池袋駅から東武東上線の各駅停車で13分の上板橋駅(東京都板橋区)。駅の南口は、古い街並みが残り、低層の商店や住宅が連なる。周辺の道路は狭く、緊急時に大型車両が通行できないなどの問題も抱えていた。
そうした背景を受け、駅前広場から南口の商店街から川越街道(国道254号)につながる約1.7haの敷地で、3棟のビルを含む再開発事業が始まる。駅周辺の街並みが大きく変わることになる。

古い商店街が残る街並みから、
駅を中心として利便性や防災性を考慮した街へ
池袋から東武東上線の各駅停車で7駅目の上板橋。都心に近い立地ながら、駅舎は古く、南口を出ると低層の昔ながらの商店街が続いている。
木造の住宅が多いことや、駅周辺の道路は道幅が狭く、緊急時に大型の車両が駅に駆けつけることが難しいことなど、防災面からも再開発の必要があった。
東京都では、このエリアの利便性と防災性・安全性の向上とともに、商業・業務機能の強化による賑わいの形成や良質な住宅供給を行い、駅前に相応しい土地の高度利用と都市機能の更新を図るために3月25日、上板橋駅南口駅前東地区市街地再開発組合の設立を許可したと発表した。

川越通りと、駅前を結ぶ通りを新設
地上27階建てなどビル3棟、約440戸を供給
4月20日には、「上板橋駅南口駅前東地区市街地再開発事業」再開発組合設立のお知らせとして、住友不動産が参加組合員として参画することや、公共施設整備等を含む総事業費は、約400億円を見込んでいることなど詳細が明らかになった。
再開発工事の内容は、駅前広場(約3,900u)と駅前広場の地下に約1,500台収容できる公共自転車駐車場を整備する。そして、上板橋駅前と、川越街道を結ぶ延長210m(幅員16m)の区画街路を新設する。川越街道は川越方面と東京都心部を結んでおり、ここにつながる通りが新設されることで、駅周辺の利便性は大いに増しそうだ。

注目は、3棟のビルの新設である。まず、駅前広場に面する東街区に地上27階、地下2階建てのビルができ、低層部(1,3階)には南口の顔となる商業施設が入る。
中街区は、地上19階建て、地下1階で、住宅や店舗が入り、地上6階建ての南街区には事務所や店舗が入る予定だ。


なお、これまでの経緯を見ると、再開発準備組合が設立されたのは1995年にまでさかのぼる。その後、2004年に都市計画決定し、時を経て、今年 4月に上板橋駅南口駅前東地区市街地再開発組合が設立された。4月に着工し、2028年に竣工の予定になっている。
地元住民に話を聞くと、駅周辺の通路が狭く、車の通行が不便だったことなど、再開発が待たれていた様子がうかがえた。
ただし、駅の北口から常盤台方面に歩いていくと、マンションや都営住宅など、多くの集合住宅が密集し、新しくできた板橋区中央図書館・ボローニャ絵本館や公園などの公共施設も多い。北口は、大型スーパーも多く、生活利便性が高そうである。

南口の再開発が進むことで、北から南へと、人口の移動があるかどうか。また同じ東武東上線沿線で、板橋区の大山でも駅前の商店街でも、再開発工事が進んでいる。
池袋にアクセスしやすい立地を活かして、新しい住民を取りこめるのかどうか、気になるところである。
健美家編集部(協力:高橋洋子)
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