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JR中央本線・阿佐ヶ谷駅前で大規模再開発。下町風情を残しつつ住宅街としての人気はうなぎのぼり?

都市計画・再開発(地域情報)/東京 ニュース

2022/05/21 配信

駅前を4つの区画にわけて再開発
都市機能を集中させより便利なまちへ

阿佐ヶ谷は東京都杉並区にあるまち。中野や高円寺、吉祥寺などサブカルやグルメで知られるエリアの間に位置する。中心となるのは、JR東日本・中央本線が乗り入れる阿佐ヶ谷駅。

中央線快速(平日のみ停車)や中央・総武線が停車し、快足を使えば新宿駅まで10分足らずでたどり着く。2020年度の1日平均乗車数は3万4264人で、JR東日本管内の駅では第100位。ただし、コロナ禍前まで利用者は順調に増えていて、19年度は4万5000人を超えていた。

1922年に開業した阿佐ヶ谷駅。駅直結のショッピングセンター『ビーンズ阿佐ヶ谷』ではカフェや飲食店、ブックストア、アパレルショップが営業している。
1922年に開業した阿佐ヶ谷駅。駅直結のショッピングセンター『ビーンズ阿佐ヶ谷』ではカフェや飲食店、ブックストア、アパレルショップが営業している。

阿佐ヶ谷と言えば、『阿佐ヶ谷パールセンター商店街』や『阿佐ヶ谷スターロード商店街』といった商店街があり、駅周辺に広がる大衆酒場が印象的。ミニシアター、中杉通りのケヤキ並木なども有名で、下町風情が色濃く残っている。

駅前には大手チェーン店はあっても、少し離れると個人店が目立つ。交通の利便性、充実した商店街、物価の安さから住みよいまちで、首都圏を対象とした「住みたいまちランキング」では上位の常連だ。

ちなみに、阿佐ヶ谷は与謝野晶子や太宰治など著名な作家が住み「阿佐ヶ谷会」と呼ばれる会合を開いていたそうで、文士も好んだまちだった。いまも文化人から人気は高い。近年は「阿佐ヶ谷姉妹」の活躍で、全国的に知られるようになった。

そんな同エリアだが、現在は2030年に向けた駅前の再開発が進められている。それが「阿佐ヶ谷駅北東地区土地区画整理事業」だ。

同事業は道路拡幅による歩行者空間の確保、防災性・安全性の向上に資する道路基盤の整備改善、病院や小学校の移転改築用地などの宅地の整備改善を図りつつ、みどりも保全し、健全な市街地を形成するというもの。施行面積は約2.7ヘクタールに及び、約6億2000万円の総工費をかける。

もともと駅の北東エリアには、歴史と伝統ある小学校、地域医療の拠点となる総合病院、大規模な屋敷林を有する敷地が立地していて、寺社も多い。駅近でありながらみどり豊かな市街環境を形成している。

一方で、地域の防災性・安全性の向上は喫緊の課題で、みどりの保全・創出、歴史を伝える景観づくり駅周辺の回遊性の向上を図りつつ、エリアの付加価値を高めることを目的に再開発に着手したとみられる。

「阿佐ヶ谷駅北東地区土地区画整理事業」では駅北東地区を4つにわけて、土地利用の方針を策定。都市機能の集中と防災性・安全性・回遊性の向上を目指す。 出所:「阿佐ヶ谷駅等周辺まちづくり方針中間まとめ」
「阿佐ヶ谷駅北東地区土地区画整理事業」では駅北東地区を4つにわけて、土地利用の方針を策定。都市機能の集中と防災性・安全性・回遊性の向上を目指す。
出所:「阿佐ヶ谷駅等周辺まちづくり方針中間まとめ

同事業では駅の北東地区を以下の4つに区分し、それぞれで土地の利用方針を定めている。

中杉通り沿道地区:産業振興や地域の商店街等の活性化につながる駅周辺にふさわしいにぎわいの拠点を形成

医療施設地区:計画的な高度利用を図り、地域の安全・安心に資する地域医療拠点の集約化・機能向上とともに、古道のたたずまいを活かしつつ、屋敷林のみどりをできるだけ保全、周辺環境との調和を図る

教育施設地区:小学校の移転により、将来に向けて教育環境の向上を第一に、地域の防災性・安全性の向上を図る

商店街地区:歩いて楽しい活気あふれる中層の商業市街地を形成

加えて、安全で快適な歩行空間を作り、道路ネットワークや回遊性の向上、みどりの保全・創出も目指す。医療施設地区においては敷地内の樹木をできる限り保全し、同地区やその他の大規模市敷地の沿道緑地の整備においても、できる限り中高木を植栽するなど、同事業ではまちと自然の調和に配慮した格好だ。

一方、同事業では中杉通り沿道地区と医療施設地区は40m、教育施設地区と商店街地区は30mの建物などの高さ制限を定めているが、中杉通り沿道地区については一定の条件を満たすと50m、60mにすることも可能となっている。中高層の建物が増えることで、将来的には今までと大きく異なる景観になるかもしれない。

駅に近いエリアを再開発することで、まちの付加価値向上に取り組む阿佐ヶ谷。杉並区自体の人口は2020年をピークに減少に転じたが、阿佐ヶ谷駅を中心に盛り上がることで、状況が変わる可能性はある。

同区では賃貸マンション、中古マンション・戸建てのすべてが直近3年間で上昇していて、住居に対するニーズは依然として高い。さらなる発展が期待される。

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健美家編集部(協力:大正谷成晴(おしょうだにしげはる))

■ 主な経歴

フリーランスの編集・ライター。
不動産投資、株式投資、投資信託、FXなどマネー関連、ビジネス全般、働き方、副業、クレジットカード、医療・介護など、幅広いジャンルで取材・執筆を行っている。

■ 主な著書

  • 『決定版 1万円からはじめるFX超入門』(かんき出版)

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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