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東京メトロ2大計画・品川地下鉄構想&有楽町線延伸が一歩前進。品川駅と白金高輪駅が地下鉄でつながる?

都市計画・再開発(地域情報)/東京 ニュース

2021/08/22 配信

自治体が求めてきた2路線の
早期の事業化が現実味

東京都心に張り巡らされた、複雑な鉄道網。そのなかでも、地下鉄は縦横無尽に走っていて、これ以上の拡大は難しいと思われがちだが、2つの新路線の整備が現実味を帯びきた。それが、「東京メトロ有楽町線の延伸」と「都心部・品川地下鉄」の新線構想だ。

埼玉県和光市の和光駅から東京都江東区の新木場駅までを結ぶ、有楽町線。今年2月からは新型車両の17000系の営業運転が始まっている。
埼玉県和光市の和光駅から東京都江東区の新木場駅までを結ぶ、有楽町線。今年2月からは新型車両の17000系の営業運転が始まっている。

きっかけは、今年7月半ばのこと。国土交通省の有識者会議は地下鉄網に関する答申「東京圏における今後の地下鉄ネットワークあり方等について」を赤羽国交相に提出。同答申は、国と都が保有する東京メトロ株の売却と、「地下鉄有楽町線の豊洲―住吉間延伸」と、品川駅と都心部を結ぶ「都心部・品川地下鉄」の2路線の新線構想に対して「早期の事業化を図るべき」という内容を示した。

まずは、有楽町線から。同線は和光駅(埼玉県和光市)から新木場駅(東京都江東区)までを結ぶ路線。沿線には池袋や豊洲、飯田橋、有楽町、豊洲など、ビジネス街や住宅エリアがあり、朝夕の通勤・通学時間帯は混雑が目立つ。昨年6月には銀座一丁目駅と銀座線・メルのうち千・日比谷線との乗り換え業務を始めるなど、利便性の向上にも取り組んできた。

そんな有楽町線で豊洲から住吉までが延伸すると、東京都東部の観光拠点へのアクセスはよくなり、交差する東西線の混雑緩和も期待されることに。都心から郊外までの流れもよくなるので、住吉近隣の住宅事情に影響を与える可能性もあるだろう。

有楽町線の延伸計画。豊洲から江東区を縦断して住吉まで伸ばす計画。住吉には東京メトロ半蔵門線と都営地下鉄新宿線が乗り入れているので、これらと接続すると23区郊外から都心への交通ネットワークが誕生する。 出典:国土交通省ホームページ
有楽町線の延伸計画。豊洲から江東区を縦断して住吉まで伸ばす計画。住吉には東京メトロ半蔵門線と都営地下鉄新宿線が乗り入れているので、これらと接続すると23区郊外から都心への交通ネットワークが誕生する。
出典:国土交通省ホームページ

有楽町線の延伸は江東区が整備を熱望してきた路線で、事業自体は東京都と約束されているもの。

都は築地から豊洲へ市場を移転する際、区と「土壌汚染対策」と「新市場と一体になったにぎわいの場の創出」、そして「交通対策」の3つを実現すると掲げていて、19年3月には東京メトロによる整備・運行が合理的として、延伸について同社に調査するよう依頼することを明らかにしていた。今回の答申で、一歩前進したと言えるだろう。

「都心部・品川地下鉄」は中央区が求めている新線整備だ。これは、品川駅と東京メトロ南北線・三田線の白金高輪駅を結ぶ構想で、その距離はおよそ2q。

ご存じの通り、品川といえばリニア中央新幹線の始発駅で、近隣も含めて国際拠点として大規模な開発が進められているエリア。ここに地下鉄が通れば利便性は一気に高まる。同線は2015年に都が取りまとめた鉄道ネットワークの検討結果で「整備について検討すべき」とされていたが、ようやく日の目を浴びた格好だ。

都心部・品川地下鉄構想の概要。実現すると東京メトロ南北線が乗り入れる見通しで、北は埼玉から南は品川までがつながる。 出典:国土交通省ホームページ
都心部・品川地下鉄構想の概要。実現すると東京メトロ南北線が乗り入れる見通しで、北は埼玉から南は品川までがつながる。
出典:国土交通省ホームページ

このように、具体化に進んだ2つの新線建設。ただし、白羽の矢が立った東京メトロは2004年の設立時、新線建設で財務が悪化すると早期の上場に赤信号がともるとして、新線の開発は行わないことを表明している。

メトロの株主である都は新線を建設してほしく、国も株の売却益を東日本大震災の復興財源に充てたいが、肝心のメトロは財務上の心配なく上場して、民間企業として事業を展開したいと、三者三様の思惑が入り乱れていたわけだ。

ところが去年から、公的な財政支援を背景とした新線建設と株式の売却を行う考えが、国交省を中心に議論され、今回の答申でも東京メトロが事業主体になることを求め、完全民営化の足を引っ張らないよう公的な補助金や融資を活用する案が示されることに。

株式の売却は当面、国と都が2分の1ずつを売却し、新線建設と復興財源の確保ができるようにしている。東京メトロとしては「経営に悪影響を及ぼさない範囲で行う」と慎重な姿勢を崩していないが、財政支援を活用できることで、議論が深まることは間違いない。具体的な計画が明らかになるのはまだ先のことだが、東京都心から広がる鉄道ネットワークの進化が、いまから待ち遠しい。

健美家編集部(協力:大正谷成晴)

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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