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西武新宿線連続立体交差化に伴う「上石神井駅」「武蔵関駅」周辺の再開発

都市計画・再開発(地域情報)/東京 ニュース

2022/04/22 配信

西武新宿線は、西武新宿駅と埼玉県の本川越駅を結ぶ路線である。都心へのアクセスは悪くないものの、沿線駅周辺の再開発が比較的遅れていた。

しかし、近年、連続立体交差事業が進行し、令和3年11月には、井荻駅~西武柳沢駅間の連続立体交差化が決定した。それとともに、今後、上石神井駅および武蔵関駅周辺で再開発が進む予定である。

上石神井駅周辺。駅前を南北に走る道路と踏切は、交通量が多い上、大型車両と人、自転車などが混在して通行している。
上石神井駅周辺。駅前を南北に走る道路と踏切は、交通量が多い上、大型車両と人、自転車などが混在して通行している。

西武新宿線の連続立体交差化の決定

東京都は、令和3年11月に、西武新宿線の井荻駅~西武柳沢駅間連続立体交差化計画を決定した。西武新宿線では、すでに、中井駅~野方駅間および、東村山駅付近で連続立体交差事業が進行している。

出典:東京都「西武新宿線連続立体交差化計画及び関連する道路計画について」
出典:東京都「西武新宿線連続立体交差化計画及び関連する道路計画について」

井荻駅~西武柳沢駅間は、交差道路でラッシュ時を中心に渋滞が発生し、線路南北の交通阻害が問題となっていた。

そこで、井荻駅から西武柳沢駅までの約5キロの区間で鉄道を高架化し、19か所の踏切を除却、交通渋滞の解消を図ることになった。これに伴い、主要駅周辺の再整備や都市計画道路などの整備も併せておこなわれることになった。

西武新宿線の立体交差事業に合わせた駅周辺の再整備は、上石神井駅と武蔵関駅の駅周辺で進んでいる。

上石神井駅周辺では立体交差事業に先駆け、平成20年には「上石神井駅周辺まちづくり構想」が策定された。平成30年から、駅前広場などの整備事業が始まっている。

武蔵関駅周辺では、立体交差事業に必要となる補助230号線の整備が開始された。武蔵関駅前広場と側道の整備も決定している。具体的なまちづくりについては、住民との協議が始まったばかりだ。

上石神井駅周辺のまちづくり構想および賃貸ニーズ

西武新宿線上石神井駅周辺では、地元商店街を中心に平成13年に「まちづくり協議会」が設立され、練馬区へ提言をおこなってきた。平成16年には、踏切による渋滞と、南北をつなぐ狭隘道路の危険性などの交通問題の解消、を軸にした提言がなされた。

練馬区は、この提言を基に平成20年に「上石神井駅周辺地区まちづくり構想」を策定、平成27年には、上石神井駅周辺地区を「地域拠点」と位置づけた。「地域拠点」とは、地域の中心的な役割を果たす地区である。

「上石神井駅周辺地区まちづくり構想」に基づくまちづくり構想図。出典:練馬区
「上石神井駅周辺地区まちづくり構想」に基づくまちづくり構想図。出典:練馬区

平成30年には、協議会の提言時からの懸案の解消に向け、南北をつなぐ幹線道路(外環の2)が認可された。これに伴い、駅周辺に交通広場を整備することが決まっている。これらについては、現在、用地取得に向けて物件の調査・折衝を実施している最中だ。

令和3年6月には、こうした現状を踏まえて、より具体的な内容を盛り込んだ「まちづくり構想」に改定された。

新しい「まちづくり構想」では、地域拠点地区にふさわしい商業エリアの形成が重点的に盛り込まれた。駅前の市街地再開発事業、商業施設の共同化・高度利用によって、活気ある商業空間を整備するとしている。

上石神井駅は、練馬区の西端に位置し、西武新宿線で西武新宿駅まで急行で15分と都心へのアクセス便は悪くない。西武新宿駅がターミナルの新宿駅からかなり離れているのが難点であるが、令和3年には、東京メトロ丸ノ内線との地下通路新設計画も公表されている。

家賃相場は、1R~1DKで7万円程度、2DK~2LDKは11万円程度である(LIFULL HOME‘S 武蔵浦和駅家賃相場)。都心へのアクセス便を考慮すれば、賃料は安いといえる。今後、再開発によって商業施設が充実するなどしてくれば、家賃相場が上昇する可能性もあるだろう。

具体的な計画の進捗状況と今後の流れ

西武新宿線立体交差事業に関連する道路計画や交通広場の計画は、令和4年以降、順次事業認可がなされる予定である。

上石神井駅周辺では、令和4年から地区計画の説明会が開かれ、具体的な計画の策定を目指すとしている。特に、商業建物の共同化の検討については、既に駅前の権利者とその手法などについて検討を進めている。上述したように、地元商店街の提言を基にしていることから、実現可能性も高いだろう。今後の動向が注目される。

武蔵関駅周辺では、さらに具体的な動きが進んでいる。立体交差事業に関連する道路として、駅を南北に横断する形で補助230号線を整備することを決定し、すでに用地測量を始めている。

また、武蔵関駅北口駅前には広場を設けることが決まっている。こちらは、令和4年から測量等を始め、道路整備と合わせて、令和5年までには都市計画の事業認可を受ける予定だ。

武蔵関駅北口駅前
武蔵関駅北口駅前

広場の整備と商業建物の共同化が検討されている武蔵関駅北口駅前は、現在は、狭い三差路になっていて、狭小の雑居ビルが立ち並んでいる状況である。

広場が整備され、共同の商業ビルが建築されれば、駅前の印象や利便性は大きく向上するだろう。上石神井駅とは異なり、急行も停まらず小振りな駅はあるが、今後の再開発の進捗に期待したい。

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取材・文:佐藤永一郎(さとうえいいちろう)

FP不動産投資よろず相談所

■ 主な経歴

筑波大学大学院修了。2級FP技能士。
会計事務所で約10年、中小企業、不動産オーナーの節税コンサルティングや融資サポートなどに携わる。 スタートアップのCFO、監査役などを経て、築古戸建ての不動産投資家として独立。
不動産投資のコンサルオフィス「FP不動産投資よろず相談所」を運営。不動産投資や税金をテーマとした執筆活動もおこなう。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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