東海エリアの玄関口『名古屋』駅周辺で、2027年(予定)のリニア中央新幹線開業に向けて大規模な再開発事業が同時進行中だということは読者の皆さんも既にご存知だろう。
中でも地域の期待を集めているのが、地元優良企業である陶磁器メーカー、ノリタケカンパニーリミテドの本社工場跡地を活用した再開発『(仮称)ノリタケの森プロジェクト』(名古屋市西区則武新町三丁目)だ。
名古屋駅から約1kmのポジションに広がる約5万7000㎡の広大な敷地内では、公園機能・大規模商業施設・オフィス中枢機能を融合した新しいイオンモールの建設が進められている。これまで「デパートはあっても大型スーパーが無い」という点が課題だった名駅エリアだが、このイオンモールの登場により、今後は“暮らす街”としての魅力が付加されることになる。
また、プロジェクトに隣接する新築分譲マンションでは、東海圏の物件には珍しく全国から問い合わせが殺到。投資目的で成約に至った購入者も多いというから、同エリアの将来価値に対する大きな期待感が窺える。
再開発に牽引されて、名鉄『栄生』駅周辺では地価が上昇中
この『(仮称)ノリタケの森プロジェクト』の進行を受け、にわかに注目を集めているのが、同プロジェクトの最寄り駅の1つとなる名鉄『栄生(さこう)』駅だ。
『栄生』駅は“名鉄名古屋駅から1駅2分”という高い利便性を備えながらも、周辺にランドマーク的な建物が無いため駅の認知度が低く、「名古屋に長年住んでいるが『栄生』駅ではまだ降りたことがない」という人が多かった。
しかし『(仮称)ノリタケの森プロジェクト』が開業するとイオンモールまで徒歩約8分。名鉄沿線在住の通勤客や買い物客の利用により乗降客数が急増することは間違いないだろう。
ちなみに『栄生』駅周辺では2014年以降公示地価が上昇しており、特に駅西側の中村区栄生町では公示地価が前年比+19.23%と驚異的な伸びを示している。
高止まり(または天井をついて下落)傾向にある名古屋駅周辺において、まだまだのびしろを備えている点にこのエリアへの魅力を感じる方も多いことだろう。
全国的にも珍しい“病院一体型の駅”
実は名鉄『栄生』駅が注目を集めている理由はもうひとつ、駅の機能にも秘密がある。ここはなんと“改札から病院に直結する駅”なのだ。
『名鉄病院』は病床数373床、小児科や婦人科を含め24の診療科が揃った地域医療を担う中核病院だ。「大型総合病院にも、イオンモールにも、名古屋駅にも近い」となれば、今後は「子育てファミリーからお年寄りまで多世代が暮らしやすい街」として評価されることになる。
これまで“ちょっと地味”だった駅が、生活利便性の向上に伴い大きく飛躍しようとしている。今後の名鉄『栄生』駅エリアの地域発展に期待したい。
健美家編集部