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街びらきから約3年半「目黒はどう変わったか?」

都市計画・再開発(地域情報)/東京 ニュース

2021/11/10 配信

■ブリリアタワーズ目黒の衝撃

2015年、首都圏のマンション市場を揺るがす話題物件が登場した。「Brillia Towers目黒」。当時の都心のマンション相場は坪300~400万円。

ファミリータイプの購入でも8000万円に壁があると言われていた。2013年9月に東京オリンピックの招致が決まり、オリンピック効果で都心の不動産価格は上昇、オリンピック後には下落するだろうという声もあった。中国人による爆買いも話題に
なり始めていた。

そんな時代の流れの中で「Brillia Towers目黒」は登場した。JR山手線目黒駅徒歩1分の駅前大規模複合再開発プロジェクト。オフィス棟と住居棟は40階建てと38階建てのツインタワー。

「山手線駅1分の大規模再開発、超高層タワー」。というふれこみだけで、登場のインパクトは大きかった。販売前の話題は、「果たしてこの物件がいくらで売りに出されるのか?」。一般のメディアでも注目度は高かった。

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■マンション立地としての目黒の評価

JR山手線の目黒駅周辺。恵比寿と五反田の間にあり、庶民的な下町のイメージの飲食店街と、閑静な高級住宅街の顔を併せ持つ。このあたりは花房山という高台で、江戸時代の上屋敷があったエリアだ。

ちなみに城南五山と言われる、花房山、池田山、島津山、御殿山、八ツ山は高級住宅地として人気は高く、マンションの物件名にもよく用いられる。近くには国立科学博物館附属自然教育園、東京都庭園美術館など、緑あふれる広大な敷地もある。

かつての目黒駅は、JR山手線と3両編成の東急目蒲線のみで、ターミナル駅と呼ぶにはほど遠かった。だが2000年に東急目黒線と営団地下鉄南北線・都営三田線との相互直通運転が開始され、足回りの良さが格段にアップした。

駅周辺には、アトレや、アトレの中にある「ザ・ガーデン自由が丘目黒店」「成城石井」、「プレッセ目黒店」、「目黒東急ストア」「ドンキホーテ」「ニトリ」など、買い物利便性も高い。

JR山手線、東京メトロ南北線、都営三田線、東急目黒線の4線が揃う目黒駅。駅前に買い物施設も充実している。
JR山手線、東京メトロ南北線、都営三田線、東急目黒線の4線が揃う目黒駅。駅前に買い物施設も充実している。

「そんな駅前立地に大規模マンション用地があったのか?」

目黒駅周辺にはまとまった広さの土地は希少である。2006年、目黒駅徒歩1分の立地に、三井不動産による28階建てのタワーマンションが販売された。(総戸数202戸)だがそれ以降、駅に近い大型物件は販売されていない。

当物件は、「目黒」駅前にあった都営バス営業所跡地(約1ha)及びその周辺地を含めた約2.3haを再開発したプロジェクトであった。2006年に再開発準備組合が設立、2010年都市計画決定、2012年の再開発組合設立を経て、2014年に着工、2015年販売、2017年竣工。2018年に3月に街びらきとなった。

都心にふたつとでない山手線の駅前大規模立地ということもあり、「駅前に森を創る」をテーマに、東京建物株式会社によって開発がすすめられた。ちなみに大規模再開発物件は、計画から販売まで10年以上かかる長期的プロジェクトだ。

目黒緑1

目黒セントラルスクエアの「森の広場」。JRの駅前立地とは思えない緑の多い住環境だ。
目黒セントラルスクエアの「森の広場」。JRの駅前立地とは思えない緑の多い住環境だ。

■瞬間蒸発したブリリアタワーズ目黒

2015年4月事前内覧会スタート、同年7月10日より第1期受付開始。第1期販売の495戸(30.05㎡~150 .11㎡)は4850万円から4億5900万円という強気の価格設定にもかかわらず、モデルルームは来場者が殺到。総分譲戸数661戸(総戸数940戸)が、わずか約4か月で全戸契約完売となった。延べ約10,000組の来場、最高倍率は43倍(平均倍率約4.1倍)。

いずれも驚異的な結果であったが、1億円超えの住戸(平均価格1億1,434万円、1億円超え住戸365戸)が多数販売されたにもかかわらず、短期間での完売は、多くの不動産関係者を驚かせた。この物件が、東京圏、特に都心駅前立地型のマンション市場に大きな影響を与えた分岐点となった。

目黒セントラルスクエアの「森の広場」。JRの駅前立地とは思えない緑の多い住環境だ。
目黒セントラルスクエアの「森の広場」。JRの駅前立地とは思えない緑の多い住環境だ。

■ブリリアタワーズ目黒はなぜ売れたのか?

東京建物株式会社のプレスリリースによると、購入者の過半数が実需。資産形成目的の方が多かった。その他で目立ったのは、法人の購入が約15%。資産運用会社と思われる会社も多く、富裕層の資産形成という側面が強いことが伺える。

購入者の年齢とも関係があり、30代~40代は居住するための購入が多く、全体の約半数を占める50代~60代は、例えば抽選に漏れたら面積の小さな別の住戸にも申し込むなど、住むだけでなく保有することに重きを置いた買い方をする人が多かったという。

では、どこに住む富裕層が購入したのだろうか?
ブリリアタワーズ目黒は、名前のとおり最寄駅は目黒駅だが、住所は品川区となる。地元の品川区在住者の購入比率が約13%であるのに対し、港区在住者も同じく約13%と多く、次いで隣接する目黒区在住者の約10%となる。地元エリアだけでなく、白金や3Aと呼ばれる麻布・赤坂・青山などの超都心といわれるエリアの富裕層が購入していることが大きな特徴だ。

【契約者の概要】
年齢:50歳台(全体の約25%)、60歳台(同約24%)、40 歳台(同約17%)
家族数:2人(同約42%)、1人(同約33%)
職業:会社役員(同約33%)、会社経営(同約14%)、医師(同約13%)
居住地:品川区(同約13%)、港区(同約13%)、目黒区(同約10%)
※東京建物プレスリリースより

なぜ、超都心部の富裕層が購入したのだろうか?

「JRや東京メトロなど複数路線が利用でき、駅から徒歩1~2分という交通利便性の高さに加え、山手線の内側の中でも大規模マンションの供給数が少ないエリアであるという希少性が評価された」と考えられる。湾岸エリアのタワーマンションと違い、大量供給などによる価格の変動リスクが少なく、手堅い資産として評価が高いと考えられる。さらには、かつて「花房山」と呼ばれ、強固な地盤の南側に傾斜する高台に立地しているため、伝統的な邸宅街としての条件を満たしている点も見逃せない。「他にないロケーション」ということが、富裕層に評価されたと思われる。

現地は目黒駅隣接。周辺は緑の多い恵まれた住環境
現地は目黒駅隣接。周辺は緑の多い恵まれた住環境
現地より徒歩圏にある、広大な敷地の国立科学博物館附属自然教育園。
現地より徒歩圏にある、広大な敷地の国立科学博物館附属自然教育園。

■目黒駅前はどう変わった?

2018年3月、新しい街“目黒セントラルスクエア”が目黒駅前に誕生した。良質な住宅と充実した生活支援機能及びビジネス拠点として、「住宅」「商業」「オフィス」を複合的に整備し、新しいランドマークとなる超高層タワー3棟から構成されている。緑豊かな憩いの空間である「森の広場」と目黒通りの賑わい形成に寄与する「文化の広場」を整備すると共に、敷地周辺道路を整備・拡幅し、ゆとりある歩行者空間の確保などの工夫もみられる。オフィス棟の1階、2階には、飲食店、商業施設、公共施設なども揃い、人々が街に馴染み、自然に集まっている姿が日常になっている。

「森の広場」には、ベンチに座ってランチをしているビジネスマン、ベビーカーで小さなお子様と散歩を楽しむご家族、小川のせせらぎに耳を傾けながら時を過ごす人々も。山手線の駅徒歩1、2分の立地にありながら、都会の喧騒を忘れさせてくれる風景がそこにはあった。

整備された遊歩道。ブリリアタワーズ目黒サウスレジデンス入口付近。
整備された遊歩道。ブリリアタワーズ目黒サウスレジデンス入口付近。
目黒セントラルスクエア。森の広場で遊ぶこどもたち。
目黒セントラルスクエア。森の広場で遊ぶこどもたち。

■都心の高額不動産マーケットについて

今回、目黒セントラルスクエアのオフィス棟に店舗がある、東京建物不動産販売株式会社の戸張様と箱崎様に、“ブリリアタワーズ目黒”販売当時の様子と、街びらきから約3年半が経過した、目黒の様子を伺ってみた

東京建物不動産販売(株)目黒支店 グループリーダー戸張貴様(写真左)、 支店長代理箱崎達彦様(写真右)
東京建物不動産販売(株)目黒支店
グループリーダー戸張貴様(写真左)、
支店長代理箱崎達彦様(写真右)

ブリリアタワーズ目黒が評価されたのは、他にはない「立地の希少性」ではないかと思います。山手線の駅の中でも最高位の住環境、商業施設の充実、目黒駅の利便性、南傾斜の高台。そしてなんと言っても「山手線の駅徒歩1分での大規模再開発」。

「目黒周辺地域や関東圏に限らず、全国から購入お申込をいただいた。」というのも、それらを裏付けるのではないでしょうか。
「この物件はいくらが適正なのか?」。類似の物件がない中での値付けは非常に注目されました。当時としては、かなり強気な「坪単価約600万円」中心という価格設定にもかかわらず、高倍率での全戸即日完売。周辺は「坪単価約300万円台」であった都心のマンション価格に大きなインパクトを与えました。それとともに購入者の購買目的が変化したのも感じました。それまでの実需中心のマーケットから、投資、相続対策を兼ねた資産運用へ、目的の幅が広がったかと。
オリンピック後の不動産価格も注目されましたが、結果的に言うと、都心のマンションマーケットは下がるどころか、横ばいもしくはやや上昇傾向にあります。不動産価格が上昇すると、中古市場では売り手は売り急がず、品不足となり、価格は更に上昇傾向になります。買い手の方は、資産価値になるような優良物件を求めるため、高くても購入希望者はついてきています。その結果、都心の中古マンション市場は、ここ数年で明らかな上昇傾向になっています。

目黒セントラルスクエアオフィス棟2階からの眺望。レストランや歯科、理容室、東京建物不動産販売目黒支店などがある。
目黒セントラルスクエアオフィス棟2階からの眺望。レストランや歯科、理容室、東京建物不動産販売目黒支店などがある。

【ブリリアタワーズ目黒の販売傾向】
竣工から約3年半。オリンピック後、コロナの影響後の、最近の販売動向を戸張様にお聞きした。

ブリリアタワーズ目黒の売出し件数の推移は、概ね以下の通りです。
2018年(竣工直後) 約50件
2019年       約20件
2020年       約10件
2021年       約5件
竣工直後は、資産家の売却益を狙った売り物件が多数出てきました。当初は成約事例がなく、適正な相場もわからなかったため、成約までに時間がかかるケースもありました。しかし販売事例が積みあがると、成約までのスピードも速まり、コロナの影響で、2020年以降は更に買いのニーズが増えました。オンライン用に部屋数を増やしたいユーザーの引き合いが増え、サイズアップとして2LDKや3LDKへのお買い換え希望者様や、仕事部屋としてワンルームや1LDKの購入希望者様が増加しました。目黒の場合、「マンション内を含めたお買い換え、お買い増し、相続税対策」の購入のケースが多く、やはり資産価値重視で検討されている方が多いようです。最近は売り物件が出にくく、2021年に入ってからは、売却物件の依頼が極端に減っています。しかし価格が上がっても、ブランド立地、人気物件には買いのユーザーがついてきているのが現状です。

ブリリアタワーズ目黒ノースレジデンス40階からの眺望。都心を広く見渡せるロケーションも、資産価値の一つになる。
ブリリアタワーズ目黒ノースレジデンス40階からの眺望。都心を広く見渡せるロケーションも、資産価値の一つになる。

【投資物件として考える都心の区分所有マンション】

最近のブリリアタワーズ目黒の中古の取引単価は、坪単価700~800万円台。周辺の都心の大規模新築分譲マンションも同様の価格帯で発売されています。2015年に新規販売時に坪単価平均約600万円だったことを考えると、価格は大幅に上昇しています。利回りを考えると収益性は低いのですが、値下がりリスクの低い、高い資産性をもつ不動産を求める方は増えており、エリアによってはキャピタルゲイン狙いの購入者の方は増えています。現在のマーケットでは、不動産価格の大幅な下落は考えにくいので、購入検討者の方は積極的な情報収集、売却希望の方は所有物件の売却査定をご相談ください。

取材協力
東京建物不動産販売株式会社 目黒支店

日本で最も歴史ある総合不動産会社、東京建物株式会社(明治29年創立)の 不動産流通部門として1980年に設立。
目黒支店は目黒駅徒歩1分  東京都品川区上大崎3-1-1 目黒セントラルスクエア2階 Tel 03-5447-5820

取材・文 和田野学

和田野

【プロフィール】(株)リクルートで住宅情報事業部、(株)リクルートスーモカンパニーで不動産広告事業に携わる。首都圏、関西、広島、九州エリアの営業、取材活動を通じて、多くの不動産デベロッパー、ハウスメーカー、地元不動産会社とのパイプを持つ。現在は会社経営。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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