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都内屈指の高級住宅街、広尾。近隣の再開発でさらなる付加価値の向上が期待できる?

都市計画・再開発(地域情報)/東京 ニュース

2022/08/11 配信

渋谷区ながら閑静な住宅街がひろがる
教育、医療施設や各国大使館も点在

広尾といえば、東京都渋谷区の南東部に位置するまちで、都内屈指の高級住宅街。隣接する港区南麻布や西麻布、南青山も含めて、富裕層に好まれるまちだ。

駅前や外苑西通り沿いには飲食店やオフィスビルなどが広がるものの、中に入ると雰囲気は大きく変わり閑静な住宅街が広がる。
駅前や外苑西通り沿いには飲食店やオフィスビルなどが広がるものの、中に入ると雰囲気は大きく変わり閑静な住宅街が広がる。画像は広尾駅の地上口。

広尾自体は一丁目から五丁目まであるが、なかでも二丁目や三丁目の高台は豪邸や低層マンションなど、瀟洒な建物が目立つ。

1982年に分譲を始めた広尾ガーデンヒルズは築40年を超えたいまでも高値で取引されるビンテージマンションで、2009年分譲の広尾ガーデンフォレストやザ・パークハウス広尾羽澤、グランスイート広尾、パークコート広尾ヒルフットレジデンスなど、高級マンションも地域に点在している。

広尾学園中学校・高等学校や聖心女子大学、日本赤十字医療センターといった教育・医療機関もあり、有栖川宮記念公園、山種美術館、東京都立図書館といった施設、近隣の南麻布や元麻布、西麻布のエリアには、ドイツやノルウェー、フランス、ペルー、スイス、中国など、各国の大使館も。

日本人・外国人を問わず富裕層が多く住むこともあり、明治屋をはじめナショナルフーズに対応したスーパーマーケット、個性豊かな飲食店も多い。

なぜ、こういったエリアになったのか。歴史を紐解くと、江戸時代まで広尾は広大な原野だったそう。まちの中心地の江戸城から少し離れ裏鬼門の方角にあったことも関係している。

江戸の中心部は西に武家、城下に町民が住むといった町割りだったが、麻布~広尾ほど離れると武家や町民、農民は混在して暮らしていたという。武家が信仰する天台宗や浄土宗の寺があるのに加えて、民衆救済を説いた浄土真宗の善福寺(港区元赤坂)があることからも、それがわかる。いずれにしても、江戸時代までの広尾~麻布はいまと違って、庶民的なまちだったようだ。

そんな風情が変わったのは、明治維新以降。江戸時代の南部藩(盛岡藩)下屋敷は有栖川宮邸となるなど新政府の要人が住み、昭和になると政府施設や病院、軍事施設が数多く建った。

さらに転換期となったのは第二次世界大戦後のこと。米軍が日本の軍事施設を接収し、広い土地が残っていた広尾近辺は駐留軍の住まいや大使館の集積地となったことから、欧米のファッションが輸入され、彼らを相手にするビジネスも発展することに。

その魅力に惹かれた感度の高い日本人も次第に集まるようになり、エリア一帯がブランド化され地価も上昇していった。

六本木ヒルズの隣で大規模再開発が始動
広尾への影響も計り知れない?

青山や六本木、渋谷、恵比寿といった繁華街に囲まれながらも、広尾自体に歓楽的な要素は極めて少ない。住むにはもってこいのまちと言えるかもしれない。

ただし、域内には木下坂、南部坂、鉄砲坂、北条坂、堀田坂など坂道が多く、徒歩では苦労する。鉄道は日比谷線の広尾駅のみ。

あとは、外苑西通りや明治通り、六本木通りでバスを使うことになる。正直なところ、交通の便は良いと言えないが、ゲートの役割になっているのだろう。

同じ渋谷区のなかでも、恵比寿や渋谷、道玄坂、代々木などに比べると広尾の犯罪発生件数は少なく、広尾二丁目~四丁目は年間で10件前後にとどまっている。

そんな広尾の徒歩圏内では、大規模な再開発プロジェクトが始まっている。それが「西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発事業」だ。

再開発後のイメージ。超高層棟と寺社(3棟)で構成される予定。今年度に工事に着工し、26年度に竣工する予定。 出所:ニュースリリース
再開発後のイメージ。超高層棟と寺社(3棟)で構成される予定。今年度に工事に着工し、26年度に竣工する予定。
出所:ニュースリリース

計画地は六本木ヒルズの西側にある約1.6haの土地で、約500戸の住宅や事務所、ホテル、子育て支援施設などで構成する複合施設を建設。その規模は高さ約200m、地上55階・地下3階と大規模で、野村不動産とケン・コーポレーションが参加組合員として参画している。

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「西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発事業」の計画地と事業概要。住宅・ホテルが入る超高層棟の隣には事務所・店舗が入る低層エリアがあり、広場も整備される。 出所:ニュースリリース
「西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発事業」の計画地と事業概要。住宅・ホテルが入る超高層棟の隣には事務所・店舗が入る低層エリアがあり、広場も整備される。
出所:ニュースリリース

一方、広尾から有栖川宮記念公園や善福寺を挟んだ麻布十番エリアでは、広尾ガーデンヒルズに続いて2件目、三井不動産グループと三菱地所グループが約2万5000平方メートルの旧逓信省簡易保険局庁舎跡地に新築分譲マンション「三田ガーデンヒルズ」を開発することが決定。

2023年頃には、麻布の東に位置する虎ノ門・麻布台エリアに、東京タワーと同じ高さの高層マンションなども開業を予定している。

ポイントは、広尾ではなく、その周辺がにぎやかになっているという点。近隣が再開発されるに伴い、落ち着いた高級住宅街としてますます認知されるに違いない。

不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」の「住まいインデックス」によると、広尾駅周辺の標準的な物件の賃料は直近3年間で0.84%、中古マンション価格は同16.15%上昇している。売買に比べると賃貸の上昇幅は狭いが、今後、広域的にまちが発展していくなら「広尾に住むこと」へのニーズは、より高まっていくだろう。

都内には麻布や白金、松濤、青葉台、池田山、田園調布など、他にも高級住宅街はあるが、広尾は独自の進化を遂げていくのかもしれない。

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健美家編集部(協力:大正谷成晴(おしょうだにしげはる))

■ 主な経歴

フリーランスの編集・ライター。
不動産投資、株式投資、投資信託、FXなどマネー関連、ビジネス全般、働き方、副業、クレジットカード、医療・介護など、幅広いジャンルで取材・執筆を行っている。

■ 主な著書

  • 『決定版 1万円からはじめるFX超入門』(かんき出版)

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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