新宿西口の顔「小田急百貨店本店」が
2022年9月に50年以上の歴史に幕を下ろす
1967 年(昭和 42 年)に、新宿駅西口に開業した「小田急百貨店新宿店本館」。新宿駅西口のシンボル的な存在であった同百貨店が、2022年9月末に閉館。50年以上の歴史に幕を閉じることとなる。
モダニズム建築家坂倉準三氏がデザインを手がけた「小田急百貨店新宿店本館」は、小田急線と丸ノ内線、2棟の駅ビル の外観が同一のパネルにより統一された商業建造物。西口広場とも一体となったデザインは、長きに渡って人々から愛されてきた。


小田急電鉄のリリースによると、2022 年 10 月(予定)以降の工事期間中は新宿西口ハルクでの営業となり、それに向けた改装工事に同年春頃から着手。改装後は、「食品」「化粧品」 「インターナショナルブティック」中心の構成となる予定だそう。その他の売場を含めたフロ ア構成等の詳細は未定だという。
ちなみに今回の閉店は、小田急電鉄が東京メトロ等と共同して推進する国家戦略特別区域の都市再生プロジェクト「 新宿駅西口地区開発計画」の進捗に伴うものだ。
2020年9月に小田急電鉄、東京メトロが共同で発表したリリースによると、同計画は
(1) 新宿グランドターミナルの実現に向けた基盤整備 ・ 駅とまちの連携を強化する重層的な歩行者ネットワーク整備
(2) 国際競争力強化に資する都市機能の導入 ・ 交流・連携・挑戦を生み出すビジネス創発機能の整備
(3) 防災機能の強化と環境負荷低減 ・ 帰宅困難者支援や面的な多重エネルギーネットワークの構築による防災機能の強化
の3つを整備方針として進められる。
跡地には地上48m、高さ約260mの
再開発ビルが2029年に登場予定!

「小田急百貨店新宿店本館」跡地には、新たに地上48階、高さ約260メートルの新たな再開発ビルが誕生する予定となっている。
計画地は東京都新宿区新宿三丁目および西新宿一丁目各地内。敷地面積 は約15,720u 、延床面積 約281,700uの規模で、高層部にはハイグレードなオフィス機能、中低層部には新たな顧客体験を提供する商業機能を備え、新宿グランドターミナルの一体的な再編を象徴する大規模開発となる予定とのこと。
また、オフィス機能と商業機能の中間フロアには新宿の特性を生かして来街者と 企業等の交流を促すビジネス創発機能を導入。イノベーションの創出を図る。

さらに、低層部にはビジネス創発の情報や新宿をはじめとした小田急沿線、東京メトロ沿線等の情報を発信する機能も設けるという。スケジュールは、2022年度着工、2029年度竣工予定。
1日約380万人という世界一の乗降客数を誇る新宿駅西口。長年その顔として親しまれてきた「小田急百貨店新宿店本館」が生まれ変わるとあって、同開発計画にも大きな注目度が高まっている。
ちなみに同じ新宿駅西口では、「西新宿一丁目地区プロジェクト」として、明治安田生命ビル含め合計7棟を解体し、新たに地上23階、地下4階の再開発ビルを建てる計画も進んでいる。

同ビルは 事務所のほか店舗、ホール、子育て支援施設、駐車場で構成される予定で、こちらは2021年8月にすでに着工済み。2022年2025年竣工予定だ。
時代の変化と共に、着々と進化を遂げている新宿西口エリア。相次ぐ再開発から、今後も目が離せない。
健美家編集部(協力:斎藤一美)
健美家編集部(協力:
(さいとうかずみ))