施設運営だ。遡ること2022年4月、川崎市により公表された「等々力緑地再編整備・運営等事業」に関する事業者公募に対し、同年9月に東急を代表企業とするコンソーシアムが共同で入札。11月に576億9700万円で落札され、民間事業者として選定を受けていた。
今年1月には同コンソーシアムが事業の受託を目的とした特別目的会社(SPC)である「川崎とどろきパーク株式会社」を設立。4月から30年間は同社が等々力緑地の運営を担い、川崎市との間で特定事業契約の締結準備を進めていく。

出所:プレスリリース
具体的な事業内容などは、川崎市との協議を踏まえ適宜公表するとされているが、現時点では等々力陸上競技場の球技専用スタジアムへの改修工事、とどろきアリーナの解体および新築工事、補助陸上競技場の陸上競技場への改修工事などを計画。
これに伴い、整備修了後は川崎フロンターレのホームスタジアムが球技専用となる。2029年度末までに、公園全体の整備が完了する予定だ。

出所:川崎市 報道発表資料
同事業は、民間資金などの活用による公共施設等の整備などの促進に関する法律(PFI法)に基づき実施されるもの。公共事業を実施するための手法のひとつだが、民間の資金と経営能力・技術力を活用し、公共施設などの設計・建設・改修・更新や維持管理・運営を行うのが特徴だ。
これまでも教育・文化、生活・福祉、産業、まちづくり、庁舎・宿舎などの分野で実施されてきた。本事業においても、株主を始めとする民間企業の知見を活用し、市民に愛される施設づくりを進めていく。
野球やサッカー以外にバスケットボールなどプロスポーツが盛り上がりを見せ、ライブなどショービジネスも活況なことから、近年は「沖縄アリーナ」(沖縄市)、や「SAGAアリーナ」(佐賀市)」「(仮称)LaLa arena TOKYO-BAY」(船橋市)など、多目的に使用できるアリーナ施設の建設・開業が相次いでいる。
等々力緑地にも新施設がいくつもできることで、スポーツイベントを中心に地域は盛り上がりを見せるだろう。まちづくりに伴うにぎわいの創出という点で、高い効果が期待される。
健美家編集部(協力:
(おしょうだにしげはる))