
2025年度中に
全ての街区が開業予定
2020年3月に駅が開業して以降、JR東日本(以下「JR」)は高輪ゲートウェイ駅の周辺で都市開発を進めるべく、計画を練っている。
4月21日に出したプレスリリースで、JRは各街区のパースと開業予定を発表した。
開発の概要となる計画図及び開業予定は以下の図から読み取れる。

※引用:東日本旅客鉄道㈱
南側で駅に近い方の複合棟2棟は2024年度末(=2025年3月)に開業予定で、北側で駅から遠い方の住宅棟・文化創造棟・複合棟Ⅱは2025年度中の開業予定だ。
複合棟ⅠNorthは地上29階・地下3階建てで、Southは地上30階・地下3階建てとなる。
こちらには、オフィス・ホテル・商業施設・コンベンション施設・カンファレンス施設・子育支援施設などが入る予定であることも発表された。

※引用:東日本旅客鉄道㈱
複合棟Ⅰは唯一の駅直結施設となり、複数の国に事業展開している国際企業の本社が入居することを想定したハイグレードオフィスが入るという。
また、Southの高層階にはラグジュアリーホテルが入る予定で、開発パートナーにマリオット・インターナショナルが選出された。JW マリオットは首都圏初進出となる。
そのほか、商業施設の運営オペレーターにはルミネが入ることも明らかになった。
複合棟Ⅰの隣に位置する複合棟Ⅱは地上31階・地下5階となる予定。
こちらにもオフィス・商業施設・子育支援施設が入るほか、フィットネス施設・クリニックと地域の冷暖房をコントロールするエネルギーセンターが設けられることになった。

※引用:東日本旅客鉄道
フィットネス施設についてJRグループのフィットネス関連企業が運営に入る予定。
外観のパースがひときわ目を引く文化創造棟は地上6階・地下3階で、こちらには展示場・ホール・飲食施設などが入る。

※引用:東日本旅客鉄道
文化創造棟についてはJR関連組織の直営として企画・運営が進む予定で、「一般財団法人 JR東日本文化創造財団」が4月1日に設立された。
準備室の室長を外部から招聘し、外装デザインを隈研吾氏に依頼するなど、かなり気合が入っていると言える。
なお、隈研吾氏は高輪ゲートウェイ駅の外装デザインも担当している。
住宅棟については地上44階・地下2階建てとなり、こちらは外国人ビジネスワーカーのニーズにも対応した「国際水準の高層高級賃貸住宅」になるという。
※引用:東日本旅客鉄道
低層部にはインターナショナルスクールが入る予定で、学校法人 東京インターナショナルスクールがパートナーとして選出された。
都市開発としての
インパクトは大きい
駅前再開発や都市開発などは、それ自体さほどめずらしいものではない。
しかし、高輪ゲートウェイ駅周辺の開発に関しては、ここまで規模の大きなものはあまりお目にかからないと言える。
また、施設完成後の運営についてその大半をJRグループが担うことから、JRは高輪ゲートウェイ周辺の開発に「かけている」とも言えるだろう。
いずれにしても、2022年時点で泉岳寺駅の周辺などに地上30階を超えるような建物はないため、建物が完成すればそのインパクトはかなり大きい。
そのほか、第一京浜沿いの周辺エリアはオフィスビルばかりで、買物できるような商業施設はおろか、サラリーマンがランチを食べられるお店すらあまりないのが現状だ。
施設の完成によってどのように周辺が活性化されるのか、地価や不動産価格にどのようなインパクトが出るのか、要注目だ。
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取材・文:
(はたそうへい)