新たに7つの駅が
新設される予定
東京都は、西東京の多摩エリアで操業している多摩都市モノレールについて、現在北の終点となっている上北台駅から西多摩郡にあるJR八高線の箱根ヶ崎駅まで延伸する計画の素案を発表した。
延伸する区間は約7㎞となっており、全部で7つの駅が新設される見通し。
※引用:町田市
多摩モノレールは南方面への延伸についても検討されているが、今回延伸が発表されたのは、北に延びる「箱根ヶ崎方面延伸路線」だ。
延伸路線は東大和市・武蔵村山市・西多摩郡瑞穂町(にしたまぐんみずほちょう)にまたがっており、新駅の内訳は東大和市と武蔵村山市にまたがるエリアに1駅・武蔵村山市内に4駅・瑞穂町内に2駅となる予定。
※引用:武蔵村山市
なお、武蔵村山市は東京都内で唯一鉄道駅がない自治体だ。多摩モノレールの駅ができれば、これが初の鉄道駅となる。
ちなみに、上記の図で(仮称)№3駅とされているすぐ南にはイオンモールむさし村山があり、東京都内にあるイオンモールとしては最も大きい店舗となっている。
イオンモールむさし村山の駐車場台数は4,000台となっており、基本的に車で来店する客を集客する前提と思われるが、近くに新駅ができるとなれば、駅経由での集客も見込めるようになるだろう。
沿線の各自治体は
街づくり構想の策定に着手
また、武蔵村山市は(仮称)№3駅予定地の南口に駅前広場を整備する構想を立てており、住民説明会では完成イメージ図も披露された。
※引用:武蔵村山市
駅前広場の計画地は広さ約2,500㎡となっている。なお、市は駅前広場の近くに別途駐輪場も設ける予定だ。
イメージ図を見る限りでは、駅前広場にはバス停が設けられると予測される。
具体的な路線の新設等は発表されていないが、新たなバス路線が開通する可能性もあるだろう。周辺の交通利便性向上に期待したいところだ。
なお、武蔵村山市だけではなく、東大和市と瑞穂町も沿線の街づくりについて少しずつ検討を進めている。
東大和市は1番東側の新駅となる(仮称)№1駅の周辺について、新たな街づくり方針を策定していく予定だ。
※引用:武蔵村山市
駅の予定地がちょうど市境に位置するため、(仮称)№1駅の南側に武蔵村山市が駅前広場を整備する予定としている。周辺の街づくりについては東大和市が担うようだ。
また、瑞穂町は(仮称)№6駅の周辺について駐輪場・バス乗場の新設と商業地の集積を検討している。
※引用:武蔵村山市
なお、新駅予定地の南東では瑞穂町殿ヶ谷(とのがや)土地区画整理事業が進んでおり、もともとは「住宅系主体の街づくり」が進められる予定だったが、現在では「住宅系を一部含む産業系の街づくり」を目指すとされている。
具体的なイメージ図などは示されていないが、今後企業誘致などが進む見込み。なお、市は2025年3月末に土地区画整理事業を完了させる予定としている。
完成はまだ先になりそうだが、新駅と土地区画整理事業の相乗効果に期待したい。
最後に、JR八高線の箱根ヶ崎駅との接続が検討されている(仮称)№7駅だが、こちらは駅前広場の再編が予定されている。
※引用:武蔵村山市
現状では新たな商業施設の誘致などは検討されていないが、箱根ヶ崎駅の周辺には公有地が点在しており、公有地の活用について今後検討が進む見通しだ。
モノレールが延伸されるエリアは東京の立川市と埼玉の入間市との間に位置しており、それほど知名度が高いエリアではない。
西東京の穴場ともいえるエリアになっているので、今後の活性化を期待して物件を探してみるのも良いのではないだろうか。
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取材・文:
(はたそうへい)