埼玉県内では2015年4月に入間市にある大妻女子大学狭山台キャンパスの家政学と文学の両学部の1年生が東京都千代田区の千代田キャンパスに移転。2016年4月には、久喜市にある東京理科大学久喜キャンパス経営学部が新宿区の神楽坂キャンパスに全面移転する計画がある。
これに埼玉県では危機感を抱いており、国に流出防止対策の実施を求めている。埼玉県では大学などの教育関連機関は、地域の街づくりに欠かせない専門の人材や知恵を提供してくれる重要な存在と考えており、都内への大学移転が進めば、地方の衰退につながると主張。国の16年度予算概算要求に、地方に拠点を置く学校法人を対象にした助成制度の拡充などの対策が盛り込まむ要望を行っていく方針だ。
東京23区内などへの新規の工場や大学の立地は工業等制限法で制限されていたが、この法令が2002年に廃止されたことから、今回の埼玉県内の大学に限らず、他の周辺地域の大学でも同種の動きが顕在化している。大学側としては少子化の中、学生を確保するためには都心にキャンパスを置くことが必要と考えており、地方自治体とは利害が相反する。これを調整するために地方自治体では大学への補助金交付
...この記事は会員限定です。
会員登録(無料)すると続きをお読みいただけます。
健美家会員のメリット
- 会員限定物件や非公開物件情報が見れる
- 最新のコラムニュース情報がメールで受け取れる