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品川駅、高輪開発、高架化でより便利に。それなのに認知度今ひとつの「京急線」に注目

都市計画・再開発(地域情報)/東京 ニュース

2022/08/22 配信

品川駅から少し離れた目黒川近くで行われているリニア中央新幹線の工事。当初予定よりは送れる可能性も指摘されているが、工事は確実に進行している
品川駅から少し離れた目黒川近くで行われているリニア中央新幹線の工事。当初予定よりは送れる可能性も指摘されているが、工事は確実に進行している

首都圏で進行中の開発のうちでも有数の規模、可能性を秘めているのが2027年度開業を目指して進められているリニア中央新幹線駅の新設、2020年春に開業した高輪ゲートウェイ駅周辺での開発が行われている品川駅周辺である。

一般的な認知度はそれほど高くないが、実は便利で、将来的にも期待ができる沿線のひとつ
一般的な認知度はそれほど高くないが、実は便利で、将来的にも期待ができる沿線のひとつ

規模が大きく、波及効果も期待されるだけにこの2つのプロジェクトはあちこちで大きく取り上げられているが、もうひとつ、意識したいのが品川駅を起点とする京浜急行線沿線だ。

羽田、成田にダイレクトアクセス

同沿線は品川駅から品川区、大田区の旧東海道沿いを走り、川崎市、横浜市を抜けて横須賀市までを結ぶ。川崎、横浜など全国的にも知られた駅も含まれるものの、首都圏在住の人でも知らないような駅も多く、沿線全体の認知度も率直なところ、今ひとつ。

だが、客観的に沿線の条件を見ていくと利便性は高く、その割には今のところ周囲に比べて賃料水準が比較的安めで上昇余地があるなど注目すべき点も多い。以下、注目すべき点を見て行きたい。

京急久里浜駅。ひなびた雰囲気のJR久里浜駅に比べると駅ビルもあり、賑やか。駅前には商店街が伸びている
京急久里浜駅。ひなびた雰囲気のJR久里浜駅に比べると駅ビルもあり、賑やか。駅前には商店街が伸びている

鉄道路線という観点で大きいのは羽田、成田という2つの空港へダイレクトアクセスでできること。品川駅からならどちらにも直通があり、以遠の場合も京急久里浜を始発に成田直行はかなり少ないもののないわけではなく、羽田までなら本数も多い。

都心部では都営浅草線と乗り入れている点も大事なポイント。浅草線は都心のオフィス街を銀座線とほぼ平行して走っている、いわば裏銀座線ともいうべき路線だが、銀座線に比べると混雑は少なく、利用しやすい。

沿線に開発エリア多数

もちろん、今後、品川駅周辺が開発に伴って便利になればその恩恵を大きく受けることは必至である。同様に横浜、川崎といった都市の発展も沿線には影響を与える。

京急は羽田、川崎、横浜、品川それぞれで行われている開発に関与している。図は同社ホームページ内の個人投資家向けオンライン会社説明会の資料の一部だが、沿線の拠点的な街の開発に関わることは沿線価値の向上に繋がるというわけである。

羽田、品川、横浜、川崎で多くの開発を手掛けている京急
羽田、品川、横浜、川崎で多くの開発を手掛けている京急

特に川崎市内では京急川崎駅周辺の整備計画、大師線の連続立体交差事業と直接沿線に絡む開発が行われており、これらの開発が沿線イメージなどにも絡んでくると思われる。大師線は工場地帯を走る路線だが、沿線の宅地化が進んでおり、まだまだ変化の余地はある。同様に多摩川沿いのキングスカイフロント、そこと羽田と結ぶ多摩川スカイブリッジの稼働が今後上がってくると面白いのではなかろうか。

連続立体交差事業もスタート

高架化工事についての掲示板。高架だった品川駅が地平におり、品川駅構内での乗り換えが便利になる
高架化工事についての掲示板。高架だった品川駅が地平におり、品川駅構内での乗り換えが便利になる

品川駅そのものの地平化もリニア中央新幹線の開業と同じ2027年度をめどに予定されている。高輪二丁目から北品川二丁目、泉岳寺駅から品川駅と北品川駅、北品川駅と新馬場駅の半ばくらいまでの連続立体交差事業は2020年度からスタートしている。全体の完成は2029年度末が目標だ。

これによって北品川駅周辺にある3つの踏切が無くなり、湾岸の元なぎさ通りや海岸通りなどへの交通渋滞が解消され、利便性がアップする。まちの回遊性も高まるはずである。

また、品川駅での京急線~JR路線間の乗り換えも容易になり、羽田空港へアクセスしやすくなるという効果も期待できる。

商店街のある住みやすい街多数

庶民的な雰囲気も街が大半。物価も安く、住みやすい
庶民的な雰囲気も街が大半。物価も安く、住みやすい

沿線にはあまり知られていないものの、繁華な商店街のある街も多数ある。たとえば京急蒲田の一駅都心寄りにある梅屋敷駅には西口にぷらもーる梅屋敷商店街があり、140店ほどが軒を連ねる。古い街で道幅が狭いせいか、大型店はなく、個人店中心の昔ながらの商店街で、物価の安さで知られている。お隣の大森町でも同様に大森町共栄会があり、こちらも安さ自慢である。

弘明寺駅のように場所によっては商店街と駅が離れていることもあるが、どこもそれなりに生活に便利というのは沿線を通じた特徴である。

横須賀からさらに先の三崎を対象にお手頃に旅できるチケットも多数発売されている
横須賀からさらに先の三崎を対象にお手頃に旅できるチケットも多数発売されている

また、横須賀、三崎などといった観光地が沿線にあることも魅力のひとつ。都心部から電車で1時間ほどの場所に水辺、自然があるのだ。

物件次第で化ける可能性も

賃料、不動産価格とも地域、沿線が違うと単純には比べにくいが、たとえば大田区内、大森町駅10分圏で単身者向きのアパートが3万円台~と考えると古い物件も多く、賃料相場は安め。高額の物件はそれほどはない。

だが、一方で大森町には相場より高くても空き待ちのできるような物件があり、良い物件が出れば決まる。相場以上の物件については「この地域にはそうしたニーズがない」と言われるものだが、ニーズがないのか、単に物件がないからニーズもないと思われていたのかは微妙なところ。近年の不動産の動きを見ていると、面白いものであれば多少の立地のハンディは乗り越えられる。

ましてや交通利便性、生活利便性の高い、だが、認知度が今ひとつという場所であれば十分相場以上の物件も成り立つと思われる。現在の相場ではお得感はないが、上振れできる可能性がある場所と考えるとどうだろう。蒲田周辺など街づくりの動きも沿線のあちこちであり、可能性としてはあると思われる。

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健美家編集部(協力:中川寛子(なかがわひろこ))

中川寛子

株式会社東京情報堂

■ 主な経歴

住まいと街の解説者。40年近く不動産を中心にした編集業務に携わり、近年は地盤、行政サービス、空き家、まちづくり、地方創生その他まちをテーマにした取材、原稿が多い。
宅地建物取引士、行政書士有資格者。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会会員。

■ 主な著書

  • 「ど素人が始める不動産投資の本」(翔泳社)
  • 「この街に住んではいけない」(マガジンハウス)
  • 「解決!空き家問題」「東京格差 浮かぶ街、沈む街」(ちくま新書)
  • 「空き家再生でみんなが稼げる地元をつくる がもよんモデルの秘密」(学芸出版)など。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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