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青森・八戸駅前で再開発の動き。市が留保地再開発の再公募条件をヒアリング、駅西地区で大規模な商業施設が誕生?

都市計画・再開発(地域情報)/仙台/東北 ニュース

2023/03/02 配信

2022年の募集では該当者なし
再募集をかけて再開発を加速

青森県の東部に位置する八戸市。県庁所在地の青森市や県内人口3位の弘前市とともに、青森県の主要3市のひとつに数えられる。1929年に当時の八戸町・小中野町・湊町・鮫村の4町村の合併により誕生した。当初の人口5万2000人は2005年に25万人に迫るも、その後は緩やかに下降を辿り、直近では22万人を割った。

臨海部には大規模な工業港、漁港、商業港が整備され、その背後には工業地帯が形成。全国屈指の水産都市であり、北東北随一の工業として知られる。画像は八戸駅。
臨海部には大規模な工業港、漁港、商業港が整備され、その背後には工業地帯が形成。全国屈指の水産都市であり、北東北随一の工業として知られる。画像は八戸駅。

市の中心駅は八戸駅(支庁の最寄り駅は本八戸駅)で、JR東日本の東北新幹線と八戸線、青い森鉄道線が乗り入れている。JRの1日平均乗車人数は約3000人で、県内の駅では青森駅、弘前駅に次いで第3位。新幹線は同2000人弱となっている(2021年度)。

多くの街では中心駅の周辺に市街地が広がるが、八戸の場合は中心市街地と駅は5㎞ほど離れ、路線バスで結ばれる。

駅周辺には教育機関や郵便局・金融機関、いくつかホテルがあるくらい。一方、八戸市は1997年から駅西地区の土地区画整理に取り組み始め、駅前広場やシンボルロードを整備。2020年4月には、通年型アイスリンクをベースとしたエンタテインメント型多目的アリーナ「FLAT HACHINOHE(フラット八戸)」が開業した。

前後して、同市はこういった状況を踏まえ、2019年3月には「八戸駅西地区まちづくり計画 東北新幹線八戸駅西地区スマート・スポーツシティ」を策定している。

同市では2019年に国際基準の国内スケート場「YSアリーナ八戸(長根屋内スケート場)」がオープンしていて、東北フリーブレイズ(アイスホッケー)、ヴァンラーレ八戸FC(サッカー)、青森ワッツ(バスケットボール)など、プロスポーツチームが活躍。ジュニアアスリートの育成システムや国内外からのスポーツ合宿受け入れ環境を整備するなど、スポーツを通じて人を育てるまちづくりを進めている。

また、先述した「FLAT HACHINOHE」はアイスホッケーやフィギュアスケートに加え、バスケットボールなどの幅広いスポーツを観戦でき、これまで誘致が難しかったコンサート、コンベンションなど多様なイベントの開催、地域行事、学校体育など、幅広い用途での活用が可能。

同施設を核として、八戸のスポーツインフラを提携して、新たな八戸の魅力を創造し、国内外から人を集め、市全体への経済波及効果を高めることが期待されている。このような動きもありながら、「八戸駅西地区まちづくり計画」では、駅前に5つのゾーンを設定し事業を推進してきた。

八戸駅西地区のエリアビジョン。集・憩・活の各ゾーンを「駅前地区」として交流拠点にふさわしい機能誘導を図っている。 出所:「八戸駅西地区まちづくり計画 東北新幹線八戸駅西地区スマート・スポーツシティ」
八戸駅西地区のエリアビジョン。集・憩・活の各ゾーンを「駅前地区」として交流拠点にふさわしい機能誘導を図っている。
出所:「八戸駅西地区まちづくり計画 東北新幹線八戸駅西地区スマート・スポーツシティ

こうしたなか、市は2022年7月、同地区の市保留地の購入事業者を募集。最低売却価格は3億6687万円で4事業者から応募があったものの、3事業者は円安や物価高騰などの影響を理由に辞退、残る1事業者は審査で不合格となり、売却先は決まらなかった。

これを受け、市は2023年に入り、購入希望者の再公募条件などを民間事業者にヒアリング。「どんな再公募条件にすれば、事業者進出の可能性が高まるか」「他事業者との合同提案の可能性はどうか」について調査した。

保留地の面積は5525㎡で、建ぺい率80%、容積率400%。用途地域は商業地域。今回のヒアリングを通じて再募集が行われ、事業者が決定すると、駅前西地区で新たに大規模商業施設が誕生するかもしれない。

冒頭でも触れたが、八戸市の人口は減少を辿っているが、こういった再開発により歯止めがかかるかもしれない。また、駅前に都市機能を集積することで、地域住民にとって利便性の高いコンパクトシティとしても活用されるだろう。同じような課題を抱える地域にとっても好事例となるに違いない。

健美家編集部(協力:大正谷成晴(おしょうだにしげはる))

大正谷成晴

■ 主な経歴

フリーランスの編集・ライター。
不動産投資、株式投資、投資信託、FXなどマネー関連、ビジネス全般、働き方、副業、クレジットカード、医療・介護など、幅広いジャンルで取材・執筆を行っている。

■ 主な著書

  • 『決定版 1万円からはじめるFX超入門』(かんき出版)

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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