
110万u、16haの開発地にオフィスやホテル、
商業施設を備える3つのタワーを建設中!
2022年3月20日、開発を推進する事業者10社により、日比谷公園と一帯の街をつなぐ「TOKYO CROSS PARK 構想」の内容が発表された。
対象となるのは、日比谷の内幸町エリア。総延床面積は都心最大級の約110万uとなる。

約16haの広さを誇る日比谷公園とつながる道路上空公園や、周辺の駅、都心主要拠点につながる地下・地上結節空間等を整備し、駅・まち・公園一体の歩行者ネットワークを形成する。

開発地は北地区・中地区・南地区の3つの地区で構成される予定で、北地区には帝国ホテル新本館及び、オフィスや商業施設、サービスアパートメント、賃貸住宅等を備えたノースタワーを整備。
中地区にはオフィスやホテル、ホール、宴会場、産業支援施設等を備えたセントラルタワー。そして、南地区にはオフィスやホテル、ウェルネス促進施設等からなるサウスタワーをそれぞれ整備するという。



公園と街をつなぐ次世代スマートシティプロジェクト
「TOKYO CROSS PARK 構想」の5つのテーマと3つのCROSS
2022年 3 月 24 日に発表されたリリースでは、「TOKYO CROSS PARK 構想」で実現する3つのCROSSと、掲げる5つのテーマが発表された。
まずCROSS 1は「日比谷公園と街をつなぐ」。隣接する日比谷公園と当街区を道路上空公園でつなぎ、日比谷・内幸町エリアの回遊性を高めることで、公園と一体となった緑と水の豊かな空間に人々が集まるウォーカブルな街づくりを実現するとのこと。
CROSS 2は「都心主要拠点から多様な人が集まり、交わる結節点」。大手町・丸の内・有楽町・銀座・霞が関・新橋といった様々な特性をもつ都心主要拠点の結節点に位置する当街区の立地を活かし、働く、遊ぶ、憩う、滞在する等あらゆる目的を持つ人々が交流し、唯一無二の体験ができる街づくりを実現するという。
そして、CROSS 3は「事業者10社の共創」。この地に根差した事業者10社が共創し、街づくり、デジタル、おもてなし、well-being、カーボンニュートラル・防災等それぞれの分野の強みをかけあわせて、新たな価値創造や社会課題解決を推進する、次世代スマートシティを実現するとしている。
そして、この3つのCROSSと共に謳われているのが、「人が主役の街づくり」、「街づくり×デジタル」、「おもてなしが広がり、人が集う街へ」、「すべての人々のwell-being」、「持続可能な街・社会へ」という5つのテーマだ。
まず「人が主役の街づくり」として、日比谷公園と街をつなぐ「2つのデッキ状の道路上空公園」、「31mの高さにある基壇部上広場」、「2haの大規模広場」といった、人々が出会い・ふれあい・新たなコミュニティを育む「パブリックスペース」を整備。
次に「街づくり×デジタル」としては、分野横断型の「第三世代」スマートシティ実現に向けて、DTC (デジタル・ツイン・コンピューティング)を活用した高度な都市OS(情報基盤)等の実装に取り組みむとのこと。
また、「おもてなしが広がり、人が集う街へ」として、帝国ホテル新本館開業に加え、中地区にはNTTグループと帝国ホテルによるスモールラグジュアリーホテル、南地区にはwell-beingをテーマにしたホテルが開業する。
「すべての人々のwell-being」では、街区内外の様々な公園・広場・空間を、人と人とがつながる活動フィールドとして、一人ひとりのwell-being(=幸せ)を実現する街をめざす。
最後に、「持続可能な街・社会へ」というテーマでは、当街区一体となった電化や省エネルギー等の取り組み、再生可能エネルギー等の最適な組み合わせ・調達により、電気・熱エネルギーのCO2排出量実質ゼロの実現に向けて取り組んでいくとしている。

街区のマスターデザイン・空間づくりには、ロンドンを拠点に活動するPLPアーキテクチャーを起用。
当街区の特性である6.5haもの広大な敷地、帝国ホテル新本館と3棟の超高層タワーが織りなすスケール感、日比谷公園に隣接する立地を最大限に活かすとのこと。
日比谷公園の緑と水、アクティビティの可能性を広げる多様なパブリックスペースが計画された、街としての個性と調和が共存したデザインとなるそうだ。
日比谷公園と街を一体化して開発する、都心最大規模の本プロジェクト「TOKYO CROSS PARK 構想」。工事は2022年度から2031年度、2028年度から順次完成し、全体が完成するのは2037年度以降になるそう。
全容が見えてくるまではまだしばらく時間がかかりそうだが、今後を楽しみに見守りたい。
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健美家編集部(協力:斎藤一美)