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東京都心で橋上都市整備の検討が進行中。銀座・築地周辺みどりのプロムナード構想

都市計画・再開発(地域情報)/東京 ニュース

2023/04/12 配信

築地川アメニティ構想
橋上空間整備の完成イメージ図。

※引用:中央区

東京高速道路の再生方針として検討中

東京都と中央区は、首都高の路線整備によって交通機能が不要となる東京高速道路について、今後の活用方針を検討している。

東京高速道路とは、築地・汐留付近から有楽町駅前を通って京橋ジャンクションへとつながる高速道路のことだ。

東京高速道路の路線図
東京高速道路の路線図。銀座や京橋など、東京の中心部とも言えるような場所を通っている。

※引用:国土交通省

あまりピンとこない人もいるかもしれない。もっとわかりやすく言うと、有楽町駅前にある数寄屋橋の上を通っている高速道路が東京高速道路だ。

数寄屋橋
左に写っている建物が有楽町マリオンで、右の奥にある交差点が数寄屋橋交差点だ。写真の中央を通っている橋上道路が東京高速道路の一部。

※引用:東京都

日頃から首都高速を利用する人でないとなかなか区別がつかないが、東京高速道路の運営主体は東京高速道路株式会社というところで、首都高とは別物となっている。

これまで、東京高速道路は都心環状線と周辺の首都高路線を乗り継ぎするために利用されてきた。

しかし、2020年に新たな都心環状線ルートを整備建設する方針が決まったことで、今後は道路としての役割が低下することから、東京高速道路の有効活用について検討が始まっている。

橋上に都市空間を整備すると言っても、東京高速道路は1966年に全線開通した道路であり、既に50年以上が経過している状況だ。

また、橋の下には銀座コリドー街の飲食店やGINZA INZなどの商業施設が整備されているため、現状では橋の上に新たな建物を建てるなどのことは検討されていない。

GINZA INZ
GINZA INZは、銀座のマルイやITOCIAなど大規模商業施設の足元に位置している。東京高速道路が運営する商業施設の主なテナントは、ファーストフードや衣料品店などだ。

検討されているのは、歩行者用の通路として橋上空間を整備し、将来的には次世代モビリティも通れるようにするというものだ。

単なる歩道として整備するのではなく、キッチンカーなども入れるようにして憩いの場を作るとともに、数寄屋橋交差点などの数か所に眺望を楽しむビューポイントを作ることなどが検討されている。

Tokyo Sky Corridor
橋上通路の構想はTokyo Sky Corridorという名称がつけられている。

※引用:東京都

有楽町や銀座周辺には外国人観光客も多く集まることから、回遊性の向上や東京の都市空間をアピールする場になることなどが期待される。

築地方面では「築地川アメニティ整備構想」も

中央区では、東京高速道路の有効活用検討と並行して「築地川アメニティ整備構想」を策定している。

少しややこしいが、「築地川アメニティ整備構想」の対象範囲は「銀座・築地周辺みどりのプロムナード構想」とは少し異なる。

築地川アメニティ整備構想対象範囲
緑の網掛け部の左上に伸びている灰色の線が、ここまで紹介してきた「銀座・築地周辺みどりのプロムナード構想」の対象範囲。

※引用:中央区

築地川アメニティ整備構想の対象範囲は、上記の地図でいうところの緑の点線部分であり、銀座・築地周辺みどりのプロムナード構想からみて南東側に位置するエリアだ。

このエリアは都心環状線の「築地川区間」であり、天井がない半地下構造の道路となっている。

首都高築地川区間
真ん中に写っている一段下の道路が首都高築地川区間。もとは川だったので、通常の道路よりも少し低い位置にある。

建設されたのは1962年で、すでに60年以上が経過しているため、防災上の観点からも今後大規模な更新が検討されている。

このため、首都高の更新に合わせて高速道路の上にある空間を緑化・回遊空間にしようというのが築地川アメニティ構想だ。

首都高築地川区間:更新後のイメージ
簡単に言うと、現在は地下を通っている高速道路にフタをして、その上の空間を整備するというのが「築地川アメニティ整備構想」だ。

※引用:中央区

こちらも、現状では緑化空間やパブリックスペースの整備が検討の机上に乗っており、新たな商業施設を設けるなどのことは検討されていない。

築地川アメニティ整備構想イメージ図。
橋上空間の整備方針としては、築地川の方も東京高速道路とあまり変わらないものになりそうだ。

※引用:中央区

イメージ図を見ると、銀座の橋上整備方針とあまり変わらないものになりそうに思えるが、ここまで大規模な橋上の緑化空間というのは今までの東京にはあまりなかったものだ。

これまでとは違う都市空間の整備という点で、今後の展開に期待したい。

取材・文:秦創平(はたそうへい)

秦創平

■ 主な経歴

フリーランスライター。
不動産業界歴約12年を経て2019年からフリーランスのwebライターとして活動を開始。営業マン時代にはセミナー講師の経験も多数あり。
国内・海外を問わず不動産投資に関する記事が専門で、現在では毎月数十本単位の記事を執筆中。特にデータを用いた市場分析が得意で、海外マーケットに関するリサーチ記事の執筆も多数請け負っている。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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