名古屋市熱田区にある熱田神宮エリアは、三種の神器の一つ草薙神剣が鎮座し、神話や伝説が残る「熱田神宮」をはじめ、歴史名所が点在することで知られている。
名古屋市の中心部である中区の南側に接し、令和9年に開業予定のリニア中央新幹線「名古屋」駅からは名古屋鉄道の特急や急行で約6分。都心部に位置していて、JR東海道本線 「熱田」駅、地下鉄名城線「伝馬町」駅や市営バスの運行拠点もあるなど、交通アクセスの良さが際立つ。賃貸需要も高く、注目すべきエリアなのだ。
そして、名鉄「神宮前」駅に、7月21日「ミュープラット神宮前」が誕生。これを皮切りに、さらなる利便性の向上とにぎわいが期待される地域である。
通勤至便の3路線・3駅利用で
共働きファミリーに需要が高い
「熱田神宮エリアにおいて最大の魅力は、3駅・3路線が利用できて各方面への通勤に便利だという点にあります。」そう話すのは、「エイブル 熱田店」店長の西尾譲二さん。
名古屋鉄道の「神宮前」駅は、名古屋本線と常滑線が交わる特急停車駅。
名古屋本線は「名鉄名古屋」駅とトヨタ関連企業が集まる「知立」駅や「東岡崎」駅を結び、常滑線は「中部国際空港」駅へ直通である。常滑線沿いにも「大同特殊鋼」があり、「三菱重工」「東レ 名古屋事業場」などへのアクセスも良い。
名鉄「神宮前」駅の近くには、環状線である地下鉄名城線「伝馬町」駅があり、オフィスや商業施設が集まる「栄」駅や官公庁が建ち並ぶ「市役所」駅へ乗り換えなしで行ける。
さらに、JR東海道本線の「熱田」駅を使えば、「デンソー」や「アイシン」の本社がある「刈谷」駅や、トヨタ系企業の集まる「岡崎」駅方面へも直通。
愛知県の共働き家庭は、どちらか一方が名古屋市中心部へ、またどちらか一方がトヨタ系企業で三河方面へ通勤するケースも多い。
熱田神宮エリアは、あらゆるニーズを満たす立地といえるのだ。
「熱田神宮エリアと同じように、名古屋駅や栄、市役所、中部国際空港、三河方面へ直通アクセスのできる『金山総合』駅も近くにあるが、市内有数のターミナル駅ゆえに家賃は高め。
また、駅周辺には居酒屋などが雑多に建ち並んでいることもあり、治安の良さや落ち着いた生活環境を求めて熱田神宮エリアに目を向けるお客様が多いという印象です」と西尾さんは話す。
ファミリータイプの物件が狙い目
2LDK以上・15帖以上のLDKで差別化
このエリアでは、単身向けの1Rや1Kの供給は飽和傾向に。2LDK以上のファミリータイプは供給が少ないため、おすすめだという。
「新築から築5年ほどだと、家賃は12万～14万くらいは。それより築年数が経っていても、大きな下落はなく10万くらいは堅いという印象です」
一方で、各駅徒歩5分圏内には古くからの地主が多く、中古物件が出にくいエリアだ。アクセスの良さから、新築用の土地が出るとすぐに大手デベロッパーが仕入れてしまう傾向にある。
投資家の方は40坪程度の小さな土地を活用し、ミニアパートを新築するの効率が良いと思われる。駐車場は戸数の30％ほどで十分だという。新築の場合は間取りや設備などについても、入居者のニーズを掴んでいる地域の不動産仲介店に相談してみることををおすすめする。
また、各駅から徒歩15分～20分と離れても、場所と築年数によっては1Kで家賃65000円、2LDKなら家賃10万ほどが見込めるとのこと。「熱田神宮エリアの近くに見つからない場合は、東の瑞穂区新開町や牛巻、西の熱田区旗屋付近まで、範囲を広げてみても良いかもしれません」と西尾さんは話す。
駅直結の商業施設「μPLAT 神宮前」が誕生！
再開発の計画もある注目エリア
また、熱田神宮エリアは再開発計画による期待も高まっている場所である。令和2年7月に「熱田神宮駅前地区 まちづくり構想」が公表され、JR「熱田」駅から名鉄「神宮前」駅にかけての線路と熱田神宮に挟まれた地域を対象に再開発をし、立地の強みを最大限に活かしたにぎわいの創出を目指すものだ。令和8年の「第20回アジア競技大会」、令和9年の「リニア中央新幹線」開業の時期に照準をあわせて、推進を目指しているとのこと。
そのさきがけとして、名古屋鉄道は名鉄「神宮前」駅の再開発に着手。駅に直結する地上4階建ての商業施設「μPLAT 神宮前」がオープンした。食品スーパーから薬局、雑貨店、カフェ、ベーカリー、和食店、和菓子店、美容院、歯科まで、全21店舗がラインナップ。上層階（5～12階）には、賃貸住宅「meLiV神宮前」を備えた商住複合の施設だ。
「熱田神宮エリアはスーパーマーケットなどが少ない場所。駅ビルがリニューアルされて、一箇所で生活必需品を揃えるのに事欠かなくなったのは、お客様にはとてもうれしいことだと思います」と西尾さん。
一方で西尾さんは、「『熱田神宮』の門前町にある商店街付近も、再開発されればガラリと変わると思うのですけどね」と続ける。
というのも、熱田神宮は年間約700万人もの参拝者が訪れる門前町のにぎわいとしては、どこか寂しい印象なのだ。空き店舗の増加や建物の老朽化も進むため、再開発の必要性も叫ばれているのだ。
利便性の良さから、現状でも賃貸需要や資産価値は十分に担保されている熱田神宮エリア。さらなる可能性に期待しつつ、注目してみてはいかがだろうか。
健美家編集部（協力：しらかべ企画社 村田明音）
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