再開発・再整備が進むとうきょうスカイツリー駅近辺
次は曳舟駅間上り線が高架区間に切り替え
とうきょうスカイツリー駅は、東武スカイツリーライン(東武伊勢崎線)の駅で、その名の通り東京スカイツリーの最寄り駅。東京スカイツリータウンと直結している。
駅周辺には東京スカイツリータウンだけではなく、大横川親水公園や隅田公園、東武鉄道本社などがあり、2020年には浅草駅―とうきょうスカイツリー駅間の高架下に複合商業施設「東京ミズマチ」もオープンするなど、近年は駅周辺の再開発も目覚ましい。また、その周辺にはマンション、戸建てともに住宅街や商店街なども広がっている。
そんなとうきょうスカイツリー駅だが、お隣の曳舟駅間の約0.9㎞の上り線が高架化。11月27日から供用される。これに伴い、とうきょうスカイツリー駅上りホームは新しくなり、改札の位置も変わるという。
本事業は、工事区間にあり自動車ボトルネック踏切と歩行者ボトルネック踏切(ボトルネック踏切:踏切交通遮断量が5万台時/日以上の踏切のこと)に指定されている、開かずの踏切「伊勢崎線第2号踏切」を除去し、道路と鉄道それぞれの安全性向上交通流動のボトルネック解消を図るのが目的。
墨田区が事業主体となり区間内の線路を高架化することが2012年に決まり、その後は国の認可や墨田区と東京都との間の事業費負担割合の協議などを経て工事が着工した。
もともとは2021年度に上り線、2022年度に下り線をそれぞれ高架化し、2024年に事業を完了する予定だったが、今回の運びになった。これにより桜橋通りにある伊勢崎線第2号踏切はなくなり、これまで鉄道により隔たれていた南北の市街地の行き来が容易になり、まちの一体化も期待される。
本来、東京都内の鉄道立体交差化は都が事業主体となるケースが多く、開かずの踏切に関しても都が優先的に事業を推進。ただし、とうきょうスカイツリー駅付近の立体化は地元からも要望が厚く、区が主体となった背景がある。今回の高架化で区民の悲願がかなった格好だ。
今回の事業に伴い、駅は押上駅側に移設され、すでに完成している南口広場と新たに設ける北口広場を直結。ここでも南北に分断されたまちをつなげる計画だ。
加えて、西側の言問通りは最大幅員を22mから26mに広げるなど、機能を改善。墨田区はこれにあわせて地区計画を変更し、駅の北口を「機能再生ゾーン」と位置づけ、商業・業務・文化・住宅機能の総合的な整備も図る。
隣の曳舟駅周辺でも超高層マンションが立ち並ぶなど、近隣でも大規模な再開発は進行している。かつて、東京の下町と言われていたエリアは大きく生まれようとしていて、地域の分断を解消する鉄道の高架化は、まちの機能強化に欠かせない要素。今後もこれらのエリアは進化し続けるに違いない。
実際エリアの価値は上がっていて、不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」の「住まいインデックス」によると、とうきょうスカイツリー駅の標準的な賃貸マンションの賃料は直近3年間で4.83%上昇し、これは東京都の変動3.00%に比べると高い。地域の利便性向上が、賃貸ニーズの拡大にもつながっている。今後の動向にも期待したい。
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健美家編集部(協力:
(おしょうだにしげはる))