複合ビルと倉庫などを
建設する予定
東京都心の商業地域である日本橋で、複合再開発の動きが進んでいる。再開発の対象となっているのは、東京メトロ三越前駅の周辺だ。
※引用:東京都
三越前駅には銀座線と半蔵門線が停車する。銀座線は浅草と渋谷をつなぐ路線であり、半蔵門線は渋谷からスカイツリーに近い押上までをつなぐ路線だ。
なお、半蔵門線は東急田園都市線に接続しているため、日本橋から半蔵門線に乗れば、神奈川県の中央林間まで移動できる。
日本橋駅からは東西南北どの方向へも移動できるため、駅周辺は交通利便性が高いと言えるだろう。
再開発対象エリアはA~Dの4街区に分かれており、住宅・事務所・店舗・倉庫・駐車場がそれぞれ入る予定だ。
※引用:東京都
現在A街区にはオフィスビルや雑居ビルが建っている。本記事冒頭に掲載している写真の右手前側がA街区だ。
B街区からD街区の並びには、駐車場があるほか雑居ビルやオフィスビルなども建っており、中には築古と思しき狭小敷地のビルも散見される。
東京都のウェブサイトでは、再開発の事業効果として「防災対応力強化と環境負荷軽減」が挙がっており、これは築古ビルの建て替えを意識したものと言えるだろう。
なお、再開発エリアはちょうどL字のような形になっているが、縦と横の継ぎ目に当たるエリアは対象となっていない。
ここに建っているのはスルガビルというビルで、テナントとしてはスターバックスやスルガ銀行の東京支店などが入っている。
ちなみに、新聞の報道によると、2019年10月に三井不動産がスルガ銀行の創業一族企業からスルガビルを買い取ったという。
複数のオフィス賃貸ウェブサイトを参照すると、スルガビルは1967年に竣工したビルだが、既に耐震補強工事が行われて新耐震基準に対応しているようだ。
立地が良く新耐震基準にも対応しているため、再開発対象から外れているものと予測される。
再開発建物詳細は以下の通り。
〇A街区
地上33階・地下4階建て:住宅・事務所・店舗・駐車場
〇B街区
地上3階建て:店舗
〇C街区
地上1階建て:倉庫
〇D街区
地上1階建て:倉庫
※引用:東京都
再開発の進捗としては、2022年6月に再開発組合の設立が認可されたところだ。なお、参加組合員には三井不動産が入っている。
スケジュールとしては、A街区の建物は2024年度に着工し2028年度の竣工、B~C街区の建物は2029年度に着工し2030年度の竣工予定だ。
※引用:東京都
日本橋の周辺で
相次ぐ再開発
日本橋の周辺で進んでいる再開発は他にもある。橋を挟んですぐ反対側のエリアでも大規模な再開発が進行中だ。
こちらにも地上52階建てのビルが建つ予定であり、かなり目立つ建物になることが予測される。
日本橋周辺と言えば、三越や高島屋など昭和時代から続く百貨店を思い浮かべる人も多いかもしれない。
しかし、三越本店が2018年10月にリニューアルオープンしたほか、2019年には日本橋室町三井タワーが竣工するなど、近年では再開発が盛んだ。
周辺の街は、再開発によって今後さらに都心らしさを増していくと言えるだろう。日本橋周辺の変化に要注目だ。
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取材・文:
(はたそうへい)