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うまく改装すればチャンスも!労働者のまち山谷が格安ビジネスホテル街へ大変貌

都市計画・再開発/東京 ニュース

高度経済成長期以降、日本のいくつかの都市にはその発展を支えてきた労働者のまちがあった。東京でいえば山谷(さんや)が知られるところだが、地名としての山谷は今は無く、該当するのは荒川区南千住、台東区日本堤、同清川、東浅草あたり。

荒川区と台東区の境にある泪橋交差点。中央を右手に向かう通りが吉野通り。スカイツリーが見えていることから方角がお分かりいただけるだろう
荒川区と台東区の境にある泪橋交差点。中央を右手に向かう通りが吉野通り。スカイツリーが見えていることから方角がお分かりいただけるだろう

東京メトロ日比谷線、つくばエクスプレス南千住駅から南へ向かい、JRの線路を高架で超えた都道464号、通称吉野通りがかつての山谷エリアを貫くメインストリートである。通り沿いはもちろん、そこから裏手に入った辺りには多くの宿が集まっている。その姿自体は一見さほど変わっていないように見えるが、実はここ10年ほどで変貌を遂げてきた。

いかにもビジネスホテル風の掲示がある建物も増えている。だが、価格は明らかに他の場所より安い
いかにもビジネスホテル風の掲示がある建物も増えている。だが、価格は明らかに他の場所より安い

注意深い人であれば宿の表示に日本語以外の言語や外国人を意識したのであろう和風のディスプレイが掲げられていることに気づくであろうし、実際、まち行く人の中には外国人や若い人たちの姿も見受けられるようになった。

外国人旅行者を意識したかのようなディスプレイ
外国人旅行者を意識したかのようなディスプレイ

かつてここに居住してきた労働者が高齢化し、働く人のまちではなく福祉のまちと言われるようになってきた一方で、宿は少しずつその対象を変え、いまや格安ビジネスホテル街と言っても過言ではないようになってきているのである。

そのきっかけとなったのは2009年に誕生したKANGAROO HOTEL。コンクリート打ちっ放しにフローリングといういかにも今どきな、だが、客室の多くは山谷のスタンダードである3畳ほどのコンパクトな部屋というホテルで、なんと2011年にはグッドデザイン賞を受賞している。

カンガルーホテル。間違いなく、従来の経営者たちとは大きく異なるセンスがこの地に持ち込まれたということが分かる
カンガルーホテル。従来の経営者たちとは大きく異なるセンスがこの地に持ち込まれたということが分かる

宿泊は洋室のシングルルームが3600円〜。室内にはエアコン、テレビ、冷蔵庫にテーブルが備えられており、1階にはバスルーム、シャワールームが用意されている。従来の山谷の宿が2000円台中心であることを考えると、やや高めではあるが、一般的なビジネスホテルに比べると非常に安い。

しかも、山谷の多くの場所から東京スカイツリーが望めることからも分かるようにこの地は浅草その他の下町の観光スポットからはそれほど遠くはない。だったら、ここに泊まろうという人がいるのは当然だろう。KANGAROO HOTELはすぐに人気となり、向かいには2号店も誕生した。

さらに2011年にはこれまでのイメージを大きく変える新築物件が誕生した。パレスジャパンである。ホームページからも分かるように外国人、若い人を対象と想定、ドミトリー(相部屋)を備え、女性専用フロアを設けたホテルで、ドミトリーなら3400円〜。

パレスジャパンのトップページ。何を意識しているかが明確に分かる
パレスジャパンのトップページ。何を意識しているかが明確に分かる

キッチンやランドリーを備え、長期滞在もできる上、シャワールームに加えてバスルームも用意されている。1階ロビーでコーヒー、紅茶が無料で提供されるのもこれまでの宿にはないスタイルである。これまでにないと言えばバリアフリー仕様である点も挙げられる。
また、2019年には以前は男性専用のビジネスホテルだった建物を改装、未来の暮らしを体験できることを売りにしたホステルグループとして再生された例も。元々、宿として営業できる建物である、そこの多少手を入れることで今風にできれば若い世代、外国人を呼び込めるというわけだ。

それ以外にも京町家風(!)、日本建築学会選奨受賞の和モダンなタイプなど異色な宿なども登場しており、まだまだこれから面白いことになりそうな雰囲気も。従来からある宿のうちには所有者が高齢化、建物が老朽化している例もあり、そこをうまく改装すれば面白い宿が作れそうでもある。

通りから入った辺りには空いた建物を利用したのだろうか、トランクルームができていた。不要な土地家屋の買取りも行っているそうで、歩いてみると、今後、そうした建物が出てきそうな雰囲気は確実にあった
通りから入った辺りには空いた土地や建物などを利用したのだろうか、トランクルームができていた。不要な土地家屋の買取りも行っているそうで、歩いてみると、今後、そうした建物が出てきそうな雰囲気は確実にあった

ただ、その一方でかつては賑わっていた商店街のアーケードが撤去され、シャッターを下したままの店舗も目に付くようになっている。宿泊者が増えた割には飲食店などが増えていないのも残念なところ。今後の外国人旅行者の動向などにもよるだろうが、これだけ安価に泊まれるエリアはそれほど多くはない。今後の変化に期待したいところだ。

健美家編集部(協力:中川寛子)

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