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JR五反田駅のすぐ近く、「五反田地面師事件」の跡地で30階建てタワマン建設が進められていた!

都市計画・再開発(地域情報)/東京 ニュース

2021/10/03 配信

旅館は更地になりマンション建設が着工
2024年3月にタワマンが建つことに!

五反田(東京都品川区)といえば、JR山手線や東急池上線、都営地下鉄浅草線が乗り入れる五反田駅を中心としてエリア。都内城南区の中核地としてオフィス街、繁華街、歓楽街が栄えていて、駅東側には住宅街が広がり、駅近くには分譲・賃貸マンションも目立つ。

複数の路線が乗り入れる五反田駅。近年は駅ビルが新しくなり、ホテルや商業施設がテナントとして入居。近隣でも複数の再開発プロジェクトが進行している。
複数の路線が乗り入れる五反田駅。近年は駅ビルが新しくなり、ホテルや商業施設がテナントとして入居。近隣でも複数の再開発プロジェクトが進行している。

繁華街や歓楽街としての印象の濃い五反田だが、ポーラや学研ホールディングスなど大手企業の本社があり、近年はIT・フィンテックなどのスタートアップが集積し、「五反田バレー」とも呼ばれるように。

都市銀行の支店も揃っている。駅東の周囲には島津山、池田山、御殿山と呼ばれる高級住宅街が広がり、外国大使館や大学、大病院もある。飲食店やスーパーも多く、働くにも住むにも便利なまちだ。

新幹線が乗り入れる品川駅や空路の玄関口である羽田空港にもアクセスしやすい。下町情緒の残る池上線や浅草線沿線も住宅街で、五反田が勤務先のビジネスパーソンも多いだろう。

そんな五反田で、不動産大手の積水ハウスが巻き込まれた地面師詐欺事件があったことを覚えているだろうか。舞台となったのは、駅から徒歩3分の立地にある老舗旅館「海喜館」だ。2017年6月に同社は地面師詐欺グループに土地の購入代金として55億5000万円を騙し取られた。

当時は各メディアで取り上げられ、かなりの話題になった事件だが、その後はどうなったのか。現地に行ってみたところ旅館の姿はなく、新たに工事が始まっていた。

現地の様子。木々に囲まれた旅館はすでになく、マンション工事が着工していた。2024年3月に完成する予定だ。
現地の様子。木々に囲まれた旅館はすでになく、マンション工事が着工していた。2024年3月に完成する予定だ。

何が建つのかというと、30階建て・高さ105mのタワマンだ。昨年のうちに旅館は更地になり、今年4月から本格的に工事が始まっていた。

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マンションが建つのは目黒川のほとり。駅から近く景色も抜群。争奪戦になるのではないだろうか。
マンションが建つのは目黒川のほとり。駅から近く景色も抜群。争奪戦になるのではないだろうか。

真の所有者から土地を取得していたのは、旭化成不動産レジデンスで、現場にはすでに重機が入っていた。工事外壁には「マンション建設予定地」や「都市の課題を、未来の力に。」と書かれた看板も。マンションの敷地面積は約2000㎡、3LDKの間取りが中心で全224戸の分譲マンションになるという。同エリアの新しいランドマークになるのではないだろうか。

老舗旅館を舞台に起きた巨額詐欺事件
大手不動産会社が55億超の被害に!

ここで、詳しく知らない人のために事件を振り返る。海喜館があったのは駅から徒歩3分で目黒川沿いの好立地。約600坪・相場100億円の土地がまとまっていて、リーマンショック前から不動産会社やマンションデベロッパーの社員が売却を打診していたという。

一方、所有者は断固として反対していて、宿泊客を装い商談を迫る営業担当者に嫌気がさし、常連客以外を宿泊させなくなったほどだ。しかしながら、諸事情のため旅館は2015年に廃業することに。ただし所有者は施設を売却しないままだった。

状況が一変し、積水ハウスに元海喜館の売却話が舞い込んだのは17年4月のこと。同社の東京マンション事業部次長と用地買収担当者は、某社(地面師グループの一員が経営)が売買代金60億円で本物件の売買契約を締結したと説明を受けたうえ、70億円で転売すると持ち掛けられた。

その後、積水ハウス側は「購入希望者は他にもいる」との言葉を信じ、異例のスピード決裁を得て、某社と売買契約を締結。その席には地面師グループの面々と彼らが連れてきた偽の所有者が同席した。

ここでは所有権移転の仮登記を申請すると同時に14億円の手付金を支払い、その後6月1日には建物取り壊し後に支払う留保分7億円を除く49億円が支払われた。

ところが6月6日、法務局から不動産の本登記却下の連絡が入り、偽の所有者から土地を購入していいたことが判明。それを示すかのように、同月24日には相続を理由に都内在住の2人の男性(所有者の肉親)が所有権を移転し、7月4日に登記を済ませている。

事前に偽所有者が積水ハウスの分譲マンションを購入する代金約7億5000万円の小切手を返却していたため、積水ハウス側の実質的な被害額は約55億5000万円となった。

地面師対策として実施する「知人による所有者確認」をしなかった、真の所有者から「売買契約はしていない。仮登記は無効」との内容証明郵便が届いたにも関わらず妨害行為と思い込んだ、偽所有者の偽造印鑑登録証明書と偽造パスポートを見抜けなかったなど、様々な要因が重なり成功した詐欺事件だが、積水ハウスはあくまでも被害者。決して許されることではない。

その後、地面師グループ10人は詐欺などの罪で有罪判決を受け、一部は懲役刑が確定。2021年1月には積水ハウスが地面師グループ10人に損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は争わなかった5人に計10億円の支払いを命じている。

ある程度の幕引きが見られた本事件。大きな金額が動く不動産売買には、こういったトラブルがあることを思い知らされた出来事だ。今後、敷地一体が生まれ変わることで、五反田エリアの発展に寄与することを願いたい。

健美家編集部(協力:大正谷成晴)

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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