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京成千葉駅直結のそごう千葉店全館リニューアル。行政の要望に沿って地域に貢献する商業施設となるか

都市計画・再開発(地域情報)/横浜・川崎・千葉・埼玉/首都圏 ニュース

2023/05/31 配信

そごう千葉店
JR千葉駅側から撮影したそごう千葉店。写真の中央あたりに写っているのが京成千葉駅の出入り口だ。

リニューアル完了後のオープン予定は来年

老舗デパートのそごうを運営するそごう・西武は、京成千葉駅直結の場所に立地するそごう千葉店を、10年ぶりに全面リニューアルすると発表した。

そごう千葉店は本館とジュンヌ館に分かれており、営業面積は合わせて約75,000㎡という大型百貨店だ。

本館は営業を続けながら段階的に改装し、ジュンヌ館は今年の夏で一旦営業を終了し、全面リニューアルするという。

報道によると、リニューアルの検討は以前から進んでいたとのことで、ジュンヌ館についてはテナントも今後全面的に見直す予定。リニューアル完了後のオープン予定は2024年中とのこと。

千葉モノレール線路下から撮影したそごう千葉店
南側のモノレール線路下から撮影したそごう千葉店。駅からすぐそこの場所に立地している同店の存在感は大きい。

そごう千葉店はJR千葉駅からも歩いてすぐの場所に立地している。1日約87,000人というJR千葉駅の乗降客数(2021年度の統計による)を鑑みても、立地の良さは折り紙付きだ。

そごうが発表したプレスリリースによると、リニューアルのコンセプトは「千葉の魅力を再発見できる百貨店」。

リニューアル後の店舗は、地域住民の生活に貢献するほか、地域に根差した顧客交流のハブとして千葉県らしさを実感できるものにするという。

そごう千葉店は1967年開業という歴史を持っており、長らく千葉駅前の顔として営業してきた。

そのような背景もあって、そごう千葉店は2015年に千葉市と地域活性化や地産地消などに関する連携協定を締結している。

一方で、セブン&アイ・ホールディングスは、傘下のそごう・西武を海外ファンドとヨドバシカメラに売却する方針を2022年に示した。

このため、千葉市の神谷市長は2023年1月にそごう・西武へ要望書を提出している。

千葉市役所
千葉市はそごう千葉店を重要な商業施設と捉えており、同店が担う機能や役割の大幅な転換を望んでいない。

千葉市長が提出した要望書の内容

要望書では、千葉市はそごう千葉店を「まちのシンボルとして長きにわたり市内の消費を支えてきた重要な商業施設」と位置付けている。

また、連携協定を締結している点にも触れており、市民の利便性向上や集客につながる取組が広がってきている認識を示した。

そのほか、千葉都心部の街づくりについて方向性を示す「千葉駅周辺の活性化グランドデザイン」も、そごう千葉店の店舗形態や立地を前提として策定したと指摘。

これまでそごう千葉店が担ってきた機能や役割を継承してほしいという内容になっている。

千葉駅周辺の活性化グランドデザイン
資料「千葉駅周辺の活性化グランドデザイン」から抜粋。そごう千葉店が「歩行者中心の賑わい軸」(青枠)の中に入っている。

※引用:千葉市

実際に、千葉駅周辺の活性化グランドデザインではそごう千葉店までの範囲が駅周辺の賑わい創出源とされており、千葉市はさらに外側へ賑わいを広げていきたいと考えていることがわかる。

報道によると、そごう・西武側は「現時点で今後のことは明言できないが、千葉市の意向は承知した」旨の返答をしたという。

なお、時系列を整理すると、セブン&アイによるそごう・西武の売却が最初に報道されたのは2022年2月。その後、実際の売却時期はまだ明確に決まっていない。

西武池袋本店
西武百貨店の池袋本店。1階フロアへ家電量販店のヨドバシカメラが入ることに対して前豊島区長が懸念を表明しており、これが売却延期の一因になったと予測される。一方で、4月の区長選で当選した高際(たかぎわ)新区長は「話を聞いてみないとわからない」と発言している。

千葉市が要望書を提出したのは2023年1月で、そごう千葉店のリニューアルが発表されたのは2023年4月だ。

閉店ではなくリニューアルなので、2024年以降も営業することは予定されていると考えられる。

また、そごう・西武が示している「地域貢献」や「顧客交流のハブとなる店舗」といったリニューアルの方針は、千葉市の意向を少なからず汲み取ったものになっていると言えるだろう。

現時点で発表されているのはリニューアルするということだけであり、リニューアルの中身については続報が待たれるところ。

千葉駅周辺は都内と比較して価格が安く、その一方で人が集まるエリアなので、投資目線で見ても注目すべきエリアの1つだ。

そごう千葉店が、千葉駅周辺の活性化を加速させる商業施設となることを期待したい。

取材・文:秦創平(はたそうへい)

秦創平

■ 主な経歴

フリーランスライター。
不動産業界歴約12年を経て2019年からフリーランスのwebライターとして活動を開始。営業マン時代にはセミナー講師の経験も多数あり。
国内・海外を問わず不動産投資に関する記事が専門で、現在では毎月数十本単位の記事を執筆中。特にデータを用いた市場分析が得意で、海外マーケットに関するリサーチ記事の執筆も多数請け負っている。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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