2026年に
計画建物が竣工予定
静岡県東部における交通の要衝として人が集まる静岡県の三島市で、駅前再開発が進行中だ。
三島市は温泉観光地として有名な熱海市の西側に位置しており、三島駅は東海道新幹線で熱海駅の次に該当している。
※引用:JR東海
電車を使えば熱海方面へ行けるほか、東名・新東名などの高速道路を使えば伊豆・富士・箱根方面へもアクセスが可能だ。
古くは東海道五十三次における11番目の宿場町として栄えており、現在では緑豊かな自然や太宰治など文豪ゆかりの地を中心とした観光都市となっている。
三島駅の周辺には、街の顔とも言える自然公園の楽寿園や源氏ゆかりの神社である三嶋大社などが南口側にあり、大きい観光資源が南側に固まっている。
こうした背景のもと、三島市では再開発事業の検討が1987年から始まっていた。
2011年にも事業化の動きがあったものの、東日本大震災の影響などによって事業が一旦白紙となった経緯がある。
しかし、2017年にミサワホーム・野村不動産・三菱地所レジデンスなどの共同企業体が「三島駅南口東街区A地区第一種市街地再開発事業」のパートナーとして決定し、今年6月に再開発組合が設立された。
来年度から既存建物の解体工事及び新しい建物の建築工事が開始され、再開発建物の竣工は2026年度が予定されている。
再開発建物は観光機能や
商業機能が備わったものとなる予定
※引用:三島市
再開発予定地は現在駐車場となっており、一部には古くなっていると見られる建物が建っている。
※引用:三島市
6月28日に公開された資料では、再開発建物の配置図が公開された。現在の予定では、主に住宅及び商業施設と駐車場などが建てられることがわかる。
※引用:三島市
上の図の中でも左側にある定期借地事業区域については、ミサワホームが三島市から土地を借り受け、商業・ホテルの機能を持つ建物を建てる予定。
※引用:三島市
現在の構想におけるF棟は8階建ての建物で、1~2階に主な商業施設が入る。一般的なスーパーマーケットや地元で有名な飲食店などに加え、物産品店などが予定されている。
3~8階については「ウェルネスツーリズムの拠点」とされており、健康をテーマとした宿泊施設が入る。
※引用:三島市
A棟とD棟の主な機能は住宅だ。A棟(24階建て)の低層階にはスーパーマーケットと医療・保育施設が入る予定で、D棟(10階建て)の低層階は店舗・住宅の共用施設とする案を検討中となっている。
B棟は1~2階が商業フロア、3~4階がオフィスフロア、5~6階が賃貸住宅の予定。
駅前の楽寿園は三島市が持つ重要な観光資源として存在感を持つものの、三島駅の周りには目立った商業施設がない。
ある程度の規模を持った商業施設が駅前にできるとなれば、三島駅周辺の生活利便性は格段に向上すると考えてよいだろう。
なお、それぞれの建物はデッキでつながれるため、駅から東側に通り抜けられるようになる。
現在の三島駅周辺は観光都市として存在感を保つものの、古い建物も多いことからローカル感が感じられることも否定できない。
都市機能と観光機能を兼ね備えた建物ができることで、今後三島市がどう変化していくか要注目だ。
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取材・文:
(はたそうへい)