都営浅草線と京急本線が乗り入れ、
目の前には高輪ゲートウェイ駅も開業
泉岳寺駅は、東京都港区高輪二丁目にあり、1968年に開業した駅。赤穂浪士の墓所として知られる萬正山泉岳寺に近いことが、駅名の由来とされている。
同駅には都営浅草線と京急本線が乗り入れていて、浅草橋は押上駅で京成押上線と接続。京急。都営線・京成・北総・柴山の鉄道5事業者による相互直通運転が実現している。
その結果、千葉県北西部の成田氏・印西市・柴山町の各方面から神奈川県の逗子市・横須賀市・三浦市に広がる広域鉄道ネットワークを形成することに。直通先の京急線・京成線がそれぞれお羽田空港、成田国際空港へつながっているので、浅草線自体も空港アクセス路線として重宝されている。
とりわけ東海道・山陽新幹線の停車駅である品川と隣接し、目の前に高輪ゲートウェイ駅が昨年開業した泉岳寺駅は、その周辺を含めて注目を集めているエリアだ。

そんな泉岳寺駅地区だが、近年は同駅から高輪ゲートウェイ駅〜品川駅の間で「品川開発プロジェクト(第T期」と「泉岳寺駅地区第二種市街地再開発事業」が進められている。それを示すかのように、品川駅から泉岳寺駅までを国道に沿って歩くと、商業・オフィスビルは閉鎖・解体されていて、その背後では大規模な工事が行われていることがわかる。

こうした中、プロジェクトが一歩前進したのが、泉岳寺駅前の再開発事業。今年6月に東急不動産と京浜急行電鉄によるコンソーシアムは、東京都と特定建築者の業務に関する基本協定書を締結し、本事業に参画することが決定。泉岳寺駅に直結する約8500uの敷地に、高さ145m・地上30階、地下3階の、住宅(約350戸)、業務、商業用途の複合ビルを建設するという。

出典:東京都都市整備局
これに伴い泉岳寺駅の強化も図り、浅草線のホームやコンコースを拡張、エレベーターの増設といった大規模な改修工事も行われる予定だ。また、高輪ゲートウェイ駅への歩行者デッキにも接続する予定で、両駅間のアクセスは格段に良くなる。
開発エリアに建つビルはすで閉鎖していて、解体の準備中。
今後のスケジュールだが、2023年4月頃に工事に着手し、28年3月頃に工事は完了する見通し。先述したように、泉岳寺駅は地域を広域的に結節する機能があり、アフターコロナを迎え国内外の人の流れが回復に向かうと、羽田・成田の両空港へつながる空港アクセス線の役割も担う同駅の利用者が増える可能性は高い。その駅に直結する複合ビルは、エリアのポテンシャルを引き上げるだろう。
また、泉岳寺駅周辺ではリニア中央新幹線の開業に向け、国際交流拠点としての開発も着々と進んでいる。
同プロジェクトでは品川方面の1街区から泉岳寺方面の4街区にかけて超高層ビルが並び、ラボやホールなどの文化創造施設、国際会議などに対応するカンファレンス・ビジネス施設、国際水準の居住施設や宿泊施設が整備される予定だ。駅と街全体が歩行者ネットワークと交流空間で一体感に包まれ、高輪ゲートウェイ駅の駅前には歩行者広場デッキも開発。三田・田町地区、JRの線路をまたいだ海側の芝浦江南地区といった周辺地域までも歩行者専用道路でつなぐというので、かなり広範にわたる一体的なまちづくりが進む。
そこで気になるのは、浅草線と京急本線に対する波及効果だ。まちが整備され雇用が生まれると駅の利用者が増えるばかりか、沿線での住宅需要も高まるに違いない。
浅草線であれば五反田より先の戸越、中延、馬込、西馬込は商店街が充実した住宅エリア、京急本線も北品川から青物横丁、京急蒲田にかけてはのんびりとした下町で、その先も基本的には住宅街が広がる。泉岳寺駅や品川駅の再開発は、沿線の発展にも影響を及ぼすだろう。
健美家編集部(協力:大正谷成晴)
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