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戸越銀座商店街に巨大な建物が誕生! 街の景観を変えるその正体は?

都市計画・再開発(地域情報)/東京 ニュース

2020/12/19 配信

誰もが知る関東屈指の商店街に
大手ホテルグループが初出店

戸越銀座商店街といえば、東京都品川区豊町、戸越、平塚にまたがる、全長約1.3㎞と関東有数の長さを誇る商店街だ。グルメロケや夕方のニュース番組などで取り上げられることが多く、知名度は高い。

その歴史は古く、1923年の関東大震災で被害を受けた都内の下町や神奈川方面の商業者が、当時は発展の著しかった大崎周辺であるこの地に集まり始め、1927年には東急池上線の戸越銀座駅が開業することに。これにより商店がさらに集積し、現在に至るという。

戸越銀座は全国に300以上あるという「〇〇銀座」の元祖といわれる商店街。メディアなどで日本一長い商店街と紹介されることもあるが、じつは間違い。正確には、大阪・天神橋筋商店街の約2.6㎞が国内最長だ。

商店街は戸越銀座商栄会商店街振興組合、戸越銀座商店街振興組合、戸越銀座銀六商店街振興組合の3つの商店街振興組合で構成されていて、約400件の店舗が軒を連ねる。

生鮮品や総菜店、飲食などはいずれも個人店が多く、大手チェーンと言えばコンビニやファストフード、ラーメン店くらい。どちらかというと、地域に根ざした店舗が目立つ。

一方で、下町情緒にあふれた街並みに注目度は高く、平日の通行量は1万人超、週末になれば近隣だけではなく遠方からも観光目的で人がやってくる。現在は新型コロナウイルス対策を商店街ぐるみで徹底し、来街者を受け入れている。

戸越銀座商店街の様子。平日は近隣から、週末になると遠方から買い物客がやってくる。近くにある武蔵小山商店街パルムも一緒に練り歩く、散策コースとしても有名だ。
戸越銀座商店街の様子。平日は近隣から、週末になると遠方から買い物客がやってくる。近くにある武蔵小山商店街パルムも一緒に練り歩く、散策コースとしても有名だ。

そんな戸越銀座商店街だが、新たな顔ともいえる建物が建築されているのはご存じだろうか。同商店街にあまり高い建物はなく、ぱっと見だとかなり目立つ。じつはこれ、大手ホテルグループ・アパホテルの〈品川 戸越駅前〉店で、2021年1月下旬に開業するという。

商店街沿いから撮影した、アパホテル〈品川 戸越駅前〉の外観。地上14階建てで、1階にはレストランが入り、客室は全103室。
商店街沿いから撮影した、アパホテル〈品川 戸越駅前〉の外観。地上14階建てで、1階にはレストランが入り、客室は全103室。

場所は、国道1号線の戸越銀座交差点から東に入ってすぐ。都営浅草線の戸越駅からだと、徒歩1分の距離で、立地は申し分ない。アパホテルにとっては品川区内初出店で、商店街自体にこれだけの規模のホテルが建つのも初のこと。近場にゲストハウスや民泊施設はあるようだが、五反田や中延、馬込まで足を延ばさないとビジネス・レジャーホテルはない。

都営新宿線は羽田空港や成田空港に乗り入れていて、近くには先述の戸越銀座駅、東急大井町線の戸越公園駅、JR大崎駅もある。浅草をはじめとする都心各所へのアクセスは抜群だ。

アパホテルといえば、インバウンド増や東京オリンピックを見越して、はやくから都内各所に拠点を構えてきたが、戸越駅前もそのひとつだということ。2019年8月の起工式を経て、ようやく開業に至る。

ホテルのエントランス。アパホテル共通の目を引く外観だ。近場には人気の飲食店が多いので、食事に困らない。
ホテルのエントランス。アパホテル共通の目を引く外観だ。近場には人気の飲食店が多いので、食事に困らない。

いくら全国的に知られる場所とはいえ、あくまでも下町の商店街。そこに、これだけの規模のホテルが建つのだから、「都内のホテルバブルもここまできたか」と思う節はある。

しかも、いまは新型コロナウイルスの影響により、インバウンドはおろか日本人の旅行需要も決して高くない。建てたはいいが先行きは気になる。大手の資金力をバックに営業を継続し、事態が落ち着いたころには、エリアの集客装置として機能してほしいところだ。

戸越銀座商店街は交通の利便性が高く、近隣には銭湯や公園が点在し、徒歩圏内には同じく商店街で有名な武蔵小山商店街のパルム、中延商店街のなかのぶスキップロードもある。

住みたい街として人気が高く、商店街沿いはもちろん周辺エリアにも賃貸住宅が広がっている。今回のホテル建築をきっかけに街がさらに発展すれば、賃貸ニーズも高まっていくかもしれない。

健美家編集部(協力:大正谷成晴)

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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