
駅南口で大規模再開発進行中
2029年度に高さ160?の大規模複合施設登場予定
東京・葛飾区に位置し、区の南側の玄関口としての役割を果たすJR「新小岩駅」。駅前には全長約420メートル。約140店舗の専門店がずらりと並ぶ「新小岩ルミエール商店街」や「西友 新小岩店」があり、買い物にも便利。
また駅周辺には「新小岩公園」や「小松川境川親水公園」など自然豊かな公園もあり、ファミリー層にも人気の街である。

東京駅や新宿駅に乗換なしでアクセスできるほか、千葉方面へも出やすいということで、その交通利便性の高さも大きな魅力。
葛飾区によると、同駅の1日の平均乗降人員は約 15 万人。平成 27 年度から令和元年度で約6,000人増加。また、世帯数も平成27年度から令和4年で32,275 世帯から2,030世帯増加しているとのことで、緩やかな拡大傾向にあるようだ。
大型の商業施設がなく、昔ながらののどかな街並みが広がっていた「新小岩駅」周辺だが、現在、駅南口では駅南口駅前広場を含む約1.5haの再開発(新小岩駅南口地区第一種市街地再開発事業)が進んでいる。
2029年度には地上39階、高さ160mの大型複合施設が登場する予定で、街の景色も大きな変貌を遂げそうだ。


20年後の新小岩駅を描くまちづくりプラン策定
「新金線」の旅客化も視野に
ちなみに、「新小岩駅」の進化はこれだけではない。2023年2月、葛飾区は、20年後を想定した「新小岩駅周辺まちづくりプラン」を策定したと発表した。
「20年後の新小岩駅」見越したこのまちづくりは区民・事業者・行政等が協力して行われるもので、
方針1 だれもが安全で快適に移動できるウォーカブルなまち
方針2 訪れて楽しい、住んで心地よいまち
方針3 防災力を高め、安心して暮らし続けることのできるまち
方針4 一人ひとりが生き生きと輝けるまち
という4つの方針に基づき、
●駅前広場や道路、公共交通網、公園の再整備
●駅北口、駅南口の西側エリアを含む駅前周辺の市街地再開発
●防災拠点の形成や、公共施設等の防災機能強化
などに取り組んでいくとしている。

これらの取り組みの中でも注目されているのが、公共交通網の整備の一環として明言されている「新金線旅客化の推進」だ。
「新金線」とは、「金町駅」と新小岩信号場を結ぶ約7.1km総武線の貨物支線の通称。

現在葛飾区内では、常磐線や総武線など区内を東西に結ぶ鉄道があるものの、南北を結ぶ交通手段はバスに限られている。この南北鉄道網の充実を図るべく、「新金線」の旅客化を推進していくとのことだ。
「令和3年度 新金線旅客化調査検討 概要版」の条件前提では、運行本数は片道 84 本/日(ピーク時 6 本/時間、オフピーク時 4 本/時間)、運行時間帯は、朝 5 時〜夜中 0 時(19 時間)ピーク時間は、朝 2 時間と夕方 2 時間の計 4 時間とのこと。
葛飾区によると、この「新金線」旅客化を実現するためには、国道6号との交差、貨物列車との併存などの課題があるそう。これらの解決に向け、関係機関との協議を進めながら検討を行っていくとしている。
南口の再開発ビル誕生、「新金線」の旅客化など、これからも注目を集めそうな新小岩駅。今後駅周辺の資産価値がどう変化していくのか、長期的な視野で見守りたい。
健美家編集部(協力:
(さいとうかずみ))