竣工予定は
2026年度から2027年度
東京の品川駅高輪口前の再開発について、高輪三丁目駅前地区市街地再開発準備組合や都市再生機構など関係各社は、都市計画の素案を発表した。
すでに京浜急行電鉄(以下「京急」)と自動車メーカーのトヨタが共同で品川グース跡地に複合施設を建設すると発表していたが、それ以外のエリアについては初めて開発計画の概要が示されたことになる。
また、京急とトヨタが開発する複合施設についても、これまでは外観のイメージ図などが発表されただけで、施設の詳細については明らかになっていなかった。
今回の発表からは、京急とトヨタが開発する複合施設の詳細も判明している。
※引用:西武ホールディングス
外観イメージのみ明らかになっていたA地区についてだが、こちらの建物の規模は地下4階・地上29階建て・延床面積約31万3,100㎡・高さ約155mとのこと。
主要な用途としては、オフィス・商業施設・ホテル・カンファレンスルーム・多目的ホールなどが予定されている。
なお、一般車と荷捌き用合わせて約860台の駐車場と約430台分の駐輪場が入ることになっており、周辺から乗り物を利用した品川駅へのアクセスが容易になる見通しだ。
これまでは、駅の反対側に当たる港南口側にしか大規模な駐車場がなかった。
しかも、港南口側の駐車場は135台なので、高輪口の駐車場は港南口側にある駐車場の6倍以上となる。
一方でC地区については、C-1地区には地下2階・地上30階建て・延床面積約194,000㎡の建物が建設される。
※引用:西武ホールディングス
C-1地区の建物については、オフィス・商業施設・住宅・産業視線施設が予定されていることが明らかになった。
C-2地区は地上1階建ての集会場となる予定。こちらは他の地区と比較すると控えめな建物だ。
※引用:西武ホールディングス
A地区とC地区については着工・竣工の予定も発表されており、A地区は2023年度に工事着工・2026年度に建物竣工の予定となっている。
C地区の方は1年ずれて2024年度に工事着工・2027年度に建物竣工の予定だ。
なお、計画面積が最も広いのはグランドプリンスホテル高輪や品川税務署などが建っているB地区だが、こちらはまだ建築計画未定となっている。
面積が広いだけに、A地区やC地区の計画建物をどれくらい上回る規模のものになるのか、今後の発表が待たれるところだ。
高輪ゲートウェイ駅前開発との
相乗効果を期待
品川駅の周辺というと、JRは4月に高輪ゲートウェイ駅周辺の開発についても建物規模やイメージ図などを発表した。
今回発表された高輪口周辺の開発と高輪ゲートウェイ駅周辺の開発については、コンセプトが似たような部分もある。
両方の開発にあるコンセプトの一部は、海外からの玄関口としてふさわしい都市をつくるというものだ。
高輪ゲートウェイ駅の方にも地上30階前後の建物が建つ予定であり、建物の用途も品川駅高輪口の計画建物と似通っている。
同じようなものができるというと、味気無さを感じる人もいるかもしれない。
しかし、共通するコンセプトを持った開発が複数同時に進むということは、芯の通った大きな街づくりが進むということでもある。
街として、高輪周辺のブランドが構築されるということにもなるだろう。
もともと高輪は東京都内でも高級住宅街に分類されるエリアだ。また、東京都内における交通インフラの要衝でもある。
国際化という時代の波に沿って、高輪エリアが新たなブランド性を獲得することでどう変化していくか、開発の今後の行方に要注目だ。
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取材・文:
(はたそうへい)