
ゆとりのある広場や店舗で賑わう
タワーマンションが駅前に誕生
JR総武線平井駅北口からすぐの場所で「平井五丁目駅前地区第一種市街地再開発事業」が進行中。当初は31階建てのタワーマンションが2023年度に完成する予定だったが、29階建てに変更になり、2024年度の竣工を目指している。
駅前広場と蔵前橋通りに挟まれたこの辺りは、古くから多くの店舗が集まり、街の発展に寄与してきた。しかし、老朽化した建物が増え、周辺にまとまったオープンスペースがないなど、災害時の活動が難しいという課題を抱えていたのである。

そこで、2014年に再開発協議会が結成され、2018年に再開発事業組合が認可。2021年に以前の建物の解体が終わり、本格的に着工した。
再開発事業の目的は、「駅前にふさわしい賑わいづくり」、「地域の防災性の向上」、「地域コミュニティの活性化」の3つ。新しいビルは1・2階が店舗に、3〜29階が約390戸の集合住宅になる予定だ。
特筆すべきは周囲には歩道上空地が設けられ、駅側には駅前広場が、蔵前橋通り側には防災広場がつくられること。
賑わいの創出や防災性の向上を考慮した計画になっている。加えて、東側には道路に面する形で店舗が並び、既存の商店街と一体となった街づくりが進められている。


そして、タワーマンションには多様なタイプの住戸が供給され、3階に子育て支援施設がつくられることで、さまざまな世代の住民の交流を活性化する狙いがあるという。
2つの河川に囲まれた
ゆるやかな空気が流れる街
江戸川区にある平井は少し特殊な街である。小岩や葛西などを抱える江戸川区の多くは、荒川の東側にあるのに対して、平井は荒川の西側にあるからだ。地図で見ると旧中川と荒川に挟まれた飛び地のようになっていて、文化的なつながりでいうと隣の墨田区との関係性が強い。


実際に平井駅は亀戸駅のひとつ東隣で、東京駅まではわずか17分。山手線の反対側である新宿駅にも30分ほどで到着するという、利便性に優れた街なのである。
それでいて平井駅の1日乗降客数は約67,000人で総武線第30位と、街の規模は比較的コンパクトに収まっている。計画地のタワーマンションから平井駅までは徒歩1〜2分ほど。駅構内に入るとすぐに改札が現れるので、電車にサクッと乗れる利便性は小さな街ならではのメリットといえる。

再開発がスタートした平井の第一印象は、静かで暮らしやすそうな街であること。その理由は前述の通り、2本の川に挟まれた地理的な要素や大部分が住宅地であることも関係しているのだろう。そして、雑然とした繁華街がほとんどないため、どことなくゆるやかな空気が流れている。
といっても特徴のない街ではない。駅周辺には24時間営業のスーパーや全国チェーンのコーヒーショップといった飲食店などの店舗が多数営業。駅南側には平井親和会商店街があり、ドラッグストアやスーパー、昔ながらの個人商店などが軒を連ね、賑わいを見せている。

下町風情があまり感じられないのは、2000年に駅南側がタワーマンションによる再開発を終えているから。古くから続く街に対して、新しい店舗や施設がバランスよく混じり合い、この空気感こそが暮らしやすい街としての期待感を高めてくれる。
懐かしさと新しさがほどよく同居
ほかの街にはない価値が隠れている
あまり知られていないこととしては、全国にある楽器店の島村楽器の本社があり、関東を中心に展開しているスーパーマーケット、肉のハナマサの創業の地であることが挙げられる。後者の創業は戦前であり、意外にも平井は歴史に彩られた街なのである。
それを裏付けるように、最勝寺という平安初期に創建された有名な古刹がある。江戸時代になると幕府が江戸城を守るため、江戸に五色の不動尊を配置したうちのひとつ、目黄不動尊としても知られている。

ほかにも江戸切子をはじめとしたものづくりが盛んで、昔ながらの喫茶店や町中華、銭湯も健在。再開発が進んでも、こうした魅力が損なわれることはなく、これからも懐かしさと新しさが同居する街として発展していくだろう。


ランドマークの誕生によって、総武線沿線における城東エリアの穴場として注目を集めるはず。そして、亀戸にも新小岩にもない魅力に多くの人達が気付くだろう。
健美家編集部
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