
行政とJRが協働して推し進める
青森駅周辺のまちづくり
青森県の県庁所在地である、青森市。その玄関口となるJR「青森駅」がいま、変わろうとしている。
かつては北海道と本州を結ぶ要の都市として存在感を放っていた「青森駅」。しかし、新幹線「新青森駅」の誕生以降、その存在感は薄れ気味。
また、近年急速に進む少子高齢化や人口減少により、まちの活気も失われつつある状況にあった。
しかし昨今、地方創生の一環として、この「青森市」の状況を打破しようとする動きがある。
2018年8月、青森県、青森市、青森商工会議所、東日本旅客鉄道株式会社の四者は、地方創生に向けた青森駅周辺のまちづくりに向けて、「青森駅周辺のまちづくりに関する 連携協定」 を締結した。
四者がそれぞれの強みを生かして連携・協力し、魅力あるまちづくりの実現に向けて取り組むという。

資料によると、青森県は、青森ベイエリアの賑わいづくり等を通し、 交流人口の拡大や青森駅周辺の施設等と 連携した地域経済の活性化 等に取り組むとのこと。
また、青森市は、青森駅自由通路等の整備や 市役所駅前庁舎への総合窓口機能の 移転等を通し、魅力あるまちづくりの推進。
青森商工会議所は起業・創業・指導者育成等の方向から、地域経済の活性化を推し進める。
そして、東日本旅客鉄道株式会社は、青森駅周辺のJR用地活用、駅ビル(ラビナ)、 A-FACTORY等との連携により、青森駅周辺の まちづくり、くらしづくりに取組 むとしている。
「青森駅」新駅舎が誕生したほか
青森市の中心地で再開発が進む
この流れを汲んだ動きは、随所で進んでいる。2021年3月27日には、JR青森駅の東西を結ぶ自由通路を備えた新しい駅舎の利用がスタート。60年以上続いた「青森駅」駅舎が新たに生まれ変わるとあって、記念イベントには多くの人が訪れた。

また、2021年2月には、東日本旅客鉄道株式会社が、自由通路整備後の旧青森駅東口駅舎跡地を活用した、駅ビルの開発を推進することを発表している。


新たに誕生予定のビルは、地上 10 階建 、建築面積 約 13,200 u 、延床面積 約 17,800 u の規模となる予定。1階〜3階は商業施設、4階は行政施設 、4階〜10階はホテルになるとのこと。着工は2021 年度末 、2024 年度の完成を目指す。
角広本社ビル一体も再開発
2棟の複合商業施設が誕生
また、青森県庁近くの「角弘本社ビル」一帯でも再開発事業も進んでおり、「センター棟」と「ウエスト棟」の2棟から成る複合商業施設が誕生する予定となっている。

2020年9月18日月発表の青森銀行のリリースによると、店舗と分譲マンションが入る予定の「センター棟」は、地上18階建て、延床面積11,200u。店舗・事務所・ホテル(ドーミーイン)が入る「ウエスト棟」は、地上13階建て、延床面積11,400uの規模となる予定。
実施設計と権利変換計画作成はアール・アイ・エー。 事業協力者として、「センター棟」に大和ハウス工業、「ウエスト棟」に共立メンテナンスが参画。 こちらは2023年6月末の竣工を目指す。
新駅舎の登場、駅周辺の再開発で、少しずつ活気を取り戻しつつある「青森駅」。
ちなみに、LIFULL HOME’S調べによると、「青森駅」徒歩10分以内の1Kの家賃相場は41,400円。札幌市などの大都市と異なり、新築の賃貸物件はあまり多くなく、賃貸物件の供給も少ない傾向にある。
尚、土地代データによると「青森市」の2021年の 公示地価は、平均4万1,689円/u。変動率は−0.91%。下落傾向が続いているが、その分、値ごろな物件が見つかれば、面白い投資先になるかも知れない。
健美家編集部(協力:斎藤一美)