
「TOKYO GIANTS TOWN」構想を発表
読売新聞東京本社・読売巨人軍・よみうりランドの3社は、東京都稲城市にあるよみうりランド遊園地に隣接するエリアで、新球場の建設に伴う複合開発を進めると発表した。
稲城市は東京の多摩エリア南部に位置する市であり、調布市・府中市から見て多摩川を挟んだ反対側にある。
読売グループは土地区画整理事業の対象となっているエリアで新たな球場を建設している。
現在は開発エリアの隣に「読売ジャイアンツ球場」という球場があり、この球場はプロ野球チームであるジャイアンツの2軍用ホームグラウンドだ。
新球場はメイングラウンドとサブグラウンドの2面を備え、「新GIANTS球場」という名称になる予定。

よみうりランドは現在の球場に近いため、新球場を建設するとともに、レジャー施設や飲食施設などを設けることになったのが発表のきっかけだ。

首都圏の遊園地・テーマパークというと、東京ディズニーリゾートや後楽園(現在は東京ドームシティアトラクションズ)などを思い浮かべる人も多いかもしれない。
しかし、よみうりランドの2020年度入場者数は約106万人であり、日本全国で4番目に入場者数が多かった。
ちなみに、関東地方には富士急ハイランドもあるが、富士急ハイランドは単体での年間入場者数を公表していない。周辺のホテル・温泉等を含めた利用者数は、2018年の発表では約230万人だという。
よみうりランドの入場者数は同年度の東京ディズニーリゾートと比較すれば7分の1程度であり、富士急ハイランドと比較しても少ない可能性は高い。
しかし、富士急ハイランドを除外した統計では、2020年度に年間入場者数100万人を超えた遊園地やテーマパークは4つしかなかった。
日本全国で見ればよみうりランドは入場者数の多い遊園地と言えるだろう。

入場券の値段が東京ディズニーリゾートと比較するとだいぶ安いこともあり、よみうりランドは首都圏のファミリー層に人気の遊園地と言える。
公表されている構想では、球場のほかに水族館・スポーツ関連施設・飲食施設などを設けるという。
水族館は施設面積8,600u、地上3階・地下1階建てで、池袋のサンシャイン水族館よりも1,000u弱大きい。
球場や駐車場も含めた敷地面積は約76,000uで、東京ドーム約1.6個分となる。

遊園地以外のレジャー施設ができれば、よみうりランド以外にもファミリー層の行き先ができるため、これまで以上の賑わいが期待できるだろう。
球場のオープン時期は2025年3月予定で、水族館のみ2026年度中のオープン予定となっている。
西東京の新たな賑わい創出に期待
新球場はジャイアンツの練習や公式戦以外にも、貸し球場として大学野球や高校野球の予選などに対応するという。
野球の試合やイベントがない日は球場のコンコースを一般開放するほか、付近の幼稚園・保育園の運動会にも開放、さらには地元のお祭りやイベントにも活用される予定。
新球場はレジャースポットとしてだけではなく、地域のコミュニティ施設としても機能することが期待できるだろう。
稲城市は東京都内にありながらローカル感も感じさせるエリアだが、読売グループの複合開発がどこまで地域の賑わい創出に貢献するか要注目だ。
取材・文:
(はたそうへい)