2000年頃のテレビ報道の影響もあり、寂れた温泉街のイメージのある熱海だが、2011年を底に入湯税から推察される宿泊者数はV字回復ともいえる好調ぶりを見せている。実際、駅前から伸びる2本の商店街は観光客で賑わい、昼時にはあちこちの飲食店に行列ができているほど。
2016年完成を目指して91年ぶりという駅の改修、駅ビルの建設も進んでいる。そのため、熱海では人手不足が進行。人手が足りないがゆえに営業を拡大できないという悩みも抱えているほどだ。
人手不足を深刻にしている要因のひとつが住宅不足。人手を増やしたくとも、その人たち向けの住宅がないのだ。理由は複雑だ。
まず、熱海は海と山が迫った地形で平らな土地がほとんどない。現地に行ってみれば分かるが山の麓にある熱海駅から中心市街地へは坂を下る。
海沿いのホテル、飲食店が集積するあたりが多少平らではあるものの、それ以外はほとんど傾斜地。わずかばかりの平坦な土地には観光客向けの施設が集中しており、住むための街でない
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