主に東京都世田谷区の
路線が対象
東京都内で京王線や京王井の頭線などの路線を展開している京王電鉄は、京王線の線路高架化事業を進めている。
線路高架化の対象となるのは、京王線笹塚駅から仙川駅までの区間で、区間内には明大前駅や千歳烏山駅など8つの駅がある。
事業の対象となっているのは主に世田谷区の区間だ。
※引用:京王電鉄
対象区間の中には25箇所の踏切があり、高架化によって踏切が除却または都市計画道路が立体化されることで、周辺の交通アクセスが改善される見通しだ。
事業期間は2022年度までとなっており、京王電鉄及び東京都は2023年4月までの事業完了を目指している。
工区が8つに分かれていることから、事業用地の取得が済んでいる工区については2018年10月から工事が始まっており、2021年4月からは第3・第4工区で工事着工となった。
2021年10月時点で既に工事が着工しているのは、1・2・3・4・6・8の工区だ。
なお、高架化事業に伴って、工事対象区間に含まれている各駅では、駅施設のリニューアル工事が行われる。
今後変更される可能性はあるものの、各駅とも外観のイメージパースは2019年の時点で作成済みだ。
例えば千歳烏山駅や芦花公園駅などでは、駅のすぐそばに踏切があり、踏切の通行量はかなり多い状況だ。
京王線は西東京の幹線道路となる甲州街道と並行している路線であり、周辺エリアは人と車の交通量が多くなりやすい環境にある。
その一方で、駅によっては通勤・通学ラッシュの時間帯に上下線合わせて50本以上の電車が走るなど、京王線は電車の本数が多い。
京王線沿線では、踏切によって周辺の交通利便性が低くなっている側面もあるため、踏切の除却は沿線エリアの利便性向上に大きく貢献すると期待される。
京王線の発表によると、2017年時点における各駅の1日乗降人員数は1万人を超えており、千歳烏山駅では80,000人を超えるなど特に多くなっている。
JR東日本が発表した2017年度における各駅の乗車人員と比較すると、例えば千歳烏山駅の乗降人員数は埼玉県の川口駅より約2%少ない程度だ。
そのほか、明治大学の和泉キャンパスがある明大前駅も、1日乗降人員数は6万人を超えており、京王線沿線の中では乗降人員数がかなり多い。
明治大学の和泉キャンパスには文系学部の1年生と2年生が集まっており、明治大学は学生数が多い点からも、周辺における学生の賃貸ニーズは高い。
そのほか、千歳烏山には東京女子体育大学・日本女子体育大学に加え、仙川には杏林大学や白百合女子大学があるなど、線路の高架化が予定されているエリアの中には大学が多く集まっている。
新宿に近くなる東側のエリアでは家賃水準が高くなるため、学生の入居はあまり見込めないが、西側の駅では特に学生の入居も考えられるだろう。
その一方で、京王電鉄のIR資料によると、2020年度の輸送人員数は対前年度比で約30%減少するなどコロナの影響は大きい。
しかし、2021年度には約14%回復すると予測されており、コロナの鎮静化とともに沿線に活気が戻ることが期待されている。
今回高架化事業の対象となっているエリアは、その大半が世田谷区であり、投資対象としてはもともと環境が整っているエリアだ。
乗降人員数については駅によってバラつきが大きいため事前の確認は必要だが、京王線沿線の駅でも投資のチャンスは十分にあると考えられる。
今回の線路高架化を1つのチャンスととらえて、京王線沿線で物件を探してみるのも有効ではないだろうか。
取材・文:秦 創平(はた そうへい)
■プロフィール
フリーランスライター。不動産業界歴約12年を経て2019年からフリーランスのwebライターとして活動を開始。営業マン時代にはセミナー講師の経験も多数あり。国内・海外を問わず不動産投資に関する記事が専門で、現在では毎月数十本単位の記事を執筆中。特にデータを用いた市場分析が得意で、海外マーケットに関するリサーチ記事の執筆も多数請け負っている。https://writing-portfolio.com/
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