
渋谷の再開発としては
最大規模の敷地面積
デベロッパーの東京建物は、渋谷駅近辺の宮益坂で進めている渋谷二丁目西地区再開発プロジェクトが、3月24日付で都市計画決定の告示を受けたと発表した。
再開発の対象となる敷地面積は約18,800u、延床面積の合計が約322,200uとなっており、これは渋谷エリア最大規模の開発計画になるという。
現在予定されている今後のスケジュールは以下の通り。
2022年:市街地再開発組合設立
2024年:権利変換計画認可
2025年度:本体工事着工
2029年度:3街区同時竣工を想定
再開発エリアはA街区・B街区・C街区の3街区に分かれており、宮益坂・青山通りと六本木通りに挟まれたエリアが再開発の対象だ。

※東京建物プレスリリースより
2022年時点で、A街区には「宮益坂プレイス渋谷」「Daiwa渋谷宮益坂ビル」の2棟のビルに加えて2棟の雑居ビルが建っている。

これを地下1階・地上5階の建物に建て替えて、屋上に広場を設けるとともに、建物の内部は店舗として活用する予定。
コンセプトは「宮益坂の新たなにぎわいの核となる上空広場」で、緑と大庇を設けることで渋谷駅周辺ではあまり見かけない憩いの広場をつくる。
現在はどちらのビルにも企業のオフィスが入っているが、新しい施設は一般の人にも開放されるものとなる見込みだ。
B街区は敷地面積が約12,800uと3街区の中でも最大のエリアであり、複数の雑居ビルなどを建て替える見通しとなる。

計画されている建物の規模は地下4階・地上41階建てで、34階建ての渋谷ヒカリエよりも高いビルが建つ見通しだ。
建物の用途としては、事務所・店舗・ホテルに加えてバスターミナルが予定されている。

※東京建物プレスリリースより
特徴的なのは地下にバスターミナルが設けられることだ。広大な敷地面積と渋谷駅に近い立地を活かし、付帯施設を含めて約5,000uの広大なバスターミナルが作られることが計画されている。
バスターミナルには、空港リムジンバス・地方都市と渋谷をつなぐ高速バス・観光バスなどを受け入れる予定。
2022年時点では渋谷駅の南口と宮益坂口にバスターミナルがあるが、どちらも主に路線バスのターミナルであり、新設されるバスターミナルは既存のものとは用途が異なる。
C街区の主な用途は住宅だ。現在は普通のオフィスビルが建っているが、用途が変わることになる。

1階には外国人対応の幼児施設が設けられ、外国人の中長期滞在需要を満たすものとする予定。
建物の上下が「国家戦略住宅」に指定されており、冷蔵庫や洗濯機などの居住用設備に海外製のものが入る。

※東京建物プレスリリースより
宮益坂のイメージが
大きく変わる期待も
渋谷といえば日本を代表する都心エリアだ。渋谷のイメージとして挙げられるのは、センター街(バスケットボールストリート)ではないだろうか。
宮益坂の方には渋谷ヒカリエこそ建っているものの、見た目にも古そうなビルも多く、センター街の方と比較すると今一つ印象が薄いとも思われる。
しかし、高層ビルができる上に、渋谷ヒカリエからつながる歩行者ネットワークも再整備されるとあって、再開発が完了すればかなり印象が変わるのではないだろうか。

※東京建物プレスリリースより
渋谷の新たな一面となる都市開発につながるか、再開発計画の今後に要注目だ。
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取材・文:
(はたそうへい)