今年の3月から店舗が順次オープンへ
JR東日本都市開発は、JR常磐線の亀有から綾瀬までの区間について、高架下店舗や広場などを開発していくことを発表した。
JR常磐線は東京の上野から北千住・千葉県の松戸や柏などを通り、茨城県の取手までと、さらに北の仙台方面までをつないでいる路線だ。
なお、上野から亀有までの所要時間は25分前後となっている。
亀有は下町情緒が強い街で、北千住よりもさらに千葉寄りの位置にあるため、都内であっても郊外というイメージを持つ人もいるかもしれない。
しかし、都心へのアクセスが良く住みやすさもあるため、亀有は賃貸ニーズを見込めるエリアだ。
開発対象となる亀有・綾瀬は、北千住から見て千葉寄り、金町・松戸などから見て東京寄りに位置している。
開発エリアの規模は高架下の全長800mで、亀有寄りの場所だ。ちなみに、亀有駅から綾瀬駅までは概ね2㎞の距離となっている。
JRは開発施設のことを「ぽちかめ」と名付けており、これは「さんぽみち」と「かめあり」を掛け合わせた通称だという。
また、開発にあたっては「ポケレス × パス のある街」というコンセプトが掲げられている。
「ポケレス」とは「ポケットレスト」という造語の略で「小さなたまり場」という意味だという。
また「パス」は「抜け道」を意味しており、線路によって南北に分断されていた街をつなぐ施設という意味付けがある。
人が集まりやすい場所を作って計画地周辺の近隣コミュニティを活性化することや、南北に分断されていることで不便になっている交通利便性を改善することなどが、JRが目指す課題解決だ。
なお、今年の3月には日用品などを取扱うディスカウントストアのOlympic亀有店が開業している。
店舗は亀有駅から徒歩8分の距離にあり、周辺住民だけではなく、駅の利用者も使える場所にあると言えるだろう。
ちなみに、亀有付近におけるオリンピックの出店は初となる。これまで、オリンピックは亀有から見て東の柴又・南のお花茶屋などにしかなかった(自転車専門店を除く)。
また、オリンピックと同業態のディスカウントショップを探しても、亀有から見て南方のドン・キホーテ青戸店しかなかったので、亀有の地元住民にとっては生活利便性が少し良くなったのではないだろうか。
過去には高架下で認可保育園の開園も
JRが亀有・綾瀬間の高架下で開発を進めたのは、今回が初めてではない。2017年には地域社会と連携した街づくり・子育て支援事業の一環として、高架下に認可保育園を建設している。
※引用:JR東日本
保育園の場所は、ぽちかめの西側に当たる。亀有駅からは徒歩12分と距離があるものの、亀有と綾瀬の間にあたるエリアに住む子育て世帯にとっては利用しやすい立地だ。
なお、亀有~綾瀬間の高架下に目を向けると、2023年時点では空き地になっている場所や駐車場になっている場所がまだ点在している。
都市開発の対象は高架下に限った話ではないが、今後の開発の拡大にも期待したいところだ。
取材・文:
(はたそうへい)