メガバンクの支店が解体され
2023年には駅前マンションが完成予定
荏原中延は東急池上線の駅のひとつで、住所で言うと東京都品川区中延にあたる。近くには同区の荏原や戸越、小山、旗の台といったエリアも広がる。
1927年に池上線の前身である池上電気鉄道により駅が開業したが、地名である荏原郡荏原町大字中延に由来して荏原中延駅に命名されたという説が濃厚だ。一方、近くを走る東急大井町駅の前身である目黒蒲田電鉄が先に荏原町駅と中延駅を開業したので、それに対抗して名付けられたという説もある。

池上線といえば品川区の五反田駅から大田区の蒲田駅を結ぶ、東急のなかでも地元密着の路線として知られる。車両は3両編成で住宅街を走るさまは、都心にいることを忘れさせるくらい。荏原中延駅は五反田から4つ目の駅で、1日平均の利用者数は約1万人(2020年度)。これは同線15の駅のなかで、下から4番目に少ない。
近くには大井町線と都営浅草線の中延駅があり、近隣住民は3つの駅を利用することができるのも魅力だ、それもあり、荏原中延駅の利用者は一見すると少ないのだろう。
駅周辺には「サンモールえばら商店街」「なかのぶスキップロード」「昭和通り商店街」の3つの商店街があり、「戸越銀座商店街」や「武蔵小山商店街パルム」といった都内有数の商店街もギリギリ徒歩圏内。週末になると散歩がてら買い物をするファミリーやカップルがたくさんいて、日常の暮らしに困ることのない、住むにはうってつけの場所だ。

それを示すかのように、近年はマンション開発が活発で、その一つが駅前で進められているプロジェクト。三菱UFJ銀行の支店跡地では高さ約41m、地上13階・延べ床面積5242uの物件が2023年2月に完成する予定だ。

どちらかというと下町風情が漂い、駅のそばにはレトロな飲食街の残る、このエリア。一方で、近年はミドル〜アッパー層を意識した店舗が出店するなど、徐々にまちの様子は変わってきている。

そもそも、品川区の総人口約40万人のうち、もっとも人口が多いのは荏原中延駅エリアを含む荏原地区で、この10年間で1万人も住民は増えている。不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」の「住まいインデックス」によると、荏原中延駅の標準的な物件の賃料は直近の3年間で1.77%上昇した。近隣の中延駅(2.70%)、戸越駅(2.01%)、旗の台駅(4.50%)、武蔵小山駅(3.42%)に比べると緩やかだが、まだ上昇の余地があると考えることもできる。
東急線といえば、池上線では五反田駅〜大崎広小路駅、戸越駅、大井町線でも大井町駅、戸越公園駅、荏原町駅、旗の台駅、目黒線では武蔵小山駅など、ここ数年は城南エリアの駅前で再開発を加速させてきた。荏原中延駅もその流れに沿ったものと考えられる。東横線や田園都市線に比べるとローカル色の強い池上線だが、都心の住宅地を抜けるという、じつは通勤・通学者にとって利便性の高い路線ということを忘れてはならない。今後、ますます発展し、住宅需要が高まるポテンシャルを秘めている。
健美家編集部(協力:大正谷成晴)
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