超都心の都市開発
これまで六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズなど、東京都心で大型の都市開発を手掛けてきた森ビルは、現在東京都港区の麻布台1丁目で麻布台ヒルズの建設を進めている。
開発面積は約8.1ヘクタールと広大であり、森ビルのウェブサイトによると、六本木ヒルズとほぼ同等規模の開発だという。
ちなみに、麻布台ヒルズの位置は六本木ヒルズからほぼ真東に1km~1.5kmほど行った場所であり、双方の建物はあまり遠くない。
麻布台は六本木にも近いエリアだが、麻布台ヒルズの最寄り駅は東京メトロ日比谷線の神谷町駅だ。
※引用:港区
麻布台ヒルズはA街区・B-1街区・B-2街区・C-1~4街区にそれぞれ分かれており、上記の地図でいうところの右肩部分がC街区だ。
C街区から見て道路(国道1号)を挟んで反対側に神谷町駅がある。ただ、麻布台ヒルズの敷地は広いので、六本木駅のほか南北線の六本木一丁目駅・麻布十番駅も徒歩圏内だ。
A街区とB街区はそれぞれタワー型の建物であり、C街区のみが低層の建物となる。
※引用:森ビル
1番高い建物はA街区だが、階高はA街区・B-1街区ともに地上64階建てだ。
B-2街区は地上54階建て、C街区は低層建物が中心で3階建て~8階建てとなる。
A街区はオフィスが中心であり、上部11階部分は「アマンレジデンス東京」というペントハウスだ。全91戸で居住者専用のスパも備えるというラグジュアリーレジデンスとなる。
アマンレジデンスの由来は世界有数のリゾート・ホテルブランドを展開するアマンと提携していることから。
なお、下層階には商業施設や医療施設のほか、インターナショナルスクールが設けられる。医療施設としては、新宿区にある「慶應義塾大学病院予防医療センター」が拡張移転してくる。
インターナショナルスクールとしては「THE BRITISH SCHOOL IN TOKYO」が誘致される予定。創立30周年で生徒の国籍は50ヶ国以上に上るという。予定生徒数は約700名。
B街区は住宅が中心だが、敷地内に設けられる住宅の総戸数は1,430戸と多い。
こちらにもプール付きの住戸や共用施設としてジム・ラウンジが設けられるなど、普通のマンションではあまり信じられないような仕様だ。
六本木にも近いため、外国人が住むことも想定されているのだろう。敷地内には商業施設も設けられるため、麻布台ヒルズの中で生活が完結することになる。
商業施設は、店舗面積約24,000㎡・予定店舗数約150店舗。そのうち約4,000㎡はフードマーケットとして、食料品店になる予定。
※引用:森ビル
これほど大きな食料品店街は近くにないため、居住区の住民はもちろん、周辺住民にとっても便利な商業施設になりそうだ。
さらに、デジタルアートミュージアム・チームラボボーダーレスがお台場から移転してくる予定だ。
2023年に竣工の予定
2023年3月の時点ではまだほとんどの施設が建設中だが、森ビルのウェブサイトを見ると、2023年には完成予定となっている。
単なる再開発にはとどまらない、1つの街づくりと言える規模の麻布台ヒルズは東京の不動産業界にどのようなインパクトを与えるのか、今後の行方を注視したい。
取材・文:
(はたそうへい)