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一橋大学生の聖地、東京都・中央線国立駅周辺の再開発動向は? 旧駅舎再築後の南口再開発に注目。

都市計画・再開発(地域情報)/東京 ニュース

2021/11/26 配信

中央線国立駅の旧駅舎再築工事が完了して1年、国立駅周辺の再開発は山場を迎えている。

国立市エリアは、一橋大学の学園都市として開発され、元々住環境が整っており、賃貸ニーズも堅調な地域である。今後も、その住環境が維持されるのか。再開発の動向が注目される。

再築された国立駅旧駅舎
再築された国立駅旧駅舎

文教地区で賃貸ニーズが堅調
家賃も手ごろな国立エリア

JR中央線の国立駅は、東京多摩地域に位置する国立市の主要駅である。国立市は、一橋大学を中心に都市開発がなされてきた歴史があり、住環境の整った文教地区としても知られる。

人口は7万6千人と東京郊外にしては小振りであるが、国立駅の1日乗客数はJR東日本管内のベスト100に入っており、決して少ないとはいえない。

新宿まで30分であるが、国立市の住民は、23区に通勤あるいは通学する人よりも東京都下に通勤通学する人の方が多い。生産年齢人口の割合は65%で、東京都の中ではほぼ平均値だ。核家族世帯が約6割、単身世帯が約4割であり、23区に比べると単身世帯数は少ない。

国立駅の家賃相場は、2K~2DKで8.6万~9.4万、1Kで6.7万(LIFULL HOME‘S 国立駅家賃相場)となっており、中央線沿線の中では比較的手ごろである。近場に通勤するファミリー世帯の堅調な賃貸ニーズが期待できる地域といえるだろう。学園都市という側面を持つことから、学生の賃貸ニーズも根強いだろう。

JR中央線の高架化を機に再開発が進められ
メインの旧駅舎再築が完了

JR中央線では平成11年から、三鷹駅~立川駅間の連続立体交差事業に着手し、平成19年に三鷹駅~国分寺駅間下り線の高架化が完了、平成22年11月には国立駅を含めてすべての区間の高架化を完了した。

国立市では、国立駅の高架化によって駅の南北が一体化することを機に、平成21年11月に「国立駅周辺まちづくり基本計画」策定した。計画に基づき、市民や各関係機関との協議を経て、駅周辺道路整備事業、南北駅前広場整備事業、駅周辺公共施設整備事業が進められることとなった。

駅周辺道路整備事業では、歩行者が通行しやすくするために、駅周辺道路の一方通行化をメイン内容としている。一方通行化によって通行車両を少なくし、歩道の拡張工事をおこなう。

出典:国立市
出典:国立市

駅周辺公共施設整備事業の目玉は、旧国立駅舎の再築事業である。旧国立駅舎は、大正15年に創建された。赤い三角屋根に白い壁、ロマネスク風の半円アーチ窓などの個性的な造りであり、学園都市のシンボルであった。

文教地区を形成の牽引役となった歴史的価値、希少性を理由に、平成18年には市指定文化財となった。中央線の立体交差事業に伴い、一時的に解体されたものの、同事業によって令和2年に再築された。

南北駅前広場整備事業では、この旧駅舎を中心として、南北通路とそれにつながる南北広場を整備して一体化した環境空間づくりを図っている。北口駅前広場の整備事業は、既に平成31年3月に完了している。

今後の国立駅周辺の再開発動向は

国立駅周辺の整備事業は、メインとなる旧国立駅舎の再築は完了したものの、国立駅南口の再開発がまだ完了しておらず、全体としてはまだ半分程度の進捗といったところだ。

南口の再開発を巡っては、当初、JR東日本が旧駅舎の両側に商業ビル建設計画を立てていたが、景観問題によって断念。令和3年3月に、国立市が旧国立駅舎を挟む東西両側の土地を用地交換によってJR東日本から取得することで合意した。

旧駅舎の両側は広場として、ロータリーの円形公園とともに再整備される。この旧駅舎両側の広場などの整備は、まだ事業計画を検討中の状況で、市では今後デザインコンペがおこなう可能性もあるとしている。

用地交換された国立駅南口の土地
旧駅舎両側の土地は国立市とJR東日本とで用地交換された 出典:国立市

JR東日本が交換によって取得した西側の敷地には、31メートル以下の商業施設および賃貸住宅の建設が計画されている。

また、駅周辺の道路整備事業も始まったばかりであり、3路線の道路が令和7年までに整備完了予定であるが、残りの道路整備のスケジュールは未定という状況である。

今後も、国立駅周辺の再開発の動向には注目しておきたい。

取材・文 佐藤永一郎

取材・文:佐藤永一郎(さとうえいいちろう)

佐藤永一郎

FP不動産投資よろず相談所

■ 主な経歴

筑波大学大学院修了。新潟大学大学院博士後期課程在籍。2級FP技能士。会計事務所で約10年、中小企業、不動産オーナーの節税コンサルティングや融資サポートなどに携わる。スタートアップのCFO、監査役などを経て、築古戸建ての不動産投資家として独立。不動産投資のコンサルオフィス「FP不動産投資よろず相談所(https://fprealestateoffice.jp/)」を運営している。不動産投資や税金をテーマとした執筆活動もおこなう。大学院にて所得税制を研究中。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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