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帝国ホテル東京の建て替えや日比谷公園の再整備が本格的に始動。都心から郊外にかけての影響は必至?

都市計画・再開発(地域情報)/東京 ニュース

2021/09/04 配信

丸の内や銀座のほど近く
東京都心の一角を占める「内幸町」

東京都心といえば、JR山手線に沿って東部なら丸の内や銀座を中心に、秋葉原や上野、西部なら渋谷、原宿、新宿、他にも表参道や六本木は知名度が高く、人気のエリア。オフィスや商業施設、観光スポットが多く、交通の便もいいのでビジネスパーソンや買い物客、観光客が集まりやすい。近年はこれらエリアで再開発プロジェクトも進んでいて、ますます魅力が増しているのも共通点といえるだろう。

再開発エリアに隣接する日比谷公園。都立公園だが土地の一部は公有地だ。市政会館や日比谷公会堂、野外音楽堂などがあり、樹木や大小の花壇など自然も豊か。内幸町1丁目の再開発に伴い再整備が決まった。
再開発エリアに隣接する日比谷公園。都立公園だが土地の一部は公有地だ。市政会館や日比谷公会堂、野外音楽堂などがあり、樹木や大小の花壇など自然も豊か。内幸町1丁目の再開発に伴い再整備が決まった。

ところが、都心の再開発エリアは、これらに限らない。今年6月には、日比谷公園に隣接する千代田区の「内幸町1丁目街区」における大規模再開発の概要が明らかになった。

内幸町は1丁目と2丁目で構成されるエリアで、日比谷公園だけではなく有楽町や銀座、新橋、霞が関とも接する、都心の中の都心といえるスポット。帝国ホテルや東京電力、みずほ銀行といった、日本を代表する企業が拠点を構える国内有数のオフィス街としても知られる。

他方、日比谷公園は都民や観光客の癒しスポットであり、コロナ前まではグルメ系などのイベントを頻繁に開催。日比谷公会堂や野外音楽堂はライブ・コンサート会場として根強い人気を誇る。日生劇場や東京宝塚劇場、東京ミッドタウン日比谷など、文化・商業施設も隣り合っていて、コンパクトなエリアに様々な機能が集積しているのが特徴だ。

日比谷公園を背にした、内幸町の交差点の様子。みずほ銀行やNTT日比谷ビルなどが建ち並ぶが、これら一帯が再開発の対象エリアとなる。
日比谷公園を背にした、内幸町の交差点の様子。みずほ銀行やNTT日比谷ビルなどが建ち並ぶが、これら一帯が再開発の対象エリアとなる。

内幸町は交通の便もよく、近くに都営地下鉄の内幸町駅、都営地下鉄と東京メトロが乗り入れる日比谷駅、丸ノ内線と日比谷線、千代田線が乗り入れる霞ヶ関駅、JRの新橋駅、有楽町駅も徒歩圏内だ。ここからも、内幸町がいかに都心の重要スポットなのかがわかるだろう。

そんな内幸町のうち、内幸町1丁目街区および有楽町1丁目街区で構成する日比谷・内幸町エリアでは、東京都・千代田区・地域関係者による「日比谷エリアまちづくり基本構想」を2011年に策定のうえ、19年には国家戦略特別区域会議において東京都の都市再生プロジェクトに位置付けられることに。

NTT都市開発や公共建物、第一生命、三井不動産など関係利権者10社がまちづくりについて議論を重ねて、今年3月にはまちづくりの方針に合意したことが伝えられていた。次いで6月に、超高層複合ビルを複数棟建設する計画が明らかになったという流れだ。

内幸町1丁目街区再開発の計画地マップ。北地区、中地区。南地区の3つにわけ、それぞれに複合ビルを建設する予定。 出典:三井不動産ニューリリース
内幸町1丁目街区再開発の計画地マップ。北地区、中地区。南地区の3つにわけ、それぞれに複合ビルを建設する予定。
出典:三井不動産ニューリリース

再開発の名称は「内幸町1丁目街区開発計画」で、対象の敷地面積は約7万㎡、延べ床面積は約約100万㎡と、その規模は国内最大級。敷地を北地区、中地区、南地区の3つに分け、オフィスや商業施設、音楽ホール、ホテル、サービスアパートメント、住宅、産業支援施設、ウェルネス促進施設が入る40階以上の複合ビルを4棟建てる。総事業費は5000億~1兆円に上る見通しだ。

内幸町1丁目街区開発計画のイメージパース。北地区に2棟、その他の地区には1棟ずつビルが建つ。 出典:「内幸町1丁目北特定街区 内幸町1丁目北地区再開発等促進区を定める地区計画 都市計画(素案)の概要」より
内幸町1丁目街区開発計画のイメージパース。北地区に2棟、その他の地区には1棟ずつビルが建つ。
出典:「内幸町1丁目北特定街区 内幸町1丁目北地区再開発等促進区を定める地区計画 都市計画(素案)の概要」より

現時点で示されているまちづくりの主な方針は以下の4点。

1.駅・まち・公園一体の都市基盤整備による開かれた街区の形成(歩行者ネットワーク・広場空間)
2.最先端技術等を活用した国際ビジネス交流拠点の整備(個性ある拠点形成)
3.高度防災・環境都市づくり(安全・安心、みどり・環境)

計画概要も次のように示されている。

■北地区
第1期棟として、現在の帝国ホテルタワー館(インペリアルタワー)を建て替え、低層部に商業施設や中層部にオフィス、高層部にホテルが入る46階建て、高さ約230mのノースタワーを2030年度までに整備。第2期棟として29階建て、高さ約145mの帝国ホテル新本館を2036年までに整備。

中地区
低層部に商業施設、中層部から高層部にかけてオフィス、ホテルが入る地上46階建て、高さ約230mのセントラルタワーを2029年度までに整備。

■南地区
低層部に商業施設、中層部から高層日にかけてオフィスが入る地上43階建て、高さ約230mのサウスタワーを2028年度までに整備。

特筆すべきは、北地区における帝国ホテルの建て替えだ。現在は本館とインペリアルタワーがあるが、築年数は前者が50年、後者でも37年が経過している。

老朽化が著しく、近年は外資系ラグジュアリーホテルの進出が著しいことから、建て替えで一転攻勢するのが狙いだろう。今後は既存のタワー館を解体したのち、土地の共有持ち分を三井不動産に譲渡して、共同で新タワー館を建設・本館も「新本館」として生まれ変わる。

日本を代表する帝国ホテルの旗艦的存在の「帝国ホテル東京」。三井不動産は筆頭株主。タワー館のインペリアルタワーを先行して2030年度までに建て替え、31年度から本館の建て替えを始める予定。
日本を代表する帝国ホテルの旗艦的存在の「帝国ホテル東京」。三井不動産は筆頭株主。タワー館のインペリアルタワーを先行して2030年度までに建て替え、31年度から本館の建て替えを始める予定。
中地区にある日比谷U-1ビルはすでに閉館していた。同エリアに建つセントラルタワーには大規模な広場を配置し、日比谷公園との間にある道路上空にデッキを設けて日比谷公園と接続する計画だ。
中地区にある日比谷U-1ビルはすでに閉館していた。同エリアに建つセントラルタワーには大規模な広場を配置し、日比谷公園との間にある道路上空にデッキを設けて日比谷公園と接続する計画だ。

この計画に伴い、隣接する日比谷公園も再整備が決定した。現在は横断歩道で内幸町1丁目街区側に渡れるが、2033年までに2か所に橋を架け、回遊性の向上を図る。エントランス周辺の施設や樹木の密度も調整する。日比谷駅や内幸町駅とまちをつなぐネットワークも整備することで、駅・まち・公園の一体感を生む。

これまで、近隣エリアに比べると、やや知名度で劣っていた内幸町駅だが、今回の再開発により魅力的なまちに変わりそうだ。日比谷エリアとともに、人が集まる場所になるだろう。そうすると、近隣にある鉄道の沿線の環境にも影響を与えるかもしれない。大規模再開発の波及効果に期待したい。

健美家編集部(協力:大正谷成晴)

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※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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