日本橋横山町、馬喰町から東神田、岩本町辺りは衣料品、アクセサリー等の卸売り問屋が集まるエリア。今も通りを歩くと一般の人お断りの、プロユースの店が多く並んでいる。
その馬喰横山駅界隈が変貌しつつある。地図を見ればお分かりいただける通り、都心の主要なまちに隣接する、そのくせ、今ひとつ認知度の低かったまちである。
足回りとしては都営新宿線の馬喰横山町駅、都営浅草線の東日本橋駅、総武線快速の馬喰町駅がいずれも地下の連絡通路を介して繋がっており、足回りの利便性は抜群なのである。
その馬喰横山駅を中心に問屋街に他業種が入り始めている。しかも、空きビルや空き倉庫の跡地を利用した現代アートのギャラリー、若い人たちに人気のセレクト雑貨店、外国人などにも支持されるホステルなど、これまでになかった、時代の先端を行く業種が中心となっているのである。
たとえば、ホステルでは古民家を利用したものとしてはかなり早い時期に登場、話題になった入谷のtocoを手がけた人たちがcitanというホステルを開業している。
1階にはコーヒースタンド、地下にはバー&レストランがあり、まちに開かれた場という雰囲気に、多くの人達が立ち寄っている。同社は変化が起きていると話題の蔵前にもnuiというホステルを出しており、若い人たちの動きには非常に敏感であるようだ。
また、江戸通りから少し入ったアガタ竹澤ビルは1階にジュエリーショップAbHer? work×shop、2階にギャラリー&カフェの馬喰町ART+EAT、3階にドイツ雑貨のMARKTE(マルクト)などと注目を集めるショップ、カフェが集まり、知る人ぞ知る存在。
また、citanのある通りを眺めてみると分かるが、新しい、単身者向けと思われるマンションが林立しており、変化は著しい。とはいえ、周辺には古い建物(前述の竹澤ビルは築30数年)も多く、まだまだ穴場。今後、もっと注目が集まるであろうことを考えると、その前に一度チェックしておきたい場所である。
健美家編集部(協力:中川寛子)