タワマンが増加中の人気エリアで
再開発プロジェクトも目白押し
岐阜市の中心駅である岐阜駅。JR東海の駅で、東海道本線と高山本線が乗り入れていて、1日の平均乗降客数は約6.4万人で県内トップ。2位の大垣駅(約4.2万人)、3位の多治見駅(約2.6万人)を大きく引き離す。

岐阜市自体は県の中心部で、もっとも人が集まり住む場所。県民の約20%は同市に居住している。行政・商業・情報の拠点であるとともに、名古屋市の衛星都市・ベッドタウンとしての一面もあわせ持つ。
快速や特急を使うと岐阜駅から名古屋駅までは最短で約20分、JR駅の近くにある名鉄岐阜駅から名鉄名古屋駅の場合でも、最短30分足らずで到着する。交通の利便性は抜群だ。
こうした特長を生かして住宅需要を喚起すべく、これまで岐阜駅前では複数のタワマンプロジェクトが進行。2007年に43階建ての「岐阜シティ・タワー43」(高さ約162m)が誕生してから、12年には「岐阜スカイウイング37」(37階建て高さ約135m))、19年には「岐阜イーストライジング24」(24階建て高さ約95m)と、複数の高層マンションが駅前に建てられてきた。
そんな同エリアで、新たな再開発プロジェクトが始まるという。場所は駅の北側にあるビル街で、市街地を南北に抜ける金華橋通りを挟んで東西に130m級のツインタワーが2015年に工事着工、28年度に完成するという。

出所:岐阜駅北中央西地区市街地再開発事業ホームページ
驚くべきは建物の規模。東地区は約2700uに高さ約130m・34階建て、西地区は約3200uに高さ約120m・32階建てのビルとなり、いずれも1〜2階は商業施設、3〜4階はオフィス、5階以上に分譲マンションが入る予定だ。
駅北側の歩行者用デッキを延伸し、2棟の2階とつなげて回遊性を高め、東地区のビル1階には広場を整備して飲食店街である玉宮通りの入り口につなげ、エリア全体に賑わいも創出する。
なお、駅前に意匠を統一したツインタワーが建つのは初めてのこと。事業参加者も決まっていて、東地区は積水ハウス、西地区は野村不動産を代表とする企業グループだ。
建設予定地はJR岐阜駅北口の正面で、名鉄岐阜駅にも近い場所。一方で、建物の老朽化による空き店舗の増加、防災力の低下が進んでいて、自治体は都市再生緊急地域に指定している。
こうした事情を背景にタワマン建設をはじめとする再開発を行ってきたが、今回のプロジェクトもその一環と考えていいだろう。
岐阜市の人口は微減傾向だが、名古屋駅にアクセスが良く自然豊かな地域に住居があると、近隣からの転居・転入が期待できるし、人口減少フェーズだからこそ駅前に住居や商業機能を集めることで人を集めコンパクトシティ化することで、郊外のインフラコストを抑えることも可能だ。
ちなみに、本事業近くの高島屋南地区では高さ132mの再開発ビル「柳ケ瀬グラッスル35」の建設も進んでいて、来年には竣工する予定。
ビルは35階建てで、商業施設や市の健康運動施設・子育て支援施設、分譲マンションが入り、隣接する商店街の新たな顔になるという。これに加えツインタワーが完成すると、他のタワマンや複合施設も含め駅前の光景は壮観になるに違いない。
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健美家編集部(協力:
(おしょうだにしげはる))