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四ツ谷駅前再開発完成。変化は周辺にも波及するか?

都市計画・再開発(地域情報)/東京 ニュース

2020/03/09 配信

駅ビルアトレとの距離を見ると足回りの利便性がお分かりいただけよう
駅ビルアトレとの距離を見ると足回りの利便性がお分かりいただけよう

JR中央線、東京メトロ丸の内線、同南北線が交差する四ツ谷駅(新宿区)駅前で2016年以降建設が行われて来た「四谷駅前地区第一種市街地再開発事業」の施設建築物が竣工、見学会が行われた。複数路線が利用でき、新宿駅からもさほど遠くない立地ながら、元々は高層の建物が少なく、どちらかといえば低層の住宅などが目立つエリアであり、建設中から期待の声が大きかったプロジェクトである。

CO・MO・RE YOTSUYA(コモレ四谷)と名付けられた一画は敷地面積にして約1.8ha。四ツ谷駅と外堀通りを挟んで向かいあう場所で飲食店街として知られるしんみち通りとも近く、財務省官舎、旧四谷第三小学校などといった公共の持つ土地と民有地が混在していた場所である。ところが2006年に財務省官舎が廃止になり、翌2007年に四谷第三小学校が統廃合されることに。

それを受け、地元で発足した「四谷駅前まちづくり協議会」(その後、四谷駅前地区再開発協議会に)で、UR都市機構を事務局として、まちづくりの在り方の検討が続けられてきた。実際には2002年頃から動いてきたそうで20年近い歳月をかけてのプロジェクトということになる。

オフィス、商業に公益施設等の複合施設が誕生

右下が四ツ谷駅方面。左上にある広い緑地がコモレビの広場
右下が四ツ谷駅方面。左上にある広い緑地がコモレビの広場 画像/UR都市機構

具体的に完成したのは地上30階のオフィス棟「YOTSUYA TOWER」、地上2階の商業施設施設「CO・MO・RE Mall」、それぞれ地上7階、6階の「ザ・レジデンス四谷アベニュー、ガーデン」、地上7階の教育施設「四谷グローバルスタディスクエア」、そして区の公共施設である「四谷スポーツスクエア」「四谷クルーセ」からなる複合施設。

現在は工事中のコモレビの広場の完成予想図。このエリアには少ない緑の広場の誕生である
現在は工事中のコモレビの広場の完成予想図。このエリアには少ない緑の広場の誕生である 画像/UR都市機構

敷地で特徴的なのは四ツ谷駅に近い建物入口部分、そしてその反対側に設けられた広場である。この地域は建物が密集、広場等が少ないことから防災面での弱さが以前から指摘されてきた。そこで、再開発に当たっては非常時に駅前の帰宅困難者対応、周辺住民の一時集合場所としての広場が検討されたのである。

入口から駅方面。この周辺にも広場が作られている
入口から駅方面。この周辺にも広場が作られている

その結果、駅前側には約1000㎡の出迎えの広場、敷地北西側には約3300㎡のコモレビの広場が誕生した。合わせて敷地周囲の交通にも配慮、道路の拡幅、歩行者用通路等の整備も図られた。うち、コモレビの広場などは現在も工事中で、この完成を待って、2020年7月にまち開きが行われる予定という。

竣工1年前にオフィス入居者が決定

これまでになかった大規模なオフィスが誕生した
これまでになかった大規模なオフィスが誕生した

建物で注目したいのはオフィス棟。財務省が取得した部分を除き、竣工の1年前にはすべて成約していたというのである。当日、入居が公表された会社としては朝日生命、理研ビタミン、東横イン、高千穂交易などで、全14社。

内覧会当日、説明に当たった三菱地所の担当者によると四谷エリアにはこれまでSクラス(大規模物件を指す。一般的には基準階300坪以上が目安とされる)のオフィスビルが無かったとのこと。これまでオフィス街として認識されていたわけではないエリアだったわけで、それでも竣工前に決まった。四谷というまちのポテンシャルが再発見されたということだろうか。

防衛省方面を望むとその間に低層、小規模な住宅が中心になっているエリアがあることが分かる
防衛省方面を望むとその間に低層、小規模な住宅が中心になっているエリアがあることが分かる

その観点で四谷を考えると、これまで大規模な開発は行われておらず、通り沿いはまだしも、一本入ると低層の住宅も目に付く。路地も少なからずあり、隣接するしんみち通りは四谷駅周辺地区地区計画が決定されている。建替え時に後退することで容積等の緩和が受けられるというもので、道路幅の拡幅により良好な街並みを誘導する計画だ。周辺地域にはまだまだ変化の余地があるということである。

飲食店が並ぶしんみち通り
飲食店が並ぶしんみち通り
少し入るとこうした路地も残されている
少し入るとこうした路地も残されている

住宅は3月以降に発売予定

住宅は2棟に計60戸作られており、うち、権利床が41戸。それ以外及び権利者が売却する住戸などもあるようだが、実際の発売戸数は3月にホームページができるまでは分からず。30数㎡から130㎡とかなり幅のある住戸が出るそうである。

商業施設には39区画あり、こちらはすべて決定済。元々あった店舗に新たな店舗も加わって順次オープンし、7月頃までにはすべて出そろう予定で、物販に飲食、クリニックと多彩。それほど目新しい店舗はないが、地元にとってはスーパーの開業は嬉しいところだろう。四谷三丁目には丸正本店があるものの、それ以外は意外に生鮮食料品店が少ないエリアだったからである。

再開発地が面する三栄通り沿いの空地。建替えが予定されているのだろう
再開発地が面する三栄通り沿いの空地。建替えが予定されているのだろう

それ以外にも地域に開放される区のスポーツ施設その他があり、また、国際交流基金、国際観光振興機構なども入る予定で、多様な人が利用する場になりそう。周辺でも規模は小さいながら建替えその他が予定されている区画も見られ、この開発が地域の起爆剤になる可能性も。都心なのに意外に手が付けられてなかった地域であり、これからどうなるか。気にしておきたい。

健美家編集部(協力:中川寛子)

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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