サブカルチャーだけではない!
教育・行政・娯楽が駅前に集まる街
東京都中野区の、JR中央線や東京メトロ東西線が乗り入れる、中野駅(東京都中野区)。2019年度の1日平均乗車人数はJRが約15万人(エリア内19位)にものぼる。東西線は中野駅を起点としていて、数少ない地上駅のひとつだ。
そんな中野駅は、同区の中心ともいえる存在。駅前北口にはサンモール商店街や中野飲み屋街が広がり、その奥にはサブカルの聖地として知られる中野ブロードウェイが構える。南口すぐそばにあるマルイは中野駅前が創業の地で、いまも本社は中野だ。大学のキャンパスも誘致され、さまざまな機能がコンパクトにまとまっているのが特徴といえるだろう。
そして、忘れてならないのは、北口駅前にそびえるエリアのランドマーク「中野サンプラザ」と、その隣に立つ「中野区役所」。圧倒的な存在感を放っているが、いまこの二つの建物が、大きな転換期を迎えている。
中野サンプラザは建て替えられ2028年度までに開業
区役所は移転し駅も含めた一体的な再開発を実施
中野サンプラザは、旧労働省所管の雇用促進事業団が勤労者向けの福祉施設として建設し、1973年に「全国勤労青少年会館」として開業した。その後は中野区などが出資する第三セクター「株式会社中野サンプラザ」に売却され、2004年より中野サンプラザにリニューアルすることに。ホテル・結婚式場の運営やカルチャーセンターの開催、スポーツ施設の運営などをしているが、何より有名なのはライブ・コンサート会場としての利用だ。客席数は2222席と小ぶりだが、アーティストと観客の距離が近いことや音響設備のよさで知られ、日比谷野外音楽堂や日本武道館と並び、都内のライブ会場として人気を誇る。
しかしながら近年は施設の老朽化が進んでいて、2018年に酒井直人区長は隣接する中野区役所の敷地を含めた再開発・複合施設を整備する方針を明らかにした。以降は事業スケジュールや民間事業者の選定方法の発表を経て、今年1月には野村不動産を中核とし、東急不動産、住友商事、ヒューリック、JR東日本が施行事業者、電通や野村不動産ホテルズなどを協力事業者とする案が選定。新しい街区は「NANANOサンプラザシティ」に生まれ変わることになった。具体的な時期は明らかでないが、今後は建て替え工事に伴い施設は閉館し、2028年度末までの開業を目指すという。
NANANOサンプラザシティは、高層階は展望フロア、オフィス、中総会は住宅、低層階は商業施設として整備する、高さ200m級の超高層棟「シンボルタワー」と、現在の3倍以上となる収容人数7000人規模で、上層階にはホテル、屋上には庭園を備える大ホール「中野サンプラザ」で構成される予定。コンセプトは「Culture Driven City Nakano100」で、文化を原動力としたまちづくりを目指すそうだ。
一方、中野区役所は現在の北側に移転して再整備される。もともとは中野体育館があった場所で、すでに解体工事は始まっている。今度だが、今年7月に新庁舎の建設工事が始まる予定で、2025年の竣工を目指す。
建物は地上11階、地下2階、塔屋1階、高さはおよそ52m、1階にはイベントスペースを設ける予定だ。
中野区役所の新庁舎とNANANOサンプラザシティ、中野駅を接続する街路、駅南北自由通路、スカイデッキも整備される予定で、アクセスのしやすさや回遊性のよさは申し分ない。駅前の様相は一変しそうだ。これからの変化が待ち遠しい。
人口は増え続けていてマンション建設も活発
単身世帯が多い賃貸ニーズ旺盛なエリア
中野駅北口周辺といえば、2012年に警察学校跡地に「中野四季の都市」がまちびらきし、早稲田大学や明治大学、帝京平成大学のキャンパスが開設。オフィスビルの中野セントラルパーク、中野四季の森公園といった施設ができたことで、駅前の雰囲気は大きく変わった。
南口方面でもオフィス棟や住宅棟による高層ツインタワーの建設が進められるなど、駅周辺の再開発はあわただしい。2010年は約31万人だった人口は、いまや33万人を突破している。なかでも20歳代、30歳代の占める割合が多く、単身世帯が全世帯数の6割を占めているのも特徴だ。都内でも今後も高い賃貸ニーズが期待できるエリアのひとつであり、さらなる発展が楽しみだ。
健美家編集部(協力:大正谷成晴)
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