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変化著しいJR山手線「大塚駅」で再開発準備組合設立。南口がさらに変わる!?

都市計画・再開発(地域情報)/東京 ニュース

2022/07/08 配信

大塚駅はJRに加えて、都電荒川線も利用できる。マイナーな路線だが、意外に便利
大塚駅はJRに加えて、都電荒川線も利用できる。マイナーな路線だが、意外に便利

2022年4月、以前から再開発の噂が取り沙汰されていたJR山手線と都電荒川線(東京さくらトラム。駅名は大塚駅前停留場)が交差する大塚駅南口地区の再開発準備組合が設立された。

2005年以降変化してきた大塚駅周辺

大塚駅周辺ではこの10年ほどで駅前が激変。注目を集めている。元々はデパートや映画館、花街などのあった、隣駅池袋よりも栄えていた街だが、戦後、池袋が区政、商業の中心となって繁栄した一方で認知度は大きく下落。存在感のない駅というのが多くの人の印象だったのではなかろうか。

駅の南北通路。元々は南北に高低差があり、街が分断されていた
駅の南北通路。元々は南北に高低差があり、街が分断されていた

だが、2005年以降、駅周辺は変貌を遂げてきた。同年には駅のバリアフリー化工事がスタート、2009年には南口、北口それぞれの駅舎解体が始まり、同年に南北の自由通路が開通し、高低差があって南北の回遊性に乏しかった駅周辺が一気に便利になった。

正面が駅ビル、右手に見えているのが広場。その奥にはタワーマンションも
正面が駅ビル、右手に見えているのが広場。その奥にはタワーマンションも

2013年には駅南口に駅ビル「JR大塚南口ビル」が竣工、2017年に南口駅前広場「TRAMパル大塚」が誕生したことで南口の風景が変わった。駅ビルアトレができたことで人が集まるようになり、駅前広場では各種のイベントも行われている。

星野リゾートが大塚に!

写真中央に見えているのが星野リゾートのホテルOMO5
写真中央に見えているのが星野リゾートのホテルOMO5

さらに変化を広く印象づけたのは2018年に北口側に星野リゾート初の都心型ホテル「OMO5東京大塚」がオープンしたこと。あの星野リゾートがなぜ大塚に出したのか、多数のメディアが大塚を取り上げた。

駅周辺のビルも建替えられており、全体に新しい印象
駅周辺のビルも建替えられており、全体に新しい印象

さらに2021年3月には北口駅前広場がイロノワヒロバ(ironowa hiro ba)として生まれ変わり、駅全体のイメージが変った。雑然とした駅前はまるで広場のようにすっきり、センスの良い空間になっているのである。

手前が東京大塚のれん街。10店舗の飲食店が入り、若い人たちを中心ににぎわっている
手前が東京大塚のれん街。10店舗の飲食店が入り、若い人たちを中心ににぎわっている

2018年10月には駅から見えるほどの場所に東京大塚のれん街という、古い民家をリノベーションして作った飲食店群も誕生。隣接する駐車場を利用してイベントも開催されるようになっている。それによってこれまでどちらかといえば渋い居酒屋、そこに集まる年代高めの人の街というイメージが変貌、若者、外国人も集まる街として捉えられるようになりつつもある。

駅前の商店街が再開発エリア

再開発が予定されているのは駅正面のサンモール大塚という商店街のあるエリア
再開発が予定されているのは駅正面のサンモール大塚という商店街のあるエリア

そうした変化の波を思えば、それが南口駅前に及ぶのは自然な流れかもしれない。大塚駅南口では戦後すぐに区画整理事業が行われており、現在の姿になったのは昭和55年頃のこと。それから40年以上が経ち、街は問題を抱えている。

戦後の区画整理で生まれた地域だが、道路幅は今からすると狭すぎる
戦後の区画整理で生まれた地域だが、道路幅は今からすると狭すぎる

再開発予定地はサンモール大塚という商店街を中心にした一画で、商店街自体は今も元気がある。魚屋、肉屋に和菓子店、飲食店とさまざまな業種が並び、大塚の飲食店の多くはここで仕入れをしてもいる。

買い物客、飲食を楽しみに来る人も多く、他の街の商店街に比べると元気である
買い物客、飲食を楽しみに来る人も多く、他の街の商店街に比べると比較的元気な商店街といえそう。週末の撮影だったため、開いていない店舗もある

だが、建物は老朽化が進んでおり、路地に接道していることから建替えが難しいビルも散見される。共同ビルで権利関係が輻輳、調整が難しいという話もあり、地権者、借地権者が入り交じる状態でもあるとか。当然、関わる人たちの高齢化も進んでいる。

多少道幅が広い区画もあるが、それぞれ横に入るとやはり路地
多少道幅が広い区画もあるが、それぞれ横に入るとやはり路地

そのため、令和に入ってからまちづくり協議会が開催されてきており、それが再開発準備組合に結実した。対象となっているのは豊島区南大塚三丁目52~55番。面積的には約0.7ヘクタールとそれほど広くはないが、駅前であり、かつ長らくこの街の飲食業を支えてきた、魅力あるエリアであることを考えると、インパクトは大きい。

一部、単独での建て替えを望む人がいる等、まだ権利者全員の足並みが揃っているわけではないため、多少時間はかかるかもしれないが、事態は動き始めた。準備組合では2024年度の都市計画決定を目指しており、今後の動向が気になるところである。

周辺には路地、古い建物も多数

改修工事が行われている天祖神社。地域の精神的な中心地と思われるが
改修工事が行われている天祖神社。地域の精神的な中心地と思われるが

ところで、現地に行って気になったことがある。予定地に隣接してこの地の総鎮守である天祖神社があるのだが、ここでは現在、鎮座700年事業として参集殿、本殿その他の改修が行われている。地域全体を変えるという計画であれば、天祖神社は地域の大きな存在。軌を一にしたほうが地域のためになろうかと思うが、それはないのだろうか。

また、大塚駅周辺は今回の再開発予定地以外にも路地、古い建物が残るエリアが多数点在している。地図を見ていただくと分かるが、古いアパートと思しき建物も多く、駅前の変化の影響は広くあり得そうである。

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健美家編集部(協力:中川寛子(なかがわひろこ))

中川寛子

株式会社東京情報堂

■ 主な経歴

住まいと街の解説者。40年近く不動産を中心にした編集業務に携わり、近年は地盤、行政サービス、空き家、まちづくり、地方創生その他まちをテーマにした取材、原稿が多い。
宅地建物取引士、行政書士有資格者。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会会員。

■ 主な著書

  • 「ど素人が始める不動産投資の本」(翔泳社)
  • 「この街に住んではいけない」(マガジンハウス)
  • 「解決!空き家問題」「東京格差 浮かぶ街、沈む街」(ちくま新書)
  • 「空き家再生でみんなが稼げる地元をつくる がもよんモデルの秘密」(学芸出版)など。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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