新たに進化を遂げた「田町駅」東口
JR山手線、JR京浜東北線の2路線が乗り入れるほか、都営浅草線、都営三田線「三田駅」も利用可能と、抜群の立地を誇る「田町駅」。
この「田町駅」東口で近年、大規模な再開発が行われている。その1つが、東京ガス・三井不動産・三菱地所が共同で進めてきた「TGMM 芝浦プロジェクト(仮称)」である。

計画地は、JR「田町駅」改札からもペデストリアンデッキで徒歩1分の場所。一帯の街区名称を「msb Tamachi(ムスブ田町)」とし、これまでオフィス、商業施設、ホテル、広場から構成される街づくりが押し進められてきた。
2018年5月には、地上31階、高さ168.98m、延床面積約136,620uの超高層ビル31階建ての「田町ステーションタワーS」と、スカイバーやエグゼクティブラウンジ等を備えたハイクラスホテル9階建てのホテル「プルマン東京田町」が完成。
また、2020年に、地上 36 階、高さ約 180m、延床面積約 152,800 uの「田町ステーションタワーN」も完成済み。タワーSとN併せて37のショップやレストランが出店しており、大いに賑わいを見せている。
老朽化した建物が増え、やや古びた印象がぬぐえなかった「田町駅」東口だが、これらのビルの登場で、いっきに変貌を遂げたといえるだろう。


「附属科学技術高等学校」が移転し
大学施設と超高層複合ビルが誕生
このJR「田町駅」東口には、もう1つ大きなプロジェクトが控えている。それが、「東京工業大学田町キャンパス土地活用事業」だ。
2021年2月1日の建設通信新聞によると、東京工業大学(以下、東工大)が田町駅東口に所有する土地に約75年間の定期借地権を設定し、NTT都市開発・鹿島・JR東日本・東急不動産グループが延べ250,000uの複合施設を整備・運営するという。
現在敷地内にある「附属科学技術高等学校」を大岡山キャンパスへ移転し、空いた土地に大学施設や産学連携施設のほか、オフィス、ホテル、商業施設からなる「複合施設A」と「複合施設B」が誕生する予定だ。
「複合施設A」は地下2階地上36階建て延べ約247,700u、高さ約178m。また「複合ビルB」は7階建て延べ約2,500uの規模。オフィスフロアは近隣エリアで最大規模となる見通し。
2026年3月には附属高校の移転を完了し、2030年6月に大学施設引き渡し。さらに2032年4月には建設工事全体を完了して、グランドオープンを迎える予定となっている。


ちなみに、同じ「田町駅」東口では、芝浦地区の児童の増加に対応するべく、2022年の開校に向けて、「港区立芝浜小学校」の建設も進んでいる。場所は、みなとパーク芝浦の隣。「msb Tamachi(ムスブ田町)」から歩いてすぐの場所だ。


新たなキャンパス・商業施設の建設。また小学校の開校など、これからも多くの人の流入が期待できるJR「田町駅」東口周辺。
ちなみに、2020年の「田町駅」周辺の公示価格平均は坪単価1181万8182円、昨年比+12.7%となっている(地価公示価格チェッカー調べ)。
今回の大学キャンパスの建て替えと超高層複合ビルの登場で、さらに周辺の資産価値がアップすることを期待したい。
(健美家編集部 協力:斎藤一美)